【NBA】NBA2023開幕前と閉幕後の“TOP30選手ランキング”比較で考える、「手のひら返し」とミニマム契約選手への期待&楽しみ方。
ESPNによるNBA2023開幕前の「TOPプレイヤーランキング」
プロアスリートの競技生活は得てして山あり谷ありです。
世界的な人気のあるNBAの選手ともなると、そのパフォーマンス内容に基づいて世界中の人間から賛美礼賛・罵詈雑言の言葉をとっかえひっかえです。
2023シーズン終了後、メディアパーソン25名を対象にした「NBA2023現在のTOP50プレイヤー」のアンケート結果。
昨日悪し様に言われていた選手が翌日称賛を浴びる。
こういった評価内容の逆転。俗に言う「手のひら返し」。
この「手のひら返し」は中々面白いです。
FA交渉が解禁された2023/7/1初日、スター選手たちが大型契約を交わしたり躊躇われたりする中
35歳を迎えるディアンドレ・ジョーダンがいち早くナゲッツと再契約しました。
2023シーズンの3P%は驚異の100%でしたから当然です。
冗談はさておき、ディアンドレ・ジョーダン(以下DAJ)の1年前の評価は散々なものでした。
直前に所属していたシクサーズ、レイカーズ、ネッツでは結果を残せなかったので、当然と言えば当然です。
そのDAJが、2022シーズン後半ナゲッツベンチからの得点源だったデマーカス・カズンズを差し置いて契約したんですから、当時ナゲッツファンコミュニティからも賛否両論でした(大幅に否よりの賛否両論)。
そもそも2023開幕前ナゲッツはスターター5人だけでサラリーキャップの多くの割合を占める状況で、需要の高い人気バックアップセンターを獲得できるはずもなく、DAJはベテランミニマム契約でしたから、そこまでチームを傷つける存在にはなるはずもなかったんです。
しかし、良くも悪くもDAJは目立つ存在なので、シーズンが始まった後も何かにつけて、多くの疑問の声と共に嘲笑する声さえありました。
ところが、「ビッグマン冬の時代」を生き抜いたベテランの存在は、ナゲッツにとって非常に貴重なものとなります。
ロッカールームやコート外での貢献は外部からはほぼ目に見えないので伝聞に頼るしかありませんし、確信めいたことは言えませんが、DAJがベンチで事あるごとにチームメイト・若手たちを諭し、皆の好プレイを喜ぶ姿はソレだけでファンの心を掴むのに十分でした。
DAJは大黒柱ニコラ・ヨキッチとは開幕前から他ベテランと共に積極的にコミュニケーションをとり、
ヨキッチは
気分が悪い時、不愉快な時は彼のところへ行けばいい。彼は適切なタイミングで適切な事を言うベテランでありリーダーなんだ。
と言い、マローンHCは
誰もが「セルフレス(無私)でなければならない」と言うが、常にそうある事は非常に難しい事だ。
彼のリーダーシップ・発言力は我々を高いレベルで助け、影響を与えている。
と信頼を寄せています。引用元:Jake Fischerの記事へのリンク(HCやチームメイトからの信頼、DAJの自己啓発意識、多様性・異文化への懐の深さが窺える素晴らしい記事です)
マローンHCの言う通り、「セルフレスでいる事」は非常に難しい事だと思います。特に成長著しい若手にとって、「セルフィッシュである事」は必ずしも悪い事ではありません。大抵のNBA選手はある程度そうやってスキルを磨きNBA入りし、成長もしていきます。シーズン途中で袂を分かつことになったボーンズ・ハイランドのフラストレーションを責める事も出来ません(発露の仕方に問題はあれど)。
ただナゲッツの方向性とは合わなかった。
だからこそ、チーム全体で同じ方向を見据える事は難しく、どのチームにとってもベテランやリーダーの声は重要になるんだと思います。ナゲッツのようなパスの多いチーム、ヨキッチ&マレーのスキル・2メンゲーム、シューター、カッターたちを活かすためには特に。
本記事は別に以前DAJを疑問視していた方たちへ「それ見たことか」「どやぁ」と言いたいわけではありません。
現在進行中のFA契約やロスター構築の過程で、どのチームにも必ず疑いたくなるサイニングはあるでしょう。それは当然の事ですし悪い事でも何でもないです。
ただ、前述のDAJへの1年前の悪評の数々が、僅か1年後にはこうです↓。
そう思うと、今は好きになれない契約・期待していない選手・ベテランミニマム契約選手その他諸々全て楽しみな気がしてきませんか?
勿論「優勝したからこそ」って部分も大きいでしょうけど、それ抜きでも本当に楽しかったです、DAJは。
だってコレ↓が
コレ↓を経て
こうですよ↓。
記事の構成上、コート外での貢献にフォーカスしましたが、オンコートでもべテランミニマム選手としては決して悪くない成績・コストパフォーマンスでした。
ファイナルでの対戦相手マイアミ・ヒートだって元ドラフト外やTwo-Way契約・ミニマム契約選手たちが大貢献して躍進を果たしましたし、ウォリアーズの2022優勝に貢献したゲイリー・ペイトンⅡなんて4.5回ウェイブとTwo-Way契約・10day契約を繰り返してましたし、レイカーズでのアレックス・カルーソですとか、兎に角例を挙げれば枚挙に暇がありませぬ。
・・・・・・そろそろ渡邊雄太の番かも。
渡邊雄太は勿論のこと、期待していない選手、いまだ未契約の選手の中に優勝へのラストピースとなる選手が眠っているかもしれません。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
セルビアでは親しい間柄なら同性同士でのチークキスは当たり前の習慣だそうで、特にヨキッチは大好きな御様子。
それにしてもヨキッチ、キス好き過ぎるな。
ブッカー嫌がってるし、レフリーも「あらヤダ」って顔してるじゃん。
・・・・違うか。