はじめに
昨季長期欠場を余儀なくされた選手たちに焦点を当てて、軽く語ろうと思います。
今回はポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラード。
怪我をする前の活躍
これまでの受賞歴は1度のAll-NBA-1st、4度のAll-NBA-2nd、1度のAll-NBA-3rd、ROTY、2020-21 Teammate of the Year、NBA 75th Anniversary Team等々。
2010年代以降ガードの層がどんどん厚くなってきていますから、その中で6度のAll-NBA入りは圧巻です。
現在のキャリアPPGは24.6。これは現役の中でKD、レブロン、ハーデンに次ぐ4位。
キャリアMPG(平均出場時間)は36.3分。こちらもレブロン、KDに次ぐ3位。
名実ともにブレイザーズを背負ってきたと言えるでしょう。今更言うのも失礼な話ですね。そらリラードもこんな顔します。
これまでに数々のクラッチプレイを披露してきたリラードですが、’21プレイオフ一回戦対ナゲッツ第5戦ではオーバータイムに引きずり込むクラッチ3を2度も決め、終わってみればプレイオフ史上初の55得点10アシスト、プレイオフ記録12本の3P、TS%96.8%で1TOVと歴史的かつ効率的な大活躍。
ただリラードの歴史的活躍があったにもかかわらず試合には敗戦、次の試合も落としプレイオフ一回戦敗退。
相手のナゲッツはジャマール・マレー含むスターターを二人欠く状態だったのもあり、ブレイザーズには“現体制の限界”の声が囁かれるのでした。
’21オフに挑んだ東京五輪ではアメリカ代表の金メダル獲得に貢献するも下腹部の異常に悩まされ、’22開幕後もいつものリラードらしからぬパフォーマンスが目立ちました。
逆境に負けたくないという思いからか、あくまで出場にこだわるもシーズン中盤に手術を決断。
盟友CJ・マッカラムもトレードに出され代わりに得たものの中にドラフト指名権が含まれていて、アンファニー・サイモンズの台頭や若手の積極採用もあり“リラードも放出し本格的に再建に入るのか”との噂が立ち始め、チームは西13位でシーズンを終えました。
’23への期待
チームの方向性が定まらぬまま’22オフに入ったように見えたブレイザーズはジェレミー・グラント、ゲイリー・ペイトン2世を獲得。ドラフト7位でケンタッキー大の1年生ガード、シェイドン・シャープを指名。
リラードも現行契約から更に2年1億2200万ドルの延長契約合意。’27までの長期契約となり、しばらくの間ブレイザーズは“リラード中心体制”を継続することになります。
グラントはピストンズではスコアラーとしての活躍が目立ちましたが手足が長く用途の広いディフェンダーです。
GP2もディフェンスは言わずもがな。オフェンス面でも昨季7.1PPGとボリュームとバリエーションはそこまでありませんが、TS%67.9%と効率的に点のとれる選手。
シェイドン・シャープは大学ではプレイしておらず未知数の部分が大きいですが、身体能力は高くエキサイティングなハイライトを持っています。
リラードと同じくヌルキッチ、サイモンズ、ジョシュ・ハートも昨季終盤は欠場となり、カンファレンスファイナルまで進んだ’19以来チーム全体で鬱憤は最高潮と言えそうなだけに、来季は“大きな反攻”が期待できそうです。
(右)悩まされていた怪我について、今の状態について説明するリラード。
デリケートな部分に試合後野球ボールサイズの腫れができてたりしたんだそうです。
来季へ向けては「今までにないくらい力強く感じている」と頼もしい御言葉。
カンファレンスファイナル進出後、上り調子に次のシーズンへ向かうはずがチームのローテーションプレーヤーが6、7人ごっそり抜けて開幕を迎えるなど度々リラードの悲願とロスター編成の間に乖離が見られたブレイザーズ。
来季ウェスタンカンファレンスは層が厚そうとはいえ、昨季よりも期待できることは間違いありません。
良いロールプレイヤーとしての実績がある選手に囲まれたフランチャイズビルダーのリラードは来季どんなケミストリーを構築していくのか。
“名実ともにブレイザーズを背負ってきた”だけでなく、こんなもん↓まで持ち上げるリラードが来季どんな反攻を見せてくれるのか。
非常に楽しみです。
それはそうと前回のカワイもそうですけど、コート上のクールさとオフコートのテンションにギャップがある選手ってそれだけで好きになっちゃいます。
今回の【’23スターたちの帰還】はここまで。ではまた次回。