【その2】ESPNから’23シーズンTOP10予想を受けた選手たち、アメリカ統計分析サイト“Five Thirty Eight”の「予測モデル/システム」による評価は?レブロン、ジャ・モラント、ブッカーetc.

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【その2】ESPNから’23シーズンTOP10予想を受けた選手たち、アメリカ統計分析サイト“Five Thirty Eight”の「予測モデル/システム」による評価は?レブロン、ジャ・モラント、ブッカーetc.

前回記事↓からの続きで、今回はESPN評価6位から10位選手をデータサイト“FiveThirtyEight”(※、以下538)による評価で見てみましょう。

※:“FiveThirtyEight”は政治/経済/スポーツのデータ分析サイトです。
NBA界隈では影響指標のRAPTORで有名でしょうか。中の人たちはその道のプロ中のプロ、古くから「予測モデル/システム」を用いてきた方たちで統計調査分析や選挙戦予測など、昨季NBAではセルティックスの快進撃を早くから数字上予見していました。
当たり前ですが100%正確ではないです、というより予測とのズレや誤差を含めて予測しています。(厳密に語ろうとすると“沼”です)
詳しく知りたい方はこちら→FiveThirtyEightへのリンク

本記事から閲覧した方、うろ覚えな方のために画像内の詳細説明をESPN評価1位のヤニス・アデトクンボを見ながらおさらい。(前回記事と同じ内容ですので、必要ない方は点線まで飛ばして大丈夫です)

画像左半分は来季の一部アドバンスドスタッツ予測。画像左半分内右側の青丸・赤丸はパーセンタイル(※)での位置を表しています。右側に寄ってるほどリーグ内で傑出していて、左側に寄っていれば悪い/大人しいって事です。

※:統計学で用いられる単位/指標。
興味がない方は「最高の100に近いほど良くて最小の0に近いほど悪い」って認識でOKだと思います。(一部スタッツ除く)
「ヤニスはTS%が62%もあります」とだけ言われてもリーグ全体の平均や他の選手のTS%がわからなければ凄さがわかりづらいです。
しかし「ヤニスのTS%は62%で90パーセンタイルです」と言うと「ヤニスは他の90%の選手の上をいくシュート効率を持っているんだな」となって、とってもわかりやすい。便利。

画像右上の“Wins above replacement projection”(以下WAR予測)は「代替え選手と比べて勝利をどれだけ上積みできるか」の予測です。
その下は選手カテゴリー、ヤニスは「MVP候補」となっています。
その下は5年間の市場価値、ヤニスは250.6M。
ちなみに野球などでもよく聞く「WAR」はこのWins Above Replacement の略です。(528の具体的なWAR算出方法は不明)

画像右下“Performance of the 10 most comparable players”は「類似性」の高い選手たち、右のグラフはその選手のパフォマーンス推移。
「類似性」と言ってもプレイスタイルではなく数字上での話で、画像のヤニスでざっくり言うと「現在のヤニスは’22エンビードとSIMILARITY(類似性)が42(最大100)です」となります。

とりあえず画像内の用語説明は以上です。「解釈違い」「説明不足」と感じられるかもしれませんが、あまり厳密に詳しく語りますと窮屈にもなってしまいますので、ざっくりと説明させて頂きました。

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ではESPN評価6位レブロン・ジェームズの538による来季予想を見てみましょう。

来季で御年38になります。「WAR予測」も当然右肩下がりになります。これを「ディスリスペクト」と捉える方もいらっしゃるかもしれません。

そもそも機械的数字的な予測ですが、私は「機械的な計算上でもリスペクトされてる印象」を受けました。
まず「38歳を迎えるにしては来季の下がり幅が非常に少ない」です、8.0→6.9の-1.1。来季35歳になるステフですら12.0→9.5で-2.5の下がり幅です。(ステフの下がり幅が大きいのではなく35歳の選手ではそれが普通です)
それに6.9も決して低い数値ではありません、昨季で言うとデローザンやKATよりも僅かに上です。
流石に40歳を過ぎると厳しい予測が待ち受けていますが、ステフと同じく過去前例のないキャリアを積み上げてきた選手ですから「フラグ」「前フリ」と捉えておきましょう。

Performance of the 10 most comparable playersは長寿性のあったレジェンド揃い。2位カリーム・アブドゥル・ジャバーの推移が凄い。

余談。レブロンの最多得点記録達成も間近になりよく名前の挙がるカリーム・アブドゥル・ジャバー。
そのジャバーの38歳時の一部スタッツがこちら↓。

凄い(語彙力不足)。カリームの何が凄いってバスケットボール選手としてもレジェンド中のレジェンドですが、引退後から現在に至るまで「頭の冴え」も健在であり続けているという事です、私が言うのも失礼なんですけど。
執筆活動に精力的で、最近でも深い見識と卓越したユーモアで私を感心させたり笑顔にしてくれたりしてます。

私は賞や記録を個人の証明ではなく、ファンを楽しませるためにどれだけ懸命に働いたか、チームメイトにとってどれだけ良き仲間になれたかを計るための尺度だと考えています。

良い言葉。

次、ESPN評価7位ジェイソン・テイタム。

まず初めに言わなきゃならないのは

現在のボストン・セルティックスが

って事です。

新加入ガリナリがACLtear他で全休見込み、ロバート・ウィリアムズ3世はバスケットボール活動復帰まで8-12週間離脱見込み、ウドカHC1年間休止。現セルティックスの置かれている状況がカオス過ぎて、過去データを基にした予測が他選手以上にアテにしづらいです。

まぁ、そうはいっても折角なので気になる点をいくつか。

「WAR予測」は微減が続きますが数値自体はその高さを維持。昨季はヨキッチと並んでon/offスタッツが非常に高い事も話題になっていました。on/offスタッツはセカンドユニットの影響も大きく、だからこそセルティックスは積極的に補強に動いて成果も大きかったわけですが・・・・テイタム、頑張れ!!

タイムロードの復帰時期にも大きく左右されるでしょうが、セルティックスの堅守とテイタムの活躍は今オフのカオスでもそう崩れないんじゃないかなと思います。「WAR予測」も30歳まで8.0以上ですから、そう言ってるって事にしておきましょう。

Performance of the 10 most comparable players”1位のマーカス・ジョンソンは「過去の過小評価されてる選手」系の話題ではお馴染みの選手です。映像は私もほぼ見た事ありませんがテイタムと同じく若いうちから活躍をしていた選手ですね。

次、ESPN評価8位ケビン・デュラント。

来季もTS%は64%予測とその高効率Isoは健在と予想されています。KDのIsoはHOU時代ハーデンの高い位置からのファイブアウトIsoとも違っていてポストだったり必ずしも広大なスペーシングやチームメイトを選ばない、かつ高効率ってのが恐ろしいです。
ネッツはいざこざ続きでケミストリー面を不安視されますが、私はKDの出来自体はあまり不安視していないです。どちらかと言えば怪我の方が心配です。ここ3年多いので。

ただ今も昔もチームメイトが強力なのもあって影響指標やWAR予測では控え目。あくまでKDの能力/ボックススコアでの数値と比べたらの話ですけど。

「そこそこ高齢で怪我も目立つし1試合平均での出場時間抑えた方が結局はチームのためになるんじゃないか」と思ったりもしますが、試合への妥協なき姿勢が今までのハイスコアリングを生んできたと思うと難しいですよね。まぁ余計なお世話ですわね。

次、ESPN評価9位ジャ・モラント。

2022年「数字で語っちゃいけない選手」大会優勝者ジャ・モラント。

on/offスタッツが良くない?不在時グリズリーズの方が勝率良い?ダンクもレイアップも

©集英社

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真面目に語りますとグリズリーズのような層の厚さや優秀なセカンドユニットを揃えたチームで、on/offスタッツや不在時の成績を理由にモラント自身の評価を下げるのは些かアンフェアかと思います。モラント自身のオンコートNetRtgは4.6で充分にプラスですし(参照元:Cleaning the Glass)。

ドンチッチにも言えますが、エース/中心選手ってのはロールプレイヤーらと違い、時として強引に攻めることが求められます。でないといつまでたっても相手ディフェンスに綻び/ズレは生まれません。
そうやって効率を犠牲にしてでもコート上で負担を負う事で他選手は自分の役割(大雑把に言えばディフェンスやオープン3Pなど)に専念しやすくなります。
モラントがシーズン始めから最後まで不在だったとして、同じ勝率を維持できたか?無理無理。

ただ、だからといって現在23歳のモラントがこのままで良いワケでもありません。
過去MVPたちはその「負担の多さ」と「効率の良さ」を両立してきた選手ばかりです。
WAR予測では今後6年間8,9前後と高い位置を推移してますが、昨季のダイナミックなプレイを目の当たりにした以上期待したいのは「更なる飛躍」です。

頑張れ、お父さん。

次、ESPN評価10位デビン・ブッカー。

サンズもグリズリーズと同じく層の厚さと優秀なセカンドユニットを兼ね備えたチームでした。
ところがジャベール・マギーはマーベリックスへ、ジェイ・クラウダ―も移籍濃厚、さらにクリス・ポールの年齢と不穏な気配も漂っています。
ただブッカー含めサンズのメンツは若いです。クラウダ―移籍云々もキャム・ジョンソンへのプレイタイム確保が発端との報道もあります。
エイトンも無事延長契約、これでサンズはブッカー、ミカル、エイトンの三人は’26まで共闘が保証されています。この事は選手が成長していく上で、チーム作りをしていく上で非常に大きなアドバンテージだと思います。

ブッカー自身の成長が気になるのは勿論ですが、さらに気になるのは今後の他コアメンバーとのケミストリーの築き方です。
不吉な言い方になりますが、CP3は不死身ではないのでいつかは引退/チームを離れます。
Performance of the 10 most comparable playersを見ると高いSIMILARITY(類似性)でスコアラーが並んでいます。ブッカーは非常に優秀なスコアラーですから当然と思いますし、今後もスコアラーとしての成長を大いに期待したいです。

同時にエイトン、ミカルとのケミストリーを向上させていってほしいとも思います(今までが悪かったという意味ではなく)
エイトンもミカルも20代中ごろ、役割を限定するには早く、来季にオールインするなら兎も角、今後数年間コンテンダーであり続けるなら成長は必須なはずです。特にエイトンは現リーグで希少なインサイドワークに強みを持っている選手で、なおかつ柔らかなミッドレンジのシュートタッチも持っています。2メンゲーム以外での役割ももっと増やしても損はないんじゃないかなと。

なにやらブッカーよりエイトン愛が出ちゃいましたね。

ブッカーは私や外野がアレコレ言わんでも、こんな飛躍↓を為す男ですから。

高い。

以上。

なんか話が逸れてばっかだった気がしますが、

画像で遊ぶのも程々にします、ごめんなさい。

ESPNの予想はこちらから↓。

今回はこの辺で。ではまた。

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