【NBA】「NBAは短距離走ではなくマラソン」、ドラフトの陰で生まれた悲哀。NBAコーチの平均在任期間。某コーチとライバルの歴史的和解。
プロスポーツエンターテインメント・プロスポーツビジネスは非常に華やかな業界です。
先日のNBA2023ドラフトナイトも希望に満ちておりました。
しかし、ドイツの詩人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは言いました。
光が多いところでは、影も強くなる
今年も多くのルーキー選手が加入した一方で、去年の春以降12人ものヘッドコーチが解任の憂き目に遭っています。。
ホーネッツのジェームズ・ボーレゴ、レイカーズのフランク・ヴォーゲル、ジャズのクイン・スナイダー、ネッツのスティーブ・ナッシュ、セルティックスのイメ・ウドカ、ホークスのネイト・マクミラン、ロケッツのスティーブ・サイラス、ピストンズのドウェイン・ケーシー、バックスのマイク・ブーデンホルツァー、ラプターズのニック・ナース、サンズのモンティ・ウィリアムズ、シクサーズのドック・リヴァース
(キングスの暫定ヘッドコーチだったアルビン・ジェントリーは含めず)
NBA全チーム歴代コーチたちの在任期間をグラフ化したもの↓。
優勝経験コーチたちの在任期間をグラフ化したもの↓。
2018年から過去20年での平均在任期間は2.4シーズンで米4大スポーツ中で最短。(最新のデータは見つからず)
2023/7/5現在での現職NBAヘッドコーチで優勝経験があり、そのチームに留まっているのはグレッグ・ポポヴィッチ、エリック・スポールストラ、スティーブ・カー、マイケル・マローンの4人のみ。
2017~2020、2022のコーチ・オブ・ザ・イヤー受賞者も既に解任されています。
“It’s a marathon, not a sprint”「(コーチングは)短距離走ではなくマラソン」ってのは常套句ですけど、現状それが許されているケースは稀です。
私だって頭では理解しつつ、どうしたって贔屓が負けた時は嫌ですもんね。目の前の試合全て「勝ってほしい」と思いながら応援して観てますから。
サマーリーグ・プレシーズンゲーム・スクリメージですら負けたら若干凹みます。
代弁者を気取るわけではありませんが、大体のスポーツファンはそういうもんだと思います。
もしかすると、ファンとコーチはお互い永遠にわかり合えない人種なのかもしれませんね。
NBAのヘッドコーチってのは全くもって安定を欠いた難儀で過酷な仕事です。
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ゆうて億万長者ですけど。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
外部からのコーチ評価が極めて難しい理由の一つに「選手のタレントとコーチングは不可分」な事が挙げられます。(他にも「選手と比べ、コーチの貢献は数値化・定量化が難しい」「目先の勝利を度外視した長期的な見通しやフロントからの指示等、外部の人間からはわからない目的・行動指針を持っている事がある」等々)
その点、これ↓が非常に面白いです。
2016年に書かれた“The Value of Coaching Tenure in the NBA”「NBAにおけるコーチ在任期間の価値」というコラムへのリンク。
「どーにかして選手のタレントとコーチングを分けて評価してみよう」「コーチに正当なスポットライトをあてよう」という情熱・バスケへの愛に溢れたコラムです。
それが妥当であれ何であれ、こういったコーチングについての詳しい分析や評価方法がもっともっと増えたら良いなぁ、と思います。
コーチ自身でもっと色々語ってくれると有難いんですけど、コーチングの説明は「言い訳」「責任転嫁」と捉えられるケースも多いので、やっぱりコーチって人種は表には出たがらないんですかね。再就職を考えると手の内も晒したくないでしょうし。
私は英語リスニングの鍛錬を兼ねて、こーいうポッドキャスト・動画を聞きながら作業を進めたりするんですが、英語圏で喋り慣れてる方たちってやたら心地良い低音ボイスをお持ちの方が多くて眠くなって困ります。いや言いがかりですけども。