【NBA】歴代キャリアFG%・3P%・FT%・TS%TOP40ランキングと「数学的確率」と「統計的確率」と。
NBAではよく確率が取り上げられます。FG%だったり3P%といった類の「何本打って何本入ったか」を表す確率です。
なので、シュートが入る入らないをクジ引きに例えたり、ランダムなものとして扱われる事もあります。「キャリア3P40%のシューターなんだから打ち続ければ入り出すはずor外し出すはず」「今日はハズレの日だった」「平均への回帰」とかですね。
それが間違いとまでは言いませんが、「バスケにおけるシュート確率」と、理論上いつかは回帰する「サイコロの出目・ガチャガチャの確率」とには決定的な違いがあります。
確率には大きく分けて2種類、「数学的確率」と「統計的確率」があります。
外部の干渉を受けないサイコロの出目・ガチャガチャの確率は「数学的確率」です(「理論的確率」「古典的確率」とも言います)。6面体サイコロの1が出る確率は振り続ければ“大数の法則”に基づき必ず6分の1に近くなります。
数学的確率の例:サイコロの出目、宝くじの当選確率など
一方、「バスケにおけるシュート確率」は「統計的確率」です。統計とはあくまで過去の蓄積で、外部からも多くの干渉を受けて決定されます、バスケ選手はサイコロと違い変化し続けます。
統計的確率の例:野球の打率、天気予報の降水確率など
「統計的確率」はあくまで過去の蓄積で、サイコロの確率(数学的確率)とは違い、未来でも保証された確率ではありません。サイコロと違い選手は成長・衰えもするし、短い期間でも体調などによって状態は常に変化しています。
キャリアFG%60%の選手がシュートを打ち続けても、その60%は保証されていません。リム近辺のシュートやオープン3Pは非常に高効率ですが、それも保証されていません。本人の成長・衰えや相手の対策等によって、いくらでも変動します。
リーグ全体でのシーズン平均シュート確率とかサンプルサイズが非常に膨大になりますと「統計的確率」もある程度一定の水準に落ち着きますが、短いスパン・選手個人での「統計的確率」に「平均への回帰」は無縁です。
確率には「数学的確率」と「統計的確率」があって、バスケに「平均への回帰・収束」という事はあるようで中々ない、そんな小話。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
歴代キャリアFG%ランキング。以下全て2023/12/13時点。
歴代キャリア3P%ランキング
歴代キャリアFT%ランキング
歴代キャリアTS%ランキング
「どーせなら確率の良い選手・確率の良いシュートをバンバン打たんかい」とはよく思いますが、確率にも色々あって複雑です。