ドンチッチのポジションは?KATは史上最高の3Pビッグ?エンビードの変化とは?役割・ポジション名の多様化と体重ランキング。/ウェンバンヤマ&ホルムグレン&アイビー&ロフトンJr、夢の共演。

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ドンチッチのポジションは?KATは史上最高の3Pビッグ?エンビードの変化とは?役割・ポジション名の多様化と体重ランキング。/ウェンバンヤマ&ホルムグレン&アイビー&ロフトンJr、夢の共演。

少し遅くなりましたが

おかえり、KAT。

前の試合でもクラッチフリースローを2本決めております。

211cmのビッグマンが残り10秒1点ビハインドの状況でトランジッション3を打つ。そして決めちゃう。

願わくば、今後1本でも多く見せて下され。ミームも沢山作りながら。

好き。

KATことカール・アンソニー・タウンズは「シューティングビッグ」として知られています。

3Pを打つビッグマンは今日日珍しくありませんが、KATほど3Pに積極的でプルアップ3Pも打ち、かつ高確率を維持しているビッグマンは稀です。

昨季’22KATの3P関連スタッツ。


ダーク・ノビツキーというレジェンドがいるので滅多な事は言えませんが、「史上最高のベストビッグマンシューター」を自称するだけはあります。実際にそうかは兎も角、その気概は感じ取れます。

先日「3Pシューターの分類」について記事を上げました↓。

記事の中で「選手を分類する事の難しさ」についても述べました。

従来の「ポイントガード」「シューティングガード」「スモールフォワード」「パワーフォワード」「センター」の5つの分類。これら分類は最も一般的で、今後もなくなっては困ります。賞選考や議論をする際は、ある程度普遍的な分類がないと不便極まりないですからね。

ただ、選手や試合についてもう少し掘り下げたい時には、上記分類は些か不適切と言いますか、ちょっと限界があるように思います。
日を追うごとにNBA選手たちのスキルがオールラウンドになり、各選手が多様な役割を任せられることも多くなり、「彼はポインドガードだ」「彼はセンターだ」といった説明・分類があまり意味をなしていない様に感じます。むしろ誤解や齟齬を生む事に繋がっている気がします。
ステフィン・カリー、ルカ・ドンチッチ、クリス・ポールは3人共ポインドガードとして扱われる事が多いですが、3人共スキルセットや役割は全く違います。

そんなんですから、仮に全く知らない選手がいて「アイツはポインドガードだ」と説明されても・・・・・・

センターやフォワードでも同じです。センターでもケリー・オリニクに近いのか、ウォーカー・ケスラーなのか、ドマンタス・サボニスなのか、スティーブン・アダムズなのかetc.

今後も従来の分類は便宜上必要ではあるけれど、「選手を説明するための用語」としては機能しなくなってきているように思います。
「ポジションごとのTOP5選手を決めよう」みたいな議論の際に、「そもそも○○はポインドガードなのか?」って方向に話が脱線してしまう事もありそうです。

何やら愚痴っぽくなってしまいましたが、本題はここから。

「選手を説明するための用語」「選手の特徴・役割をよりわかりやすく伝えるための用語」を考えてくれている方たちが存在します。

まずは当ブログで度々引用させてもらっているBBall Index

BBall Indexではオフェンスでの役割を12種類に分け、選手たちに割り当てています。

プライマリー・ボールハンドラー:ピック&ロールのハンドラー頻度が比較的高く、アイソレーション頻度は然程高くない、オフェンスをスタートさせるボールハンドラー。
’23での例.トレイ・ヤング、ダリアス・ガーランド

セカンダリー・ボールハンドラー:アイソレーション頻度が高くなく、オフェンスをスタートさせる頻度も高くないボールハンドラー。
’23での例.フランツ・バグナー、ジェイレン・ブラウン

ショット・クリエイター:アイソレーションやセルフクリエイト頻度の高い選手。
’23での例.ルカ・ドンチッチ、デイミアン・リラード

スラッシャー:ドライブ頻度が高く、3P頻度は然程高くないオンボールプレイヤー。
’23での例.ジャ・モラント、ディアロン・フォックス

アスレティック・フィニッシャー:カッティングやプットバックなどの頻度が高いオフボールプレイヤー。
’23での例.ジョシュ・ハート、アレックス・カルーソ

ムーブメント・シューター:オフボールで動き回りながら3Pを打つことが多い選手。
’23での例.ケビン・ハーター、バディ・ヒールド

オフスクリーン・シューター:オフボールスクリーンやハンドオフに絡みながら3Pを多く打つ選手。
’23での例.クレイ・トンプソン、ボヤン・ボグダノビッチ

ステイショナリー・シューター:上記2タイプほどは動かず、待機してキャッチ&シュートを多く打つ選手。
’23での例.ケンタビアス・コードウェル・ポープ、デアンソニー・メルトン

ヴァーサタイル・ビッグ:3P、ポストアップ、ロールマン、プットバックなど比較的均等に多才なビッグマン。
’23での例.クリスタプス・ポルジンギス、ニコラ・ブーチェビッチ

ポスト・スコアラー:3Pの頻度がそこまで高くなく、特にポストアップの多いビッグマン。
’23での例.ニコラ・ヨキッチ、アルペレン・シェングン

ストレッチ・ビッグ:ポストアップ頻度が低く、3P頻度の高いビッグマン。
’23での例.ブルック・ロペス、マイルズ・ターナー、KAT

ロール&カット・ビッグ:ポストアップ頻度も3P頻度も低く、ロールマン頻度やロブ・ダンプオフを受け取る頻度の高いビッグマン。
’23での例.ニック・クラクストン、ジャレット・アレン

上記はわかりやすい様に簡潔に翻訳したものですので、原文・詳細が気になる方はこちらへ→BBall Indexへのリンク

BBall Indexは「一人の選手がボールを手にしている時間」「IsoやP&R、ポストアップ等々各プレイタイプの頻度」「ガード/フォワード/センターそれぞれに守られている頻度」他各選手各試合各プレイの膨大なデータを所持・公開していて、それらを基に各選手へ役割名を割り当てています。

しかし、やっぱり違和感を拭えない部分はあります。毎年500人近くの違う選手がプレイするわけですから、数字を基にその全てを12種類だけに分類するのはどうしても無理が出ます。

ただ、その違和感の部分が本当に面白いんです。

例えばジョエル・エンビード。今季’23エンビードはショット・クリエイターに分類されています。

エンビードは’21まではポスト・スコアラーに分類されていたんです。こちらの方が「センターっぽい」ですよね。

’21から何が変化したのか。

ポストアップ(ここで言うポストアップはリムやマッチアップ相手に背中を向けるポストプレイの事です)が減り、Isoやフェイスアップゲーム(リムや相手と正対するプレイ)が増えて、よりセンターらしからぬスコアラーへと進化したんです。

’23の詳細なFREQ%はまだ未公開。

センター登録でショット・クリエイターに分類される選手は非常に稀です。他はガード/フォワード登録選手ばかりです。

それだけエンビードは努力をし、’21からも変貌を遂げ、稀有なスキルを持っている、という事ですね。

他にも、パッと見た時に違和感の凄い割り当ては沢山あります。

ニコラ・ヨキッチへのポスト・スコアラー、ドマンタス・サボニスへのロール&カット・ビッグ、ラウリ・マルッカネンへのストレッチ・ビッグとかですね。

これは、それだけ彼らが「ユニークで分類の難しい選手である」と同時に「パッと見ではわかりづらい長所も沢山持っている」という事だと思います。

私はドマンタス・サボニスがロール&カット・ビッグに分類されてるのに特に驚いたんですけど、今後はパサーやポストプレイヤーとしてのドマスだけじゃなくて、ロールマン・カッターとしてのドマスの魅力にも注目です。

本記事ではBBall Indexが採用してる分類について書きましたけど、他にもディフェンスでの役割やSynergy Sportsで採用してる分類など興味深い事がありますので、また記事にしたいと思います。というか元は本記事でまとめて書こうと思ってたんですけど長くなりそうなので。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

「やっぱり体重の重い選手にポスト・スコアラーが多いのかな?」と不意に気になったので今季’23体重ランキング。2023/3/27時点。※画像クリックで拡大

TOP3はポスト・スコアラーですけど、あまり関係なかったです。というかポスト・スコアラー自体が今季は12選手しかおらず少なかったです。

そんな事よりケネス・ロフトンJr。ジャベール・マギーより重いって・・・・・大物やな!

そんなロフトンJrですが、2021アンダー19W杯のアメリカ対フランスでビクター・ウェンバンヤマと対戦しております。ウェンバンヤマ相手にポストプレイで得点もしてます(身長差約20cm)。

ジェイデン・アイビー、チェット・ホルムグレンらも出場してますし、ロマン溢れる試合です。FIBA公式ハイライトへのリンク

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