【NBA】今季2024最もコストパフォーマンスに優れた選手ベスト&ワーストランキングと高額サラリーランキングと。/SGA、OKCサンダー、ヨキッチ、ナゲッツ、デリック・ホワイト、セルティックス、エンビード、シクサーズ、ブランソン、ニックス、ヤニス

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【NBA】今季2024最もコストパフォーマンスに優れた選手ベスト&ワーストランキングと高額サラリーランキングと。

heavy.comが面白いグラフを公開していたので紹介。

簡単に説明すると「影響指標のEstimated Plus-Minus (以下EPM)とEstimated Wins(以下EW)と今季サラリー額を用いて選手の今季活躍をグラフ化したもの」です。一言で言えば「選手のコストパフォーマンス」です。詳しい説明は元記事へどうぞ

リーグ全体での分布図。右に位置するほど今季サラリーが高額、上に位置するほどコストパフォーマンスが優秀。以下全て2024/1/27時点。

EW上でのコストパフォーマンスTOP10とWORST10一覧。

ルーキー契約中の選手は含まれておりません。

1位のシェイ・ギルジャス・アレキサンダー(以下SGA)の今季サラリーは約33.4Mとその貢献に対して非常にリーズナブル。

SGAの現行契約内容。

今季2024/1/27時点でEPMは2位、かつ欠場も少ないのでEWは圧巻の1位。

今季2024EPMランキング。

EPMが100ポゼッション換算された指標なのに対し、EWはそのEPMをベースに“出場時間”も考慮に入れた指標です。EPMその他についての詳しい説明はこちらリンク先

今季2024EWランキング。

EPMでの1位はジョエル・エンビードでEWでも4位。他上位選手よりも10試合近く多く欠場しながらEWでも4位につけてるんですから、こちらも正に圧巻です。

EW上でのコストパフォーマンス2位はデリック・ホワイト。攻守バランスに優れ、EPMとEWともにリーグ16位でありながら今季サラリーは僅か18.4M。「優勝を目指すチームにとって最もありがたいロールプレイヤー」と言えるかもしれません。“凄い”と言うより“おひねり”あげたくなっちゃいます。

EW上でのコストパフォーマンス3位はニコラ・ヨキッチ。今季リーグ3位に高額な47.6Mをもらいながらの優秀なコストパフォーマンス。

今季2024サラリーランキング。

MVPを2度受賞した後、昨季2023を6月まで戦い抜きFMVP受賞、さらに今季これまでの働きっぷり。47.6Mは超大金ですけど、それでも「安い」と言えます。・・・・・・70億円を「安い」は流石に言い過ぎかな?何にせよ、十分過ぎるほど見合ったコストパフォーマンスです。

対照的にコストパフォーマンス下位となってしまったのは、ヨキッチとほぼ同額を稼ぎながら欠場の多さも響いたブラッドリー・ビール。15試合以上プレイした選手の中では最下位と厳しい現状です。

ただ、チームがビールに求めているのは“コストパフォーマンスの優秀さ”ではないでしょう。サンズにはケビン・デュラントとデビン・ブッカーという2大看板が既にいるんですから、ビールが“主役”になる必要性は他高額サラリー選手と比べると薄いですし、もっと言えば“主役になる事”“コストパフォーマンス”云々よりも“優勝へのラストピースになる事”の方が大事なはずです。

それがどういう形になるのか。2大看板不在or不調時のリーディングスコアラーなのか、プレイメイカーやオフボールプレイヤーとして良いケミストリーを発揮するのか、オフェンスでの負担が減った分ディフェンダーとしても貢献するのか等々、ビールとサンズは今後も注目度がたっぷりです。

最後に、

コストパフォーマンスTOP10にシレッと混ざるゴガ・ビターゼには感涙を禁じ得ない。

ドラフト記者会見でザイオンに注目全てを持ってかれるゴガ・ビターゼ。

今回はこの辺で。ではまた。

余談。

最近「EPMは信用性の高い影響指標」とか「EPMは総合指標の中で最も優秀」みたいな文言をちょいちょい見かけます。

私見を述べさせて頂きますと、あらゆるスタッツ・指標には留意点があり、向いているor向いていない用途があります。EPMも例外ではありません。

それでもEPMが「信用性が高い」等々と他指標よりも高い評価を得るのは何故か。

恐らくですが、それはEPMがよく練られた指標であると同時に、「確証バイアス」(※)も生みやすい指標だからです。

※:以下グロービス経営大学院他より引用。

確証バイアスとは、認知心理学や社会心理学で取り上げられるバイアスの一つ。自分にとって都合のよい情報を集め、 自分の思い込みや願望を強化する情報ばかりに目が行き、そうではない情報は軽視してしまう傾向のことを指す。 政治、経済、ビジネス、SNS、日々の実生活等のさまざまな場面で散見される。

要は、多くの人々のアイテスト(意地悪な言い方をすると思い込みや先入観)と似た結果を出すので、他の影響指標・総合指標よりも人々から好まれやすい、受け入れられやすいんです。

勿論それは悪い事ではありません。ファンがお気に入り選手やチームのネガティブなスタッツ・指標を「信用性が低い」「なんの参考にもならない」と排除して、優秀なスタッツ・指標にだけ注目し、ひたむきかつポジティブに応援し続ける姿は、「ファンとして健全な在り方の一つ」でしょう。当然私にもそういう面は少なからずあります。

ただ、カジュアルでありながらもスポーツアナリティクスを楽しむ身として、自身のアイテストと一致しないスタッツ・指標を目にした時に「この指標は役に立たない」もしくは一致した時に「この指標は信用できる」等と即断してしまう事は避けたいとも思っています。

必ず「何故そうなったのか」「何故この指標はこういう数値を出したのか」といった思考プロセスを挟む事が私にとっては非常に大事です、その思考プロセスは多くの楽しみや試合の見所を増やしてもくれます。「この指標は○○みたいな選手を高く評価してるからポイ」ってのは私には勿体無く感じちゃうんです。

EPMは非常によく練られた指標で、私も楽しんでおりますが、それでも「他よりも優れた指標・信用性の高い指標」とは特に思っていません。他指標と同じです。自身のアイテストと一致していようが、していなかろうが、選手の総合評価として鵜呑みにはしません。考案者がそう喧伝していてもです。

私はスタッツや指標から得られるディテールやコンテキストを好みます。スタッツや指標を調べる事から派生するワクワクや試合への期待感を好みます。例えそれがネガティブなデータでも、改善への道筋を想像する事が出来ます。「アイテスト・自身の見解と一致しないから」といって排除してしまう事は私にとっては機会損失で、「欠点・留意点のある指標」の欠点にだけ注目して、その指標の他の有用性を無視してしまう事もまた機会損失です。

自身の見解・アイテストを裏付けるためにスタッツ・指標を用いる事も沢山ありますが、それだけではやっぱり勿体無く感じちゃう。

スタッツ・指標とはいつだって一長一短適材適所、「全ての指標に貴賎なし」です。

以下ここまで長々と私の自語りに付き合って頂いた方へのお詫び&お礼代わりに各種EPMベスト&ワーストランキング。

今季2024オフェンシブEPMベストランキング。

今季2024オフェンシブEPMワーストランキング。

今季2024ディフェンシブEPMベストランキング。

今季2024ディフェンシブEPMワーストランキング。

今季2024EPMワーストランキング。

今季2024EWワーストランキング。

恐らく上記ランキング(特にディフェンシブEPMベストランキング)を「これが今流行りで信用性が高いとされている影響指標・総合指標のランキングです」と言って人に見せたら、「いやアカンやろ、その指標」って人が続出すると思われますが、私にとって上記はあくまでも「EPM(Dunk&Threes.com)で高く評価されている選手ランキング」であり、同時に「鵜呑みにできない点含め多くの派生・見所を生んでくれるありがたいランキング」です。

最後に

ケチつけるみたいな書き方になってごめんなさい、EPM並びにDunk&Threes.comさん。面白いデータサイトなので気になる方は是非こちらリンク先へどうぞ

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