はじめに
昨季’22長期欠場を余儀なくされた選手たちに焦点を当てて、軽く語ろうと思います。
今回はニューオーリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソン。
怪我をする前の活躍
前回のジャマール・マレーに引き続き若い選手なので受賞歴は少ないです。一度のRookie of the MonthとAll-Rookie-1st。
ただザイオンはルーキーイヤーに24試合しか出場していません。にもかかわらずROTYでも1票を獲得するなどそのインパクトには強烈なものがありました。その1票がジャ・モラントの満票受賞を阻止する事にもなりましたが、その悔しさが昨季ジャの大きな飛躍につながったって事にしてヨシとしましょう、勝手に。
話をザイオンに戻しますと、まぁこの“インパクト”ってのがキーワードです。ザイオンは一年目で
22.5PPG/6.3RPG/2.1APG/0.7SPG/0.4BPG
と24試合のみではありますが将来性抜群な数字を残します。で2年目は
27.0PPG/7.2RPG/3.7APG/0.9SPG/0.6BPG
と素晴らしいメジャースタッツを記録します。昨季のテイタムやブッカーに近い数字です。
All-NBAの投票でもフォワードとして8番目の37ポイントを獲得しています。All-NBA-4thまであれば見事受賞でした、惜しい。
とまぁ1、2年目のインパクトはここ4、5年のルーキ中ーでも屈指だったと思います。ルカらがいた2018年組にも負けていません。
ところが度重なる怪我の歴史がザイオンのキャリアを妨げることになります。
半月板損傷や手の指、かかと、つま先etcとその怪我の多さに「今、何の怪我で休んでるんだっけ?」と混乱する事が正直ありました。
そしてNBAファンの間でそれ以上に多く話題にされるのが“体重”の問題。失礼ながら私もこのCM↓見た時は
「ジュース飲んでんじゃねーよハゲ!!」ってツッコんじゃいましたからね。
CMが放送されたのは2021年9月。結局ザイオンは昨季コートに立つことは出来ませんでした。
’23への期待
ただ一般人と違ってアスリートは「痩せさえすればいい」ってものではないですから難しいです。
MVPをとったヨキッチにしても「痩せて」良くなったのではなく、あくまで「フィット」「最適化」して良くなったわけでからね。実際“細さ”で言えば、セルビアのメガバスケット所属時代やルーキーシーズンやオフの方がずっと細いです、ヨキッチ。
ただヨキッチにはフェリペ・アイヘンバーガーという非常に優秀なコンディショニングコーチがいて、厚い信頼関係を築いているからこそ最適化が可能だったのだと思います。「フェリペは僕の家族だ」「本当は体に悪いものいっぱい食べたいけど、彼をガッカリさせたくないからね」ですとか、試合を見てても二人が良い関係なのはわかります。
関係ない話の様ですが、これこそザイオンにまず必要なものではないかと思います。「コーチやチームとの信頼関係」です。
周りからはわかりづらい部分ですから、こういうことを言うのは勇気がいるんですが、スタン・バンガンディの解任劇や新加入のマッカラムと中々連絡が取れなかったりと、チーム外にもザイオンを心配する人間・アドバイスをする人間が多すぎて、逆にザイオンが迷ってしまって遠回りになっているのかもしれません。
ただ、信頼関係とは一方通行ではなく双方向によるものですから、ザイオンにだけでなく当然ペリカンズにも改善や変化が求められます。とにもかくにも、積極的にコミュニケーションを取り続けていってくれればなと余計なお世話ながら思うところです。
スキル開発においても期待したい事があります。
↑の画像はトゥルーシューティングチャート。雑に言えば「より便利なショットチャート」です。左が’20、右が’21のものです。
198cmのフォワードにしては極端です、全得点中約80%の得点をゴール下で稼いでいます。しかも左からのアタックに偏っています。
「バラければよい」ってものでもないと思いますけど、ザイオンはこの通りまだまだ伸びしろがあります。にもかかわらずあれだけの数字を残せたわけです。
夢がありすぎます。インパクトがありすぎます。
右手の使い方、ミドル、ロングなど得点バリエーション、ディフェンスもそうです。
コーチやスタッフの言う事を信頼して、仲間たちと改善点や問題点をシェアしながら試合に臨んでいけばザイオンの天井は計り知れないものになると思います。
昨季の仲良さそうだったぺリカンズの輪に混ざってプレイするザイオン、ホゼ“ニンジャスティール”アルバラードのパスを受けてダンクかますザイオン。
リーグに風穴を開けるには十分な体重とインパクトをザイオンは持っています。
今回の【’23スターたちの帰還】はここまで。ではまた次回。