NBA「ヘリオセントリックの中心選手」ランキング。/ドンチッチ、KD、ヨキッチ、SGA、トレイ・ヤング、ステフィン・カリー、ドマンタス・サボニスetc.

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NBA「ヘリオセントリックの中心選手」ランキング。/ドンチッチ、KD、ヨキッチ、SGA、トレイ・ヤング、ステフィン・カリー、ドマンタス・サボニスetc.

NBAにおける「Heliocentricヘリオセントリック」とは何なのか?

以前、ヘリオセントリックについて記事を書いた時↓

私は記事中でヘリオセントリックをざっくりと、こう説明しました↓。

※:直訳すると地動説・太陽中心説。つまり一人の圧倒的なball dominantめっちゃボールを持つ中心選手(太陽)の周りに、それを補完する選手(ロールプレイヤーが多い)を並べるようなチーム構造・オフェンスシステムの事。Heliocentrism/ヘリオセントリズムとも。
2019年くらいからよく使われるようになった言葉ですが、NBAにおける起源も定義も割と曖昧。恐らく1番有名な例はジェームズ・ハーデンのいたマイク・ダントーニHC指揮下ヒューストン・ロケッツ(’17-’20シーズン)。

ハーデンのいたロケッツや今のマーベリックス(※記事当時はカイリー加入前でした)を見ればわかるように、太陽役を担える選手さえいれば非常に強力ですが、1人がめっちゃボールを持つため他のスター選手は獲得しづらかったり、獲得できても不満を持たれやすかったり、有効活用しづらかったりします。

上記は超大雑把な説明で、実際は色々と奥深い言葉で解釈/考察も様々。「ヘリオセントリックで優勝できるのか?」をテーマに記事が作られてたり議論が沸いたりで面白いです。

文中にあるように、その定義は非常に曖昧。

↑の説明文は100%正しくはないにしても、しっかりと推敲して簡潔かつわかりやすいよう書いたつもりです。

しかし、時間が経って読むとやっぱりしっくりこない

「いや、そうとは言い切れないんじゃない?」「もっと書いておくべき事、留意しておくべき事があるんじゃないか」って思いがフツフツと湧き出てきます。
本記事は、その「もっと書いておくべき事、留意しておくべき事」を私なりに書き起こしてみたものです。

2023/1/19、NBAアナリストのベン・テイラーは自身のポッドキャストで“The heliocentric rankings ”「ヘリオセントリック ランキング」なる放送をしました。リンクはこちら

やはり、人それぞれヘリオセントリックの定義には違いがあるわけです。私にはヘリオセントリックについてコレといった確固たる定義はありませんが、それでも他の人の定義やベン・テイラーの作ったランキングを聞くと違いを感じます。他者の意見が間違ってるとは思いませんし、その違いが面白いです。

まずベン・テイラーとCody Houdekによる「ヘリオセントリック ランキング」を見てみましょう。ランキングのコンセプトをざっくり説明すると「チーム内で他にショットクリエイトの出来るスターがいない時、チームオフェンスをより良くできる選手ランキング」です。

同率1位:ルカ・ドンチッチ、ニコラ・ヨキッチ(どちらが1位は明言せず)

3位:ステフィン・カリー

4位:ケビン・デュラント

5位:ジェームズ・ハーデン

6位:ザイオン・ウィリアムソン

7位:ヤニス・アデトクンボ

8位:ジョエル・エンビード

9位:シェイ・ギルジャス・アレキサンダー

10位:デイミアン・リラード

本記事をお読みの方に留意して頂きたいのは、このランキングは「オフェンスが優れている選手ランキング」ではありません。

あくまで「ヘリオセントリックの中心役、ヘリオプレイヤーに適していると思われる選手」のランキングです。主に今季’23や近年の活躍に基づいてのもので、言わば思考実験です。お遊びです。(詳しくは引用元を聞くか見て頂くのが一番です。考察と具体的な数字を用いながら1時間20分かけて説明してくれています。動画へのリンクはこちら)

ベン・テイラーのヘリオセントリックについての考え方を私が完璧に代弁する事は出来ませんし、「100%把握している」とも言えんせんが、明らかな違いは感じ取れます。

ベン・テイラーはヘリオセントリックの中心選手としてKD、ハーデン、ザイオン(6位にザイオンを選ぶことはベン・テイラー自身も「ホットテイク(そう思ってはいるが物議が予見できる意見)」と述べていました)、ジョエル・エンビードを適していると高く見なしています。

恐れ多くも私は彼ら4人を(ほぼ)TOP10に含めません。

何故か。彼らは怪我の懸念が大きいからです。(近年エンビードは明らかに出場数が増えていますが、それでも欠場数もしくは懸念は多めです。エンビードがどうというより、体重の重いビッグマン全般の傾向です)

私のランキングはこうなります。

1位:ニコラ・ヨキッチ

2位:ルカ・ドンチッチ

3位:ステフィン・カリー

4位:ジェイソン・テイタム

5位:ヤニス・アデトクンボ

6位:ケビン・デュラント

7位:デイミアン・リラード

8位:トレイ・ヤング

9位:ドマンタス・サボニス(ホットテイク)

10位:カール・アンソニー・タウンズ(ホットテイク)

次点(順不同):ジョエル・エンビード、シェイ・ギルジャス・アレキサンダーレブロン・ジェームズ、ジェームズ・ハーデンパスカル・シアカムジュリアス・ランドル

くれぐれも言っておきますが、「良い選手ランキング」「オフェンスが凄い選手ランキング」ではありません。

あくまで私の思う「ヘリオプレイヤーに適していると思われる選手ランキング」です。
エンビード、ハーデン、ザイオンを外し、KDを6位にまで下げたのは「今の彼らにレギュラーシーズン中からさらに多くの負担をかけるのはリスクが大きすぎるんじゃないか」って思いを重視したからです。「絶対怪我しません」って前提があるなら、私だってランクインさせます。というかベン・テイラーはある程度そういう前提でランキングを作ったんでしょう、恐らく。

ただ私はスタミナや可用性の優劣は選手を比較する際の大きなファクターだと思っていて、一人の選手に多大な負担のかかるヘリオセントリックを語る際は特に無視のしづらい要素だとも思ったので、ランキングに反映させました。

・・・・・正直KATとサボニスはノリで入れました。健康ならスキル面でのポテンシャルは充分だとも思っておりますけども。

兎に角、ヘリオセントリック並びにその中心役を務める選手に対する考え方は千差万別です。求めるスキル/評価基準にも違いがあるでしょう。

雑に言えば私は「プレイメイキング能力と3レベルスコアラーである事」を重視しつつ「可用性」も重視&オフボールでの貢献も考慮、って感じです。

・・・・・うーん、そう書くとドンチッチやヤニスが高すぎる気もしてくるな・・・・最近KDの怪我も多いしやっぱりエンビードと入れ換えた方が・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・まぁ・・・・・・これ以上悩んでもキリがないですし

本記事は「現NBAでヘリオセントリックの中心役に適しているのはどんな選手か」について焦点を当てた記事ですが、他にもヘリオセントリックにまつわる議題は山ほどあります。「過去を遡ってヘリオセントリックに向いてる選手は?」「今後ヘリオセントリックを担えるであろう若手は?」「過去のあのチームはヘリオセントリックだったのか」「ヘリオセントリックで今後優勝できるのか」等々、盛り沢山です。

ぶっちゃけますと、「ヘリオセントリック」は今でこそ(一部界隈で)よく聞く単語ですが、すぐに廃れて聞かれなくなる可能性もあります。
私が思うにコーチ他チーム関係者は「ヘリオセントリック云々」を意識してはないでしょうし、オフェンスシステムに対する考え方はもっと複雑でしょう。

だからこそ、今のうちに楽しんでおくのが吉かなと思います。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

ヘリオセントリックに関する、私自身のための更なる忘備録

ヘリオセントリックはチーム構造/オフェンスシステムを指す言葉で、ヘリオプレイヤーはその中心役を担う選手を指す言葉です(「ヘリオプレイヤー」は便宜上ここで私が用いてるだけで一般的ではない単語です)。しかしヘリオセントリックとヘリオプレイヤーはオフェンスだけでなくディフェンスにも大きな影響を及ぼします。

ヘリオセントリックは一人のヘリオプレイヤーにオフェンスにおいて多くの負担/役割を負わせるシステムなわけですから、相対的に他の4選手のオフェンスにおける役割は限られ、負担は軽くなります。つまり、ヘリオプレイヤーの周りはディフェンシブな選手で囲みやすくなり、ディフェンスに注力しやすくなります。

ハーデンのいたロケッツでのクリント・カペラ、PJ・タッカーら。ドンチッチのいるマーベリックスにおけるマキシ・クリバー、レジー・ブロック、ドリアン・フィニ―・スミス(ネッツへ移籍)ら。アイバーソンのいたシクサーズでのジョージ・リンチ、ディケンベ・ムトンボ等。オフェンス面ではヘリオプレイヤーに多くを任せ、自身は一芸・限定的に貢献し、ディフェンスで大きな貢献を果たす。

ヘリオプレイヤーはオフェンス面でのみ大きな貢献をしているように見えて、そのオフェンス面での大きな貢献が周りにディフェンシブな選手を揃える事に繋がり、また注力させやすくもなっている。

「こじつけ」るようですが、ヘリオセントリック並びにヘリオプレイヤーは結果的に攻守に大きく寄与していると言えるのではないでしょうか。(だからといって彼らヘリオプレイヤーを「All-D-Team入りすべき」とか「エリートディフェンダー」とは決して呼べませんけども)

ヘリオセントリックに限らず、やはりオフェンスとディフェンスは表裏一体。プレイヤー・チームの強み弱みを考える時、この二つをハッキリと分けて考えるのは難しいです。記事にする時や誰かと議論する時は便宜上そうせざるを得ない時も多いんですけど。

最後に・・・・・忘備録って正しくは備忘録なんですってね。この手の「一般的に用いられてるが正しくは○○」って単語、どっちでもいいから全部統一できたらいいのにね。色々メンドイですし。
「ニホン」と「ニッポン」も海外の方からすると困惑の元らしいですし。

関係ない話になったところで、改めまして今回はこの辺で。ではまた。

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