NBA キャッチ&3Pランキングとシュートフォームとジョー・イングルスと渡邊雄太と「スタッツに表れない素晴らしさ」とetc.
「スタッツに表れない働き」ってのはあるようで中々ないもんです。
「スタッツに表れない働き」「一見わかりづらい貢献」を人々にわかりやすく伝えようと日々頑張ってくれている方々のおかげもあって、スタッツ/指標/データの種類は日増しに増えていて、それらに触れられる環境も増えています。
とはいえ、やっぱりあります。まだまだあります。
「スタッツに表れない働き」「数値化の難しい貢献」「データでは表せられない素晴らしさ」。これらは依然として存在します。
少し例を挙げますと
マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントの労働倫理はチームへ競争心とハードワークを促しました。
ドレイモンド・グリーンのボーカルリーダーとしての貢献はチームメイトに規律とディフェンシブIQの向上を促しました。(※)
※:ドレイモンドは“口は禍の元”な事も多く、最近ジョーダン・プールへの事もあったので例として挙げるか迷いましたが、過去複数回優勝への貢献は間違いないです。
こういった貢献はDefRtgなり何なりと結果に表れはしますが、数値化/定量化は現状難しいです。ロッカールーム/練習施設/オフコートでの貢献も計測できません。
そしてもう一つ、私にとって非常に大きな「データでは表せられない素晴らしさ」が存在します。
シュートフォームです。(特にキャッチ&シュートの)
シュートフォームはシュートを打つための姿勢/一連の動作で、バスケットボールにおいて「最も大事な動き」と言っても過言ではないかもしれません。
しかし、NBAにおいてさえ明確な教科書/答えが存在しません。
初心者への指導要領として「正しいフォーム」とか、通俗的な意味での「綺麗なフォーム」はありますが、それらをなぞってシュートを打っている選手は稀です。各々が各々のためのベストフォームを探し、その結果は千差万別。同じ選手でも状況によってフォームを使い分けもします。
’21シーズン3P%45.1%、TS%67.1%(リーグ5位と3位)を記録したジョー・イングルスのシュートフォームを指して「皆、これを真似しろ」という指導者は恐らくいません。
人により体のつくり/骨格は違うのですからベストなフォームが違うのも当然と言えば当然です。ディフェンスとの距離、予備動作にかけられる時間/状況によっても変わってきます。
近年はキャッチ&シュート3Pの需要が高まり、より速く打つためにベンド(肘を曲げる動き)やディップ(キャッチした後ボールを下げる動き)の少ないシュートフォームが目立つ様に思います。ジェレミー・グラントやパット・カナトン(2022/11/20現在療養中)、カイル・アンダーソンらが私の頭に思い浮かぶ名前です。
20年前に上記のようなキャッチ&シュート3Pのフォームを目にしたら「何それ?」と首を傾げたでしょう。しかし、現在では当たり前に目にします。そして決めます。
そのたび私は笑顔になります。「よう入りますね、そのフォームで」って。
選手固有のシュートフォームや、その魅力はスタッツシート/数字には表せないものの一つです。
イングルス、カナトン。はやく良くなってその美しいシュートフォームを試合でまた見せて下され。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
今季2022/11/21時点でのキャッチ&シュート3P%ランキング。(成功数15以上対象)
こちら↓は今季2022/11/21時点でのキャッチ&シュート3P成功数ランキング。
キャッチ&シュート3P%ランキング3位に“ユータ・ザ・シュータ”こと渡邊雄太がいます。
というかキャッチ&シュートに限定しない3P%57.1%で2022/11/21現在リーグ1位です。
多くは言わん。
やったぜ!