モンテ・モリスのミスの少なさとビッグショット【Road to NBA JAPAN GAMES 2022】ワシントン・ウィザーズ

目次

はじめに

2022年9月30日/10月1日/10月2日に開催される「NBA Japan Games 2022 Presented by Rakuten ゴールデンステイト・ウォリアーズ対ワシントン・ウィザーズ」で注目したい選手や来季の見所を毎回ピックアップして少しづつ紹介していこうと思います。

今回はワシントン・ウィザーズのモンテ・モリスです。

観に行ける人・行けない人、両方の方が楽しめたら幸いです。

昨季の活躍

まずは昨季主要5部門のスタッツ。

12.6PPG/3.0RPG/4.4APG/0.7SPG/0.2BPG

モンテ・モリスは昨季までデンバー・ナゲッツに所属していました。昨季はジャマール・マレーが怪我で欠場していたので代わりに75試合中74試合でスターター出場。

それ以前からもミスの少ない優秀なバックアップPGとして高く評価されていました。

モンテのミスの少なさを評価するスタッツとしてよく“AST/TO”が用いられます。アシスト数をターンオーバーの数で割ったもので、モンテはこのスタッツで’19からリーグ2位、2位、2位、5位と非常に高い数字を残しています(ちなみにタイアス・ジョーンズが4年連続一位です)。

話が少し脱線しますが、個人的に“AST/TO”はパスの上手さやミスの少なさを評価するのに最適なスタッツとは思いません。私がモンテを「ミスが少ない」と評するのには別の理由があります。
ターンオーバーはアシストを出す過程でだけ発生するのではなくスコアリングや他の過程でも生じるので、スコアラー兼パサーですとか多くを担う選手はAST/TOが低くなります。ドンチッチ、トレイ・ヤング、ヨキッチ、レブロンの様な選手たちはAST/TOはあまりよくないです。

では「AST/TOは無価値なスタッツなのか」と聞かれれば、そうではありません。強引にシュートを打たずにアシストファーストで慎重なプレイングをする選手を探すのに適したスタッツで、まさにそういった面でモンテ・モリスはとても優秀でした。

モンテの優秀なところは他に“勝負強さ”があります。“BigGameTae”の愛称どおりに数々のクラッチショットを決めてきました。

来季の見所

モンテはオフに行われたウィザーズ⇔ナゲッツトレードのウィザーズ側の本命とも言われています。

と言いますのもモンテの前述した長所たちはウィザーズのニーズに非常にフィットしているからです。

・ミスの少なさ

モンテのAST/TO以外での「ミスの少なさ」とはどういったものかと言いますと一つは「打つべき場面で打つ」ところです。

バスケにおいてミスというと大抵ターンオーバーを連想します。勿論間違いではありません。しかし「ワイドオープンな選手を見逃し、自らタフショットを打つ」「ワイドオープンでボールをもらいショットクロックも残り少なめな場面でシュートを打たなかった」。ターンオーバーは記録されませんが、これらはミスです。

他にも「ターンオーバーが記録されないミス」というものは沢山あります。モンテはその「記録されないミス」も少ないというわけです。

そしてウィザーズはオフェンスのオプションは豊富です。ビール、KP、クズマ、八村、バートン他。シュートを打てる選手は多くいて、モンテはそういった選手たちにミスが少なくパスを出せて、昨季3P%39.5%TS%58.3%で12.6PPGと効率的かつある程度積極的に得点できます。

・勝負強さ

勝負強いといってもモンテの“勝負強さ”とはリラードやドンチッチ、ヨキッチ、前々回のクズマらとはまた違った“勝負強さ”です。

まず一例を↓に。

これ「ブザービーター3Pを決めた」事も勿論凄いんですけど、それと同じくらい素晴らしいのは自軍大エースのヨキッチが残り5秒でリムに向かってドライブしてるのに、パスが来ると信じて3Pラインまで下がってる事です。

試合後のインタビューでヨキッチから「準備しといてね」と直前のタイムアウト中に言われていた事を明かしてましたが、ただ3Pラインで待ってるのではなくインバウンズパスを出した後一度ダイブカット気味に中へ行ってから3Pラインまで下がってるんです。恐らくステフだって始めっからモンテが3Pラインで待機してたらあんなにはっきりヨキッチへダブルチームに行けていません。

自分でボールを持って1からショットクリエイトする自己完結した勝負強さではなく、誰がボールを持っていようと予定されている・期待されているプレイを遂行するための適切な動きが出来る。これがモンテの“勝負強さ”です。これも“ミスの少なさ”とも言えますね。

まとめますと

  • パス意識が高いのでビールやクズマの様なスコアラーたちに多くのシュート機会を提供できます。
  • オープンを見つけるのが得意なので3Pラインで待つハチムラやデニにパスアウトやスイングパス、ポストアップしていればエントリーパスが出せます。
  • ヨキッチやプラムリーらビッグマンとの2メンゲーム・ピック&ロールハンドラーも経験しているのでKPやギャフォードとの相性にも期待が持てます。
  • 試合のペースを落ち着かせる事も得意でしたので大きなリードを奪った後の試合展開にも適しています。
  • いざとなったら色々な形で劇的な瞬間を演出できます。

モンテにはウィザーズへのフィットがこれだけ期待できます、期待し過ぎでしょうか。

最後に

【Road to NBA JAPAN GAMES 2022】5回目はモンテ・モリスについて書いてみました。

2巡目51位指名からGリーグを経てナゲッツで確たる人気と地位を得るまでになったモンテが私は好きで好きでしょうがなくて、トレードと知った時は非っ常に悲しかったです。ウィザーズに不満があるのではなく、モンテ自身が常々ナゲッツへの感謝と献身を示していたからです。

けど、モンテは流石です。

泣き言一つ言わず、もうすっかりウィザーズだけでなく“ワシントンDCの”一員です。

もっともっと書きたい事はあるんですけれど、別の機会にとっておきます。贔屓目が過ぎるのはよくありませんからね。

100%手遅れですね、はい。

奇しくもモンテがブザービーターを決めた相手はウォリアーズ。Japan Gamesでももしかしたら・・・・

今回の【Road to NBA JAPAN GAMES 2022】はここまで。お読み下さり、ありがとうございました。

  • URLをコピーしました!
目次