影響指標で見る過去5年間の「ディフェンシブプレイヤー」TOP50ランキング、片寄る。ヤニス・アデトクンボ、ルディ・ゴベア、マイルズ・ターナー、ニコラ・ヨキッチ、ドレイモンド・グリーンetc.

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影響指標で見る過去5年間の「ディフェンシブプレイヤー」TOP50ランキング、片寄る。ヤニス・アデトクンボ、ルディ・ゴベア、マイルズ・ターナー、ニコラ・ヨキッチ、ドレイモンド・グリーンetc.

今回はディフェンスにフォーカスした影響指標(※)の「D-LEBRON」を使って2018年から2022年の「ディフェンシブプレイヤー」たちを見ていってみましょう。先日アップした記事↓のディフェンスVerです。

見る際の留意点は「ランキング中の選手はオフェンスはあかん」とか「このランキングに載ってない選手は実はディフェンス大したことない」ってわけではないって事です。

※:英語ですと“Impact Metrics”。ざっくり言えば、チームへの影響度を重視した総合指標。LEBRON、RAPTOR、EPM、RAPMなど沢山の種類があり、コートにいる時といない時のチーム成績の差on/offスタッツなど非常に多くの要因が考慮されます。
ボックススコア(個人スタッツ)を重視する総合指標(BPM、TPA、WS、PERなど)を補完できるという面でも重宝されています。
総じてアイテスト(実際に試合を見て評価する事)と併用するのが無難/理想ですが、試合を見たり細かく詳細なスタッツを多く見たり長い時間をかけて調べるヒマがない時にも便利と言えば便利。LEBRONについての詳細はこちら

では過去5年間「D-LEBRONディフェンシブプレイヤー」TOP50ランキング。と今回は右にマッチアップディフィカルティ(マッチアップした時の難易度)の数値を添えています。理由は後述。※画像クリックで拡大

グラフ化したもの。高水準にフィルタリングしてるグラフなのでここに載っている選手は皆「指標上良いディフェンダー」と言えます。

まず注目したのは画像一枚目、ランキング25位内中20のディフェンシブロール(ディフェンスでの役割、画像右から3列目の箇所)が「アンカービッグ」(※1)であること。残りの「ヘルパー」「モバイルビッグ」も「アンカービッグ」が兼ねる事も多い役割です。

画像2枚目25位~50位になると「ウィングストッパー」(※2)や「ポイントオブアタック」(※3)の名前も目立ってきますが、それでも半分以上が「ビッグ」。つまりアンカービッグ/ビッグマン(必ずしも身長があるとは限らない)は、チームディフェンスにとってそれほど多大な影響力があるという事です。今更ですが。

※1:リムプロテクション、ピック&ロールディフェンス(ドロップカバレッジ/スクリーナー・ロールマンへのディフェンス)、ディフェンシブリバウンドを主に担う選手。

※2:スコアリングウィングへのディフェンスを主に担う選手。

※3:“Iso”アイソレーション、ボールスクリーン/ドリブルハンドオフなど2メンゲームのボールハンドラーへのディフェンスを主に担う選手。

しかし興味深いというか面白いのは、チームディフェンスへ多大な好影響を及ぼしているランキング上位のビッグマン達もマッチアップディフィカルティでは低数値が目立ちます。
理由はプレイオフでのビッグマン達のディフェンスを見ているとわかりやすいです。ビッグマンはスイッチやピック&ポップなどで外へ連れ出されたり、ハンドラーを相手にすると強みが無力化されやすいです。ドンチッチのプレイを見てるとよりわかりやすいですね。ズバッツやゴベアらビッグマン相手にこれでもかとIso/1on1を仕掛けていました。(ゴベアが意地の堅守を披露したりもしました↓)

そういった事態に陥らないようバックコート/他ディフェンス陣との「簡単にスイッチしない」「こまめに動いてミスマッチを修正する」など連携/ケミストリーが非常に重要になりますから、「結局5人全員大事」です。そういった点で昨季ゴールデンステイト・ウォリアーズは本当に素晴らしかったですね。
ボストン・セルティックスも素晴らしかったですけど、セルツはスターター5人全員オンボールディフェンスに長けたラインナップでスイッチしてもミスマッチになる事が少ない上にローテーションも超スムーズなもんだから隙が全然できない、というウォリアーズとはまた違ったディフェンスの凄さで見応え抜群でした。

話が脱線してキリがなさそうなのでとりあえず以上。

以下おまけ。

データサイト“Dunks and Three”の影響指標EPM(Estimated Plus Minus)のディフェンス面にフォーカスしDefensive EPM昨季ランキング。

もう一個。“Five Thirty Eight”のDefensive RAPTORの昨季ランキング。

Defensive RAPTORの2位にニコラ・ヨキッチがいる事に違和感を覚える方もいるかもしれませんが、ヨキッチはリムプロテクターとしては非常に頼りない反面、ヘッジからのスティールやデフレクションがセンターにしては非常に多く、ディフェンシブリバウンドモンスターで相手に2ndチャンスを与えない事なども評価されています。

ただプレイオフや勝負所ですと消耗させる目的でも苦手なエリートハンドラーに狙い撃ちにされる事が多く、苦手なリムプロテクションはチームディフェンスにおいて非常に重要な要素なので低評価になるのも致し方ないとも思います。

しかし、見ててBBIQを感じさせてくれるポジショニング/ディフェンスをすることも多いです。スピードに乗った相手選手へのヘルプにはブロック/コンテストが間に合わない分、ペイント内へまめに出入りして相手を躊躇わせたり、アンカーとして声もよく出しています。

たまに「あれ?ヨキッチ速い?」ってディフェンスも。

結局話が脱線してしまいましたね。ではまた。

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