【NBA】リーグによって定義された“スタープレイヤー”たち。全チームの在籍数一覧とオールスター選手PPGランキングと大ベテランの通算試合数&通算出場時間&通算得点ランキング他。/ウルブズ、ウォリアーズ、ブルズ、レイカーズ、サンズ、バックス、セルティックス

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【NBA】リーグによって定義された“スタープレイヤー”たち。全チームの在籍数一覧とオールスター選手PPGランキングと大ベテランの通算試合数&通算出場時間&通算得点ランキング他。

いつだってNBAは“高いレベルでの競技性とエンターテインメント性の維持・改善”を図っています。近年は選手のメンタルヘルスへの取り組みも積極的になりました。

今季2024、また新しくいくつかのルール変更が加えられます。

より詳しく知りたい方はこちらリンク先へどうぞ

口で言うのは簡単ですが、“高いレベルでの競技性とエンターテインメント性の維持・改善”というのは非常に困難です。ファン・メディア・選手会・チームスタッフ・オーナーグループ・リーグオフィシャルetc.それぞれの意見・利益不利益、もっと言えば“それぞれの人生”を考慮してルールを制定していかなければならないわけですからね。

今オフ、新しいCBA(労使協定、選手とリーグの間で交わされる約束事)は度々ニュースに取り上げられましたが、「セカンドエプロン超過による罰則の厳しさ」といった“サラリー・トレード・FA関連の取り決め”はCBAの内のほんの一部分です。

CBAにはPDF676ページ分の膨大かつ事細かな取り決めが含まれています(※)。

※:遠征中(ロードでの試合)は選手に一日156ドルの食事代が支給。トレードされた選手には、元の住居の家賃やローンが最大3ヶ月間、月6000ドル分支給。獲得したチームは移動費、新しい住居を見つけるまでのホテル代最大46日分を支給等色々と手厚い一方で、年7回のプロモーション活動、ギャンブル対策訓練、メディア対応訓練等も義務付けられ、反したものには最大10万ドルの罰金も。

兎に角細かくて面白いです。

来季以降はドラフト候補のドラフトコンバイン参加が義務付けられますが、勿論これにも事細かに例外や配慮がなされていて、指名見込みがないチームにはドラフト上位候補選手の医療データ他いくつかのデータは公開されないようにもなっています。(今までは、上位候補選手は指名順位が下がるリスクや自分にとって不利益になるデータの公開を嫌ってコンバイン参加を避けるのが慣例になっていました)

新しいCBAのPDFへのリンク

上記PDFはNBPA(NBA選手会)のホームページ内のモノで、このホームページも中々面白くて、選手たちの世界中でのバスケ・ビジネス・チャリティー振興への取り組みetc.が窺えます。NBPA(NBA選手会)ホームページへのリンク

NBPAの役員を務める選手たち。他に各チーム一人づつ代表選手がいます。リンク
・・・・ちなみに2023/10/15時点でホーネッツの代表はカイ・ジョーンズです。

本記事で取り上げたいのは新しい“player participation policy”(直訳すると「選手参加方針」)です。この“player participation policy”を雑にわかりやすく言ってしまうと、「スタープレイヤーのレギュラーシーズン欠場数・ロードマネージメントを減らすための施策」です。

NBA.comに掲載されたオフィシャルリリース。

リンク

「同チーム内複数スタープレイヤーが同時にロードマネージメントで欠場する事は避けて下さい」「全米放送・インシーズントーナメントではスタープレイヤーが出場するよう努めて下さい」「スタープレイヤーはホームとロードのバランスを保って休んでください」「スタープレイヤーの長期のシャットダウンは控えて下さい(タンキング目的で休ませないで下さい)」等々

主にスタープレイヤーに焦点が当てられており、違反と見なされた場合、初回は少なくとも10万ドルの罰金、2回目は25万ドル、3回目は125万ドル、以降225万ドル、325万ドルと100万ドルづつ増額されていきます。

NBAの施策の是非について考えるのには本来色々調べたりで多大な労力と時間を要しますので、基本的に私は変更内容を確認した後はリーグと選手会の決定を信用して殊更賛成も反対もせず「へー、そーなるんだー」くらいの感想を持つに留めるようにしておりますが、今回の“player participation policy”には見過ごせない点がございまして。

「スタープレイヤーとは過去3シーズン内でAll-NBA-Teamもしくはオールスターに選ばれた選手」と定義されました。

あくまで“player participation policy”のためにリーグが定義したものであって、我々ファンのための通俗的な意味での「スタープレイヤー」とはまた別ですけど、まぁ兎に角ちょっと面白いと思ったわけです。

以下各チームに所属するスタープレイヤーリスト(過去3シーズン内でAll-NBA-Teamもしくはオールスターに選ばれた選手)

イースト(該当選手の多い順)


ブルズ:デマー・デローザン、ザック・ラビーン、ニコラ・ブーチェビッチ

バックス:ヤニス・アデトクンボ、クリス・ミドルトン、デイミアン・リラード

セルティックス:ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、ドリュー・ホリデー

キャバリアーズ:ドノバン・ミッチェル、ダリアス・ガーランド、ジャレット・アレン

ホークス:トレイ・ヤング、デジャンテ・マレー

シクサーズ:ジョエル・エンビード、ジェームズ・ハーデン

ヒート:ジミー・バトラー、バム・アデバヨ

ネッツ:ベン・シモンズ

ニックス:ジュリアス・ランドル

ラプターズ:パスカル・シアカム

ペイサーズ:タイリース・ハリバートン

ホーネッツ:ラメロ・ボール

該当者なし:マジック、ピストンズ、ウィザーズ

ウェスト

ウォリアーズ:ステフィン・カリー、アンドリュー・ウィギンズ(追記:クレイからウィギンズへ訂正。お騒がせしました)、ドレイモンド・グリーン、クリス・ポール

ウルブズ:カール・アンソニー・タウンズ、ルディ・ゴベア、アンソニー・エドワーズ、マイク・コンリー

サンズ:ケビン・デュラント、ブラッドリー・ビール、デビン・ブッカー

レイカーズ:レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス

クリッパーズ:カワイ・レナード、ポール・ジョージ

キングス:ディアロン・フォックス、ドマンタス・サボニス

マーベリックス:ルカ・ドンチッチ、カイリー・アービング

グリズリーズ:ジャ・モラント、ジェイレン・ジャクソンJr

ナゲッツ:ニコラ・ヨキッチ

OKCサンダー:シェイ・ギルジャス・アレキアンダー

ジャズ:ラウリ・マルカネン

ロケッツ:フレッド・バンブリート

ペリカンズ:ブランドン・イングラム

該当者なし:スパーズ、ブレイザーズ

現NBAでリーグが定義したスタープレイヤーは総勢49名、25チームに在籍し、複数が在籍しているのは15チーム。ウルブズとウォリアーズの2チームは4人のスタープレイヤーがいる「スター軍団」ですな。(繰り返しますが“player participation policy”上では)

2024年2月開催の2024オールスターに選ばれれば、その選手もそれ以降はスタープレイヤー扱いとなります。

勿論実際に怪我をしている場合は今まで通り自由に休めますし、2024開幕時点で35歳以上の選手やレギュラーシーズン通算34000分以上出場、レギュラーシーズンとプレイオフ合わせて通算1000試合以上出場の大ベテランには相応の配慮・例外もあるそうです(都度の事前承認を要します)

RSとPO合計1000試合出場選手(RSとPO合計通算得点を併記)

RS通算34000分以上出場選手(RS通算得点を併記)

何人か引退済み・FA中・海外チームに移籍済みの選手も含まれております。

例外の対象となる大ベテランスタープレイヤーはクリス・ポール、マイク・コンリー、ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズ、ケビン・デュラント、デマー・デローザン、ジェームズ・ハーデンとなります。

ちなみに、主要アワードの受賞には“65試合”の出場条件が加えられましたが、こちらの“65試合”にも「シーズン終盤にシーズン終了の怪我を負い、その時点で出場可能な試合の85%かつ62試合以上出場した場合は条件を満たしたものとみなされる」「20分以上プレイしないと65試合中の1試合とはカウントされない、ただし2試合だけは15分以上プレイでもカウント」等々細かな配慮がされています。こうしないと怪我をした選手の無理を助長したり、条件達成目当てに一瞬プレイして直ぐ引っ込むみたいな事が起きちゃいそうですからね(※)。

より詳しく知りたい方はこちらリンク先へどうぞ

※:似たようなケースで、2022シーズン終盤ドリュー・ホリデーがチームから出場試合数のインセンティブ(成果型のボーナス)を得るために数秒だけプレイして直ぐに引っ込んだことがありました。これによりホリデーは306000ドル(約4600万円)をゲット。ただ、このケースは「ズル」ではなく「チームから2021優勝貢献者への粋な計らい」って感じでしたね。ベンチ・実況解説皆笑っておりました。

動画へのリンク

正直言いましてスタープレイヤーの基準には違和感が拭えないですし、改善の余地・課題は尽きないでしょうが、私はこういった労働規定やルール制定・法律には全くもって疎いので、陰ながら応援するに留めさせていただきます。

頑張れNBA。頑張れアダム・シルバー。

2018NBAハッカソン(NBA主催のバスケットボールアナリティクス・データ分析のコンペティション)に出場した学生との記念撮影に応じるアダム・シルバー。学生さんからの「なんでKDのウォリアーズ行きを許可したのか?」といったジョークにも応じる“気さくさ”だったそうです。リンク

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

過去3シーズンでオールスターに選ばれた選手たちとその年のスタッツ。PPG順。

過去3シーズンのAll-NBA投票結果

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