【NBA】2023-2024ベストデュオランキングと“ガンナー”ランキングとパサーランキングの色々と。/ナゲッツ、キングス、ウォリアーズ、ウェンバンヤマ、ネッツ、ヤニス、ハリバートン、ハーデン、サンズ、バックス、ヨキッチ、リラード、ジャマール・マレー

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【NBA】2024ベストデュオランキングと“ガンナー”ランキングとパサーランキングの色々と。

先日、Crafted NBAというサイトの管理人さんが面白い指標を考案しまして。

“Gunner Rating”、直訳すると「射手評価」

計算式は以下

1-((passes made – defensive rebounds) / passes received)

パスを受け取った回数(passes received)とパスを成功させた回数(passes made)からディフェンシブリバウンド数を引いたものの割合です。

すっごい雑に言うと「パスをもらった回数に対するシュートを打つ割合」、つまりこの“Gunner Rating”は「パスを受け取った後のシュートへの積極性」を推し量るための指標の様です。

恐れながら、今後私がこの“Gunner Rating”を気に留める事はないし、当ブログで取り上げる事もないと思います。「シンプルで親しみやすく面白い」とは思いつつ、考慮されていない点が多く、しっかりと留意点や注釈を加えないと「○○はセルフィッシュ」みたいな早合点も生みそうですので。

考案したCrafted NBAさん自身も、この“Gunner Rating”について”shower thought”(ちょっとした思いつき)とおっしゃっています。

では何故紹介したかと言いますと

一つは「ふとした思いつきで、こういう計算式とか概念を生み出せる方は本当に凄いし、“データ好き”にとってありがたい存在」だからです。ありがとうございます、Crafted NBAさん。リンク先では面白い指標やデータが公開されてますので皆様是非。Crafted NBAへのリンク

もう一つは、passes made(パスを成功させた回数)、passes received(パスを受け取った回数)、パス関係のスタッツについて語る良いキッカケだからです。

というわけで、まずは昨季2023レギュラーシーズンの1試合平均passes madeランキング。

ニコラ・ヨキッチ、ドマンタス・サボニス、ドレイモンド・グリーンの三人はpasses receivedに対してpasses madeが10以上も多くなっています。三人共3Pラインの内側・エルボーからのプレイメイキングやDHO(ドリブルハンドオフ)が得意な印象もあります。三人のチームはアシストも多いです。

昨季2023レギュラーシーズン1試合平均アシスト数ランキング(チーム)。

三人共オンコートOffRtg(コートにいる間のチームOffRtg)も高いです。

ヨキッチ

ドマス

ドレイモンド

プレイメイキングビッグの存在が「多様かつ効率の良いオフェンスの一つの鍵」と言えるのかもしれませんね。

続いてpasses receivedランキング。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-3890.png

アウトレットパス(ディフェンシブリバウンドを取った後のパス)やインバウンズパスを受け取る事が多く、プレイメイキングを担う事が多い選手≒PGの名前が多いですね。

どちらかと言えばスコアラー寄りなPGはpasses receivedに対してpasses madeが少なめで、ファシリテーターはその逆な感じになると私は予想していましたが、一概にそうとも言えない数字が並んでおります。特にトレイ・ヤングとダリアス・ガーランドは私にとってはファシリテーター色も強くてパス頻度も高い印象なので意外でした。今後さらに注目です。

と、こんな感じでpasses made、passes receivedからだけでも色々と好奇心や観たい試合・選手・チームが増えていくわけです。

私が好きなパス関係のスタッツをもう少し紹介させて頂きますと

Pass to(その選手が誰にどれだけのパスを出したか)とPass from(その選手が誰からどれだけのパスを受け取ったか)。

NBA.comの選手個人ページ内Tracking/Passes Dashboardの項で見られます。昨季2023レギュラーシーズンのヨキッチだとこんな感じです↓。

そのパスの後に打ったFGの%も載っています。リンク

「ヨキッチはジャマール・マレーへ最も多くパスを出し、同時にマレーから最も多くパスを受け取ってもいる」、こういうデータを見ると「エモい感じ」がします。ベストデュオとか好相性の選手を探したりするのにも少しは役立ちそうな気がします。

以前紹介したPBP statsの「アシストコンボ」や「アシストネットワーク」も似たようなもんですね。

昨季2023プレイオフのアシストコンボ(アシストが生まれた組み合わせ)ランキング

ヨキッチがスコアラーモードの時はマレーが良きアシスト役となり、マレーがスコアラーモードの時はヨキッチが良きアシスト役・スクリーンセッター役になる。

ヨキッチの2023カンファレンスファイナルでの平均スタッツ

マレー2023カンファレンスファイナルでの平均スタッツ

カンファレンスファイナルではアシストはヨキッチの方が多く、得点はマレーの方が多い。NBAファイナルではその逆でした。

ヨキッチの2023NBAファイナルでの平均スタッツ

マレーの2023NBAファイナルでの平均スタッツ

「ベストデュオ」とか「ビッグ3」と言うと、単に同チームに在籍するビッグネーム2人or3人の名前が挙げられることも多くて、勿論それも一つの見方ですけど、個人的には「どれだけ互いの長所を伸ばし、如何に相乗効果を生んでいるか、チームに利益を生んでいるか」も判断材料の一つです。で、それを見つけるのに「アシストコンボ」や「アシストネットワーク」は役立つわけです。

2023レギュラーシーズンのヨキッチのアシストネットワーク

ヨキッチはアーロン・ゴードンへAt Rim Ast(リム近辺へのアシスト)を130本出し、3P Astを15本、ゴードンへのアシストで325点生んだ事を表す画像。ヨキッチ&マレーの2メンゲームから始まりゴードンのダンクで締める“3メンゲーム”は幾度となく目にしました。
各選手や線の部分にマウスオーバーする事で他のデータも見られます。アシストネットワークへのリンク
たまに「そんな簡単そうにやるな」と思うくらいお上手。

ついでに昨季2023レギュラーシーズン、At Rim Astのアシストコンボランキング

見辛くて申し訳ありません。

トレイ・ヤングとダリアス・ガーランドはロブキャッチャーへのロブやダンプオフが本当にお上手です。

はい、こんな感じで次々と語りたい事が出てきちゃうほどパス関係のスタッツには魅力が詰まっております。

以前書いた記事↓と被る部分もあるので退屈した方もいるかもしれませんが、

ワタクシは兎にも角にもパス関係のスタッツが好きで好きでたまらないので、今後も隙あらば差し込むと思います。タイリース・ハリバートンの3Pシューターとの相性・コートビジョンの良さ、ミッドレンジのアシスト&非アシスト被率等、語りたい事・妄想したい事はまだまだあります故。

とりえあず

今回はこの辺で。ではまた。

おまけと自分語り。

2023年8月時点、Bleacher Reportのベストスーパースターデュオランキング。

名誉ある言及:ジェイソン・テイタム&ジェイレン・ブラウン、カワイ・レナード&ポール・ジョージ、ジョエル・エンビード&ジェームズ・ハーデン

5位ルカ・ドンチッチ&カイリー・アービング

4位レブロン・ジェームズ&アンソニー・デイビス

3位ニコラ・ヨキッチ&ジャマール・マレー

2位ヤニス・アデトクンボ&ドリュー・ホリデー

1位ケビン・デュラント&デビン・ブッカー

元記事へのリンク

上記ランキングは8月時点のモノ。その2か月後、リラードのトレード後にBleacher Reportはまたベストスターデュオランキングを公開しました。その内容が以下

10位ジョエル・エンビード&ジェームズ・ハーデン

9位ジミー・バトラー&バム・アデバヨ

8位ステフィン・カリー&ドレイモンド・グリーン

7位カワイ・レナード&ポール・ジョージ

6位ジェイソン・テイタム&ジェイレン・ブラウン

5位ルカ・ドンチッチ&カイリー・アービング

4位レブロン・ジェームズ&アンソニー・デイビス

3位ケビン・デュラント&デビン・ブッカー

2位ヤニス・アデトクンボ&デイミアン・リラード

1位ニコラ・ヨキッチ&ジャマール・マレー

元記事へのリンク

・・・・・

・・・・・・・・・2ヶ月の間に何があったと言うのか・・・

とツッコミたいところですが、種明かしをしますと記者はそれぞれ別の方で、方法論も違うんです。

8月時点のランキングは、二人が揃った時のNetRtg(CleaningtheGlassのモノ)、EPMとEstimated Winsの合計値を重要視して決められています。(EPMとEstimated WinsはDunksandThrees.com考案の総合指標です)

一方10月時点のランキングは、レギュラーシーズンとプレイオフ両方でのTotal Wins Over Replacement Player(交代選手と比べ、どれだけ勝利数を上積みするかを示した指標。VORPの2.7倍)、二人そろった時のNetRtgに記者の予測・主観を加え決められています。

ランキングや予想ってのは往々にして反感も買いやすくて、私もよく

と思ったりします。

しかし、一見納得いかずとも、その中身や真意に接する事で興味深い情報が得られる事は多いです。上記ランキングみたいに。

私は「TOP10選手ランキング」とか「A選手とB選手どちらが優れているか」みたいな事を決めるのはどうしても苦手です。より相乗効果を生みやすい選手と自己完結した強みを持つ選手を比べた時どう評価するか等多くの事が気になって、「無理。決められない。そんな事より試合観よ」ってなっちゃいます。

その分、ランキングや予想を公開してくれる方ってのはありがたいです。スタッツや指標と同じく、多くの好奇心や観たい試合・選手・チームを増やしてくれます。たとえ同意は出来ずとも、納得いかずとも、話題を提供してくれるだけで十分すぎるほど感謝の対象だと思います。

毎日記事を上げて、他所様からランキング他を拝借し紹介しておきながら、自分で作ったランキングや予想を公開しないのは我ながら「ズルいな」と罪悪感が芽生えましたので、せめてここで感謝の意を。

ありがとうございます。

私が日頃利用し引用させてもらっているサイトはNBA関連サイト紹介ページにまとめていますので、お時間興味のある方は是非。無料のサイトは勿論、有料サイトも私にとっては「値段以上の価値がある」と胸を張って言える良いサイトです。

では。



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