身長の大きさは3Pにどういった違いを見せているのか。/3P総合指標ランキングとショットクオリティの対比。/ステフィン・カリー、マルッカネン、クレイ、渡邊雄太、ポルジンギスetc.

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身長の大きさは3Pにどういった違いを見せているのか。/3P総合指標ランキングとショットクオリティの対比。/ステフィン・カリー、マルッカネン、クレイ、渡邊雄太、ポルジンギスetc.

最近、“身長体重とスキルの相関関係/傾向”について調べていまして。本記事ではその一部を紹介。

本来なら、相関関係は相関係数や適切なサンプルサイズを算出した上で語らなきゃいけないらしいんですけど、メンドイかつ冗長になるので省略。

あくまでBBall Indexの指標によるものですが、気軽に楽しんで頂ければ。各指標の説明へのリンク

今回は“身長と3Pスキル”について。以下画像は全て今季’23、2023/3/16時点(日本時間)での数字。3P試投数60以上選手が対象。

まずはシンプルに3P%と身長の散布図。縦軸が3P%、横軸が身長。

相関関係と呼べるほどの傾向は見られませんね。
渡邊雄太は、成功数は53と控えめですが46.1%でトップ。いつまでも応援しております。

お次はキャッチ&シュート3P%。

こちらも特に傾向なし。
クリス・ポールが「ポイントゴッド」じゃなくて「キャッチ&シュート3Pゴッド」になってます(語呂が悪い)。
同サンズ所属ジョック・ランデールはスパーズにいた頃、一時50%超えしてましたので、個人的にまだまだ期待しております。ブーマーズ(オーストラリア代表の愛称)として来日もしてくれて、私、彼の熱さのファンであります。

次、プルアップ3P%。

ドレイモンド・グリーンとアル・ホーフォードが100%で、0%に多数選手がいるのは「それだけプルアップ3Pを打つ選手/機会が限られているから」ってのが理由の一つです。稀に打った1.2本が入らなかった選手は0%、逆は100%。
下の方にいる選手はドンマイ。上の方にいる選手は・・・・そのままの君でいて。

上記画像と同じく、この散布図だけを見ても、特に傾向も見受けられない「ふーん」ってだけの画像なんですけども。
興味深いのは「他3P%との違い・ギャップの大きさ」です。

3Pスキルを推し量る際、3P%は最も一般的に用いられているスタッツだと思います。しかし、2PのFGには様々な種類があるのと同じ様に、3Pにも種類があります。全く同じ3P%の2選手がいたとしても、その2選手の3Pスキルには必ず違いがあります。3P%の低い選手の方が3Pシューターとして高く評価される事もザラにあります。

それこそステフィン・カリーが良い例ですね。ステフは史上最高の3Pシューターとしての評価を固めましたが、ステフのキャリ3P%は歴代で見ると10位でしかありません。

7位ティム・レグラーは現在ESPNのTVアナリスト。現在NBAのTVショウはホットテイクやバラエティ的な楽しさが増えてきた中で、しっかりプレイ解説・分析をしてくれる希少な存在です。全部大事だと思いますけどね。
3位ドラゼン・ペトロビッチは私のヒーロー。

上記画像をもって「ステフは史上10位の3Pシューターだ」なんて言う方は恐らく存在しないでしょう。

無視して次。

3Pショット クオリティ(※)。

※:ざっくり説明すると、「期待値の高い3Pを打てているか」を表す指標です。
ステフやルカ・ドンチッチのような所謂“1stオプション”は、タフショットを打たざるを得ない場面やセルフクリエイトしてのプルアップ3Pなどが増えるので、3Pショット クオリティは低くなりがちです。
ですので、この二人に限らず、この指標が低いからといって「3Pスキルが低い」わけではありませんし、「強引に打ち過ぎ」とも限りません。各指標の説明へのリンク

“身長との相関関係”というより“役割との相関関係”が目につきます。1stオプション・エース・スコアラーと呼ばれる選手が低い位置にいるのが目立ちますね。

次。

3Pショット メイキング(※)

※:ざっくり説明すると、「3Pショット クオリティ・期待値よりも効率良く3Pを決めているか」を表す指標です。

各指標の説明へのリンク

ようやく「傾向」と呼べそうな偏りが出てきました。ラウリ“バード”マルッカネンというイレギュラーはいるものの、若干右肩下がりな画像。

次。

3Pシューティング タレント(※)。

※:ざっくり説明すると、「3Pに関する%やBBall Indexの複数3P指標を考慮した3Pの総合指標」。
3Pショット クオリティ、3Pショット メイキングの他にも3Pショット クリエイションとか指標・%の種類は沢山あるんですけど、この3Pシューティング タレントは、それらをまとめて評価したものです。

各指標の説明へのリンク

傾向がより顕著になりました。「身長の高い選手はリーグ全体で3Pタレントが低い傾向にある」と言うよりは「身長が低い選手の方が3PタレントのTOP層にいる傾向にある」といった感じですかね。

その傾向・違いが何によってもたらされているか。

3Pプルアップショット メイキング(※)。

※:「3Pプルアップショット クオリティ・期待値よりも効率良くプルアップ3Pを決めているか」を表す指標です。上記3Pショット メイキングのプルアップ3Pに限ったバージョン。

各指標の説明へのリンク

こちらも右肩下がり、“負の相関関係”が見てとれます。

一方、キャッチ&シュート3Pショット メイキング(※)。

※:「キャッチ&シュート3Pショット クオリティ・期待値よりも効率良くキャッチ&シュート3Pを決めているか」を表す指標です。上記3Pショット メイキングのキャッチ&シュート3Pに限ったバージョン。

各指標の説明へのリンク

キャッチ&シュート3Pショット メイキングは身長の高い選手も比較的高位置にいます。

最後。3Pショット クリエイション(※)

※:ざっくり説明すると、「3Pをセルフクリエイトをしているか」を表す指標です。アシストを受けての3Pとそうでない3Pの割合などが考慮されています。

各指標の説明へのリンク

一目瞭然。傾向がハッキリと見てとれます。

以下まとめ。

近年ビッグマンも3Pを打つようになり、高い%も記録するようになりましたが、身長の高めな選手と低めな選手の3Pスキルにはまだまだ大きな違いがあります。
ストレッチビッグの隆盛は主にキャッチ&シュート3Pスキルの向上によりもたらされ、一部エリートガード・ウィングの様なプルアップ3Pやセルフクリエイトしての3Pはまだ未熟な傾向、“他選手からのアシストありき”な部分がまだ大きいようです。

身長の低めな選手はキャッチ&シュート3Pも自らクリエイトもするし、恐らく「身長が低め≒良いパサー」な傾向もありますから、3Pへのアシストも多い傾向にあるでしょう。

つまり“3P”という分野に関しては、まだまだ身長の低い選手に「一日の長」がある様です。別に高い選手低い選手で競い合ってるわけじゃありませんけども。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

上記画像にデイミアン・リラードが表示されてなかったので別途ランキング画像を。

「3Pシューティング タレント」ランキング。2023/3/16時点。※画像クリックで拡大

リラードは3位。

ガード/ウィングばかり。
高い3Pシューティング タレントやメイキングに対して3Pショット クオリティが真っ赤な(極端に低い)選手ばかりです。それだけエリート3Pガード/ウィングはタフ3を決めてるって事ですね。

すぐカール・アンソニー・タウンズが混ざりにくるんですけど。

なかまに なりたそうに こちらをみているKAT。

記事最後に恐らく『身長が低め≒良いパサー』な傾向もありますから、3Pへのアシストも多い傾向にあるでしょう。」と書きましたので、“身長とプレイメイキングの関係”も近いうちにでも。

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