【NBA2023アワード】スタッツ・指標で見るMIP受賞ラウリ・マルッカネンの成長と変化とウィル・ハーディーHCへの謝罪とプレイオフを忘れるほどの期待感とetc.
ユタ・ジャズのラウリ・マルッカネンがNBA2023 Most Improved Playerを受賞。
まず一言で言って嬉しい。超嬉しいです。
MIP受賞を予期していたわけではありませんが、NBAオフシーズン中の「NBAへの餓え」をEuroBasket2022フィンランド代表での活躍で大いに緩和してくれて、私は虜になってしまいました。
EuroBasket2022でのスタッツ一覧。
7試合だけとはいえ27.9PPGで50/40/90を達成し、そんな事はどうでもよくなるくらいに熱い試合内容を見せてくれました。(特に対イスラエル戦と対クロアチア戦)
そんなわけでラウリ・マルッカネン(とドイツ代表フランツ・バグナー)は私にとって「NBAオフシーズン中の恩人」であり、NBA2023注目選手の一人でした。
注目して良かったです。今季追いかけていて本当に楽しかったです。ユタ・ジャズとオーランド・マジックはポストシーズン進出はなりませんでしたが、残念な気持ちはあれど失望の気持ちは些かもありません。来季への期待を抱かせるのに十分すぎる輝きを放っていました。
現在マルッカネンはフィンランドでの兵役義務を果たしているようですが、“King of the North FREEZES”「凍てつく北欧の王」でありながらの、その経験と献身と責任感はきっとNBAでも良いカタチに変換されるでしょう。
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で、ここからはNBA2023マルッカネンの成長と軌跡をスタッツ/指標で振り返ってみましょう。
まず今季2023マルッカネンのスタッツ/指標の各種一覧。※画像クリックで拡大
オフェンス面は本当によく完成されています。
3Pはプルアップ3P%が低いですが、高さのあるマルッカネンはドリブルでギャップを作る必要のある機会は少ないので、弱点とまでは見做せないと思います。
リム近辺でのFG%も69.6%とフィニッシュ能力もエリートです。
今季2023マルッカネンのショットチャートは上記二つ、3Pとリム近辺に偏っています。
このショットチャートの偏りはNBA入りしてから一貫してます。
昨季2022以前マルッカネンのショットチャートの一覧。引用元へのリンク
今季マルッカネンはシュートを打つ場所に大きな変化があったわけではないようです。3Pの割合が減った分3-10feetのシュートが増えたくらいです。ただ、それぞれの場所で決める確率は向上させていて、必然的にTS%も昨季58.2%から64.0%に大幅上昇。
「今季マルッカネンは今までよりもシュートが入るようになった」と言うと簡単に聞こえますが、気になるのはそこへ至るまでの過程・変化です。
昨季と今季マルッカネンにある顕著な変化・相違点はオフボールでの動きの良さ
です。EuroBasket2022で驚いた、感銘を受けた部分でもあります。
今季2023のオフボールとスクリーニング指標一覧。
昨季2022のオフボールとスクリーニング指標一覧。
今季2023オフェンシブリバウンド・プットバックの指標一覧。
昨季2022オフェンシブリバウンド・プットバックの指標一覧。
上記指標の変化を雑にまとめると
オフボールでもめっちゃ動いて体張るようになったのがシュートタッチの向上と相まって、3P%・リムFG%・TS%・PPGの向上に繋がった
となります。
マルッカネンは15歳の頃から国を背負ってバスケをしてきた選手で、中心選手としてチームに貢献してきた期間の長い選手でした。
ジュニア代表時代のスタッツ一覧。
NBA入りしてから暫くは役割の変化に戸惑う事もあったでしょうし、怪我や不振も経験しました。ジム・ボイレンHCの起用法に疑惑の目が向けられる事もありました。
ただ、そのどれもが「無駄ではなかった」と思います。チームの中心でなくても貢献する術を高いレベルで学んだ事が、中心選手としての幅・スコアラーとしての幅を生む事に繋がったんだと思います。
そんなマルッカネンを生んだフィンランド、現ユタ・ジャズHCウィル・ハーディー、マルッカネンと関わってきた全ての人間に感謝とリスペクトです。
改めまして、NBA2023 Most Improved Player受賞おめでとう、ラウリ・マルッカネン。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
ウィル・ハーディーHCには開幕前「下手すると年上のルディ・ゲイに頭叩かれるかも」なんて失礼な記事を書いていたのが懐かしいです。
ごめんなさい、ウィル・ハーディHC。まだ35歳と若いですけど、若さとベテラン・再建と勝利への意欲が混在する今季ユタ・ジャズでの働きは正真正銘お見事でした。コリン・セクストンを熱く諭しているシーンは非常に印象的でした(リンク)。
現在プレイオフ真っ只中だってのに早くも来季ユタ・ジャズが楽しみです。