【NBA2023プレイオフ総括】NBA2023全チーム、レギュラーシーズンとプレイオフでのレーティングランキング&成績比較。「平均スタッツとレギュラーシーズン成績」の弱点・留意点。/キングス、ニックス、デンバー・ナゲッツ、ウォリアーズ、レイカーズ、キャバリアーズ

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【NBA2023プレイオフ総括】NBA2023全チーム、レギュラーシーズンとプレイオフでのレーティングランキング&成績比較。「平均スタッツとレギュラーシーズン成績」の弱点・留意点。

余計な前置きは省きまして、まずNBA2023レギュラーシーズンOffRtgランキングを見てみましょう。↓画像の右端列がOffRtgです。引用元:Cleaning Glass(ガベージタイムを省いたスタッツ)

左端のPoint Diffは所謂NetRtgです。

続きましてNBA2023プレイオフでのOffRtgランキング。

次、NBA2023レギュラーシーズンDefRtgランキング。画像右端列がDefRtg。

次、NBA2023プレイオフDefRtgランキング。

以前の記事で

NBA各チームここ数年でロードマネージメントやらレギュラーシーズンへのアプローチが変化して、レギュラーシーズン成績によるプレイオフ予測が更に複雑・困難になってきてます

云々って話をしました↓。

↑関連記事で一度書いたんですけど、上記OffRtgとDefRtgランキングを例にしてRtg・平均スタッツの留意点と共にもう一度語ってみましょう。

OffRtgとDefRtgはチームのオフェンス・ディフェンスの良さを計る指標としてよく用いられます。「100ポゼッションあたりで何点とっているか。何点とられているか」って概念はわかりやすいですし、大抵のデータサイトに載っていて手っ取り早いですからね。

ただ、RtgやPer○○といった平均スタッツの弱点・留意点に

バラツキの大きさは表せない

サンプルサイズが大事

プレイスタイルや対応力などディテールを全く表せない

ってのがあります。

まず「バラツキの大きさは表せない」について。

3試合で60pts,0pts,0ptsの20PPGと20pts,20pts,20psの20PPGを同じに見せちゃいます。3試合程度なら直ぐ中身を確認できてわかりやすいからまだ良いですけど、試合数が増えるとぱっと見でバラツキの大きさがわかりづらくなります。

例えば2023セルティックスはとても高いOffRtgを記録してます。レギュラーシーズン82試合・プレイオフ20試合両方で4位の高さです。

ただセルティックスは3Pへの依存も非常に高いです。レギュラーシーズンとプレイオフ両方で3PAr(FG中の3PAの割合)が2位、%PTS 3PT(総得点中の3Pによる得点の割合)は2位と3位の高さです。

3Pは期待値は高くともバラツキ・波は激しくなります。2023リーグ平均3P%は36.1%しかなく、”Live By the Three, Die By the Three” 「3Pによって生かされ、3Pによって死ぬ」なんて言い回しもよく聞きます。

短いスパン・短期決戦、つまりプレイオフ1シリーズではそのバラツキが致命的になりやすいです。

3Pへの依存度が高い事は必ずしも悪い事ではないですし、セルティックスが敗退した理由は決してソレだけではないんですけど、2023プレイオフでのセルティックスは「OffRtgが高くとも安定感は別問題ですよ」って事の例になってしまったかなと思います。

「サンプルサイズが大事」について。

サンプルサイズは大きければ大きいほど信用性が高くなり、小さければ小さいほど低くなります。プレイオフ1シリーズ4~7試合程のサンプルサイズでの平均スタッツを、他のサンプルサイズの大きい平均スタッツと比べて優劣を判断する事はしないのが無難です。

2023プレイオフOffRtgランキングでクリッパーズは2位、バックスは5位ですけど、両チーム共オフェンスに問題なかったかと言えばそうではなかったわけでして、もし1回戦を勝ち抜いた場合、その高さを維持できたかは失礼ながら大いに疑問です。

繰り返しになりますが、サンプルサイズが小さいと前述のバラツキ・異常値の影響も大きくなります。一度超絶大活躍すると、例え他の試合でダメダメでも平均スタッツではそうは見えなくなります。60pts,0pts,0ptsと20pts,20pts,20ptsは同じ20PPGですけど全く別物で、60ptsのバラツキ・異常値の影響が3試合ってサンプルサイズの小ささのせいで大きくなって同じに見せてしまっているんですね。(ただし、選手のパフォーマンスを何をもって異常値とするかは非常に難しいです)

プレイスタイルや対応力などディテールを全く表せない」について。

これはそのまんまの意味ですし、前述のセルティックスの例で説明済みみたいなもんですね。

ナゲッツはレギュラーシーズンOffRtgで5位でしたが、プレイオフではぶっちぎりの1位。レギュラーシーズンDefRtgは17位でしたが、プレイオフでは3位にまで上昇。

OffRtgもDefRtgもヨキッチのいない時間帯で大きく数字を落としていたんですけども

ヨキッチの2023オンコートスタッツとon/offスタッツ。

それ以外のディテールもRtgを見ただけではわからないです。

ナゲッツは3P%でレギュラーシーズン4位、プレイオフで3位と3P%の高いチームです。しかしレギュラーシーズン3PArは21位、プレイオフ3PArは14位。レギュラーシーズン%PTS 3PTは20位、プレイオフ%PTS 3PTは13位。

ナゲッツにとっても3Pは勿論大事ですが、得点源にしてる量で言えば下位です。

重要な事なので2回言いますけど、ナゲッツにとっても3Pは勿論大事です。

ただ、Rtgには直接表れませんがナゲッツには3Pが入らずとも高効率な選択肢・対応力・カウンターアクションが豊富です。

その最たる例がスコアラーとしてのヨキッチです。

2020シーズン以降の5-10feetでのFGAとFG%のグラフ。

フローター・フックショットの鬼。というかダンクとアリウープ以外のシュートの鬼。一応センターのくせに。

たった1試合のサンプルですけど、ファイナル第5戦も例と言って良いかもしれません。

ナゲッツはこの試合3P5/28で僅か17.9%。それでもペイント内で60点稼いで勝てちゃうんですから。

ファイナル第5戦ナゲッツのショットチャート。
ファイナル第5戦ヨキッチのショットチャート。

少し話が逸れちゃいましたね、ごめんなさい。

兎に角、Rtgや平均スタッツには落とし穴もあります。ロードマネージメントや主力選手の欠場が増えて、サンプルサイズが小さくなり、ここ数年はレギュラーシーズン成績からプレイオフ展望するのが難しくなってきました。

ここ暫く「レギュラーシーズンでDefRtgが○○位以下のチームは優勝出来ない」って言説はよく聞きましたけど、日に日にそんな単純な話ではなくなってきてます。プレイオフ予想が困難になってきてます。

2000年以降ファイナル進出チームのレギュラーシーズンOffRtg/DefRtg/Pace順位一覧。※画像クリックで拡大

今までこういった過去優勝チームのレギュラーシーズン成績を基に様々な言説・セオリーが語られてきました。
引用元:Bill Herenda氏。

でも、しちゃう。プレイオフ予想とか妄想とかバンバンしちゃう。だって楽しいもん。外れようが的外れだろうが、そんなこたぁどうでも良いのである。

あ、当ブログで記事を書く際はしっかりと間違いやイイ加減な事は書かないよう努めております。イイ加減に楽しんでいるのは脳内でだけです。データや発言の引用などは極力間違えないよう気を付けております故ご安心を。

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今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

過去20シーズンNBAファイナルでの相対Rtgグラフ。

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