NBA’23「シューティングタレント」ランキング、怒られそう。/身長と信頼性を高めたStableスタッツの関係。/エンビード、ステフィン・カリー、ポルジンギス、KD、ヨキッチ、ドンチッチ、ディアロン・フォックス、カイリーetc.

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NBA’23「シューティングタレント」ランキング、怒られそう。/身長と信頼性を高めたStableスタッツの関係。/エンビード、ステフィン・カリー、ポルジンギス、KD、ヨキッチ、ドンチッチ、ディアロン・フォックス、カイリーetc.

「身長はスキルにどういった違いを見せているのか」シリーズ第3弾。

今回は「身長はスコアリング全般にどう影響しているか」を見てみましょう。3Pは以前記事にしたので↓、それ以外の部分ですね。

まずはStable Points Per 75(※)と身長の散布図。以下の画像は全て2023/3/20時点。1000分以上出場選手対象。※画像クリックで拡大

※:75ポゼッションあたりでの得点数。Stable Points Per 75のStableは直訳すると「安定した」「変動の少ない」といった意味で、スタッツ/指標にStableがついてる時は、そのスタッツが試行回数を基に、より信頼性を高める調整がされてる事を意味します。
2本中1本決めたのと100本中50本決めたのは同じ50%ですけど、後者の50%の方がより信頼性の高い50%になります。それを実際に数値に反映させるのがStableスタッツ/指標です。

特に相関関係は見られず。ジョエル・エンビード、ルカ・ドンチッチ、デイミアン・リラード、身長差のある3選手がTOP層に位置しています。

次はUSG%。

こちらも似たような結果です。大きいのでクリスタプス・ポルジンギスは散布図でも目立ちますな。

次。TS%。

こちらは正の相関関係が見てとれます。

基本的にビッグマンはリム近辺でのシュートが増えますので、やはりTS%は高くなる傾向に。特にミドル・ロングレンジを打たないビッグマンは顕著です。

次はStable FG2%。試行回数を基に調整された2PのみのFG%。

やっぱり正の相関関係。そしてやっぱりポルジンギス目立ちますな。ミッドレンジジャンパーもよく打つので%が低めに。

Stable Rim FG%。試行回数を基に調整されたリム近辺でのFG%。

綺麗に正の相関関係。まぁ当たり前ですよね。
ガードでありながら高い位置にいるディアロン・フォックスが立派。あ、クラッチ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーおめでとうございます。

次。Stable short Midrange FG%。試行回数を基に調整されたショートミッドレンジのFG%。

ヨキッチとKDが突出するも、リムから少し離れただけで身長との相関関係が失われています。

「遅い」とされるヨキッチやドンチッチが「速い」とされるフォックスと同じ様に高い位置にいるのがちょっと面白いです。

次。Stable Long Midrange FG%。試行回数を基に調整されたロングミッドレンジのFG%。

エンビード!今季は得点量、フリースローは勿論、eFG%も57.3%と高い数値。フェイスアップゲームからのロングミドル精度がグンと上がっている様です。

KDはKDですから今更言う事もなし!

デマー・デローザンは画像内赤丸の位置に隠れております。

最後。

BBall IndexのShooting Talentランキング。Overall Shot creation(シュート全般をクリエイトする能力)とOverall shot quality(シュート全般のショットクオリティ)を添えたもの。※画像クリックで拡大

・・・・

・・・・・・・・このランキングは私が決めたわけじゃないですからね?

いや、何というか、物議を醸しそうなランキング結果です。

特に「ステフィン・カリーが10位」ってのは違和感を覚える人が多いのではないでしょうか。

少し補足説明させて頂きますと、BBall IndexによるShooting Talentって指標はセルフクリエイトやタフショットの頻度を重視しているので、巧みなオフボールムーブメントでのオープンショットやイージースコアリングを多く生むタイプ・比較的ショットクオリティの高い選手はShooting Talentが低くなりがちなんです。
なのでTS%の高いヨキッチやフリースローを作り出すのが上手いエンビードやSGAも、その得点量や効率と比べるとShooting Talentの数値は控え目め。

逆に、打つシュートの殆どがアシストされたものではなく、ステップバックやコンテステッドショットなルカ・ドンチッチやケビン・デュラントは極めて高い数値となります。

つまり、ざっくり言いますと、このShooting Talentランキングは「セルフクリエイト&タフショットメイカーランキング」って感じです。あくまでBBall IndexのShooting Talentによる。

勿論ステフやヨキッチらもセルフクリエイトしますしタフショットも決めますけども。

・・・・・・・・

何故こんな言い訳じみた事を書いてまで、このランキングや散布図を載せたかと言うと、「スコアラー評価の物差し」「シュートの上手さ」には多くの種類・側面があるって事を書きたかったからです。自戒のためにも。

「先入観」「他者の評価」「漠然としたコンセンサス」で興味深いディテールや楽しい発見を見逃しちゃうって事が、過去の私に結構ありました故。

自分語りが始まりそうになったところで

今回はこの辺で。ではまた。

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