最近のNBA界隈での流行語“HIM”を体現したジャマール・マレー。ヨキッチとダービン・ハムの危うい関係。八村塁の奮闘。またもやプレイオフ史上最多記録が誕生。NBAデータの歴史etc./レイカーズ、デンバー・ナゲッツ、レブロン、AD、MPJ、ジミー・バトラー

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最近のNBA界隈での流行語“HIM”を体現したジャマール・マレー。ヨキッチとダービン・ハムの危うい関係。八村塁の奮闘。またもやプレイオフ史上最多記録が誕生。NBAデータの歴史etc./レイカーズ、デンバー・ナゲッツ、レブロン、AD、MPJ、ジミー・バトラー

本日2023/5/19の試合結果。

ジャマール・マレーは“HIM”です。

“HIM”、直訳すると「彼」。

最近よく聞く表現で、ここぞって時に大活躍してる選手を指して“He’s him”「彼はやるときゃやる男だ」といった意味合いで使われます。

やたら流行語を使いたくなるのは万国共通なようで、キングス実況マーク・ジョーンズさんがあまりにも“De’Aaron Fox is HIM.”を連呼するもんだから一部ウォリアーズファンから皮肉を言われとりました。

「マーク・ジョーンズが“FOX is HIM”って言うのを500回聞かなきゃ、それは良い試合って事だ。」

ジミー・バトラーを指して“HIMMY BUTLER”とかもあります。

コラ好きも万国共通。

そして本日2023/5/19の試合の“HIM”はジャマール・マレーでした。

第4Qナゲッツの32得点中23点がマレーによるもの。FG6/7,3P4/5,FT7/8。おまけにSTLも2つ。
長く続いた劣勢を第4Qにひっくり返しました。
名実況マイク・ブリーンの“BANG!”を自給自足。幼い頃よく真似していたそうです。
キャリア4度目となるプレイオフ第4Qだけで20得点以上。1997シーズン以降プレイオフ史上最多。
元チームメイトのモンテ・モリスも嬉しそうで何やらこっちも嬉しい。

プレイオフの第4Qで20得点以上をした選手のリスト。2023/5/19時点。

今日以前からマレーが最多だったんですね。

マレーが記録した4試合。どの第4Qも超高効率。

※:余談。
レジー・ミラーが1994プレイオフ対ニックス戦の第4Qで25得点した事は有名ですが、1997以前はクォーター毎のスタッツはまだ公式記録として残されていませんでした。なので上記画像にも未記載。
詳細なデータが計測・記録されるようになった1997シーズン以降を指して“Play by play era”「詳細なデータ時代」と呼び、区別したりします。
選手・チームの記録的なスタッツを紹介しているTwitterアカウントESPN Stats & Infoがlast25years(ここ25年で)という文言をよく用いているのはそのためです。

様々な分野で進化を遂げてきたNBAは、現在も指数関数的にデータ・スタッツ・指標の種類が増えてきています。来季からHawk-Eyeホークアイ(ざっくり言うと、高機能コンピューターカメラ)も導入されます。レフェリング精度と試合進行速度の向上が見込まれるそうです。記事リンク

話を戻しまして。

第4Q直前までマレーはFG5/17,3P2/9とシュートタッチはよろしくありませんでした。

少し前の記事で私はこんな事を書きました。

「調子が悪ければエースといえど使わない」と「調子が悪くともエースを信じ続ける」。この二つの判断の成否・正否は永遠に答えの出ない命題な気がします。

ニコラ・ヨキッチは偶にシュートに対しての消極性を指摘されますが、史上屈指とも言われるBBIQを持つ選手がそうなるのは、「例えチームメイトの調子が悪くとも復調を促す事が勝利に繋がる」と信じているからじゃないかと思います。

そして、そう信じさせてくれるだけの実力と信頼がジャマール・マレーにはあるんだと思います。

勿論ケースバイケースで判断ミスをする事もあるでしょうし、もっと複雑な試合観を持っているのでしょうけど、「何故ヨキッチが打たないんだろう?」と思わせるシーンや「何故ヨキッチ以外がこんなに打つんだろう?」ってシーンは、「ヨキッチは偶に消極的」の一言で片づけられるものではない気がしてます。

開幕前メディアデーでの発言も思い出されます。

勿論彼(ジャマール・マレー)とプレイするのは大好きだよ。

彼が次の20試合で“非常に悪い”のはわかっているけど、僕らは生き抜いてみせるさ。

復帰後は不安定かもしれない。でもリズムを取り戻し、怪我をする前の状態に戻る必要があるんだ。

動画はこちら

アンソニー・デイビス、ジャマール・マレー、マイケル・ポーターJr等々怪我や不調で苦しんできた選手の復活には、やっぱり「使う事」「打たせる事」が大事。ダービン・ハムHCがディアンジェロ・ラッセルを使い続けるのもそういう事なのかもしれません。

とは言え、1敗の重みが大きいプレイオフではリスクも非常に大きいですから、結局

「調子が悪ければエースといえど使わない」と「調子が悪くともエースを信じ続ける」。この二つの判断の成否・正否は永遠に答えの出ない命題な気がします。

ですな。(ディアンジェロ・ラッセルはエースではないですけど、選手全般に当て嵌まる事かなと)

試合全体で印象的だったのは終盤のヨキッチ、というかナゲッツもレイカーズも両チームほぼ全員疲れ切っているようなプレイが目立ちましたね。第4Q前から、そんな印象あります。本シリーズではオンボール以外でも多くの攻防が生まれてますから“さもありなん”です。カッターの警戒やリバウンド・50/50ボール争いは今後も見所だと思います。

そういった疲れからかレブロン・ジェームズのレイアップミス&ダンクミス&ターンオーバー&3Pチャッキングもありましたし、ADやヨキッチ(ヨキッチ基準で)のシュートタッチも不調でした。
今のところ2試合でのオフェンシブリバウンド数はナゲッツ26対レイカーズ9、2ndチャンスの数で大きな差が出ています。(ダービン・ハムHCが大活躍の八村のスターター起用・出場時間の増加を躊躇っているのは、この部分のせいかもしれませんね)

・・・・・

・・・・・・・・次の試合まで1週間くらい空けませんか?その間で互いの親交を深めるとかダメですか?そうですか。

今日の試合前たまたま出くわしたらしいヨキッチとダービン・ハムHCの2ショット。仲良し。
ダービン・ハムHCはシリーズ開始前にヨキッチ対策を訊ねられ「家のすぐ外で誘拐する」とユーモアとリスペクトを兼ね備えた回答。

残念ながら八村塁の活躍は報われず。

八村本人にとっては何の慰めにもならないでしょうが、私はウルトラ評価してますし、活力をもらっています。

次も良い試合を期待しております。

今回はこの辺で。ではまた。

余談。

台湾のチームに在籍しているドワイト・ハワードが今季プレイオフで敗退した選手や話題の選手に軒並み

「カモン!」

って呼びかけてるのが何やら微笑ましいです。

https://twitter.com/LeNooshi/status/1658329476961378304
リンク

昔は日本プロ野球に来た外国人選手が明らかに日本野球界を軽視した振る舞いを見せたりしてましたけど(最近はあまりないそうです)、ドワイト・ハワードは台湾バスケ界を大いに盛り上げ楽しんでいるようで何より。

リンク。
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