【NBA】最多3Pアシスト数ランキングから考える「ハンドオフの達人」と「ラインナップスタッツ」と「名コンビ解消危機」とかアレコレ。/キングス、ペイサーズ、シクサーズ、ウォリアーズ、ナゲッツ、ハリバートン、サボニス、ヒールド、ハーター

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【NBA】最多3Pアシスト数ランキングから考える「ハンドオフの達人」と「ラインナップスタッツ」と「名コンビ解消危機」とかアレコレ。

少し前に「ペイサーズとバディ・ヒールドの延長契約交渉が難航しトレードを模索」とのニュースがありまして。

個人的に非常に残念なニュースですが、それはそれ、記事を書くキッカケと捉え今記事をしたためております。

そもそも「何故残念なのか」ですが、ヒールドは元々優秀な3Pシュータとして知られており、キングスでチーム成績や自身も不振を経験してから2022トレードデッドラインでタイリース・ハリバートンらと共にペイサーズへとトレード。ぺイサーズ移籍後はオフェンスでのハリバートンとの相性の良さに磨きがかかり、アイテスト上でもスタッツ上でも来季2024が楽しみになる内容でした。

史上最速試合開始直後の3P成功。いつ何時もシュートを打つ心構えと自信がなければ生まれない記録です。まさに「シューターズ・メンタリティ」。
ハリバートンからヒールドへの3Pアシスト数はリーグTOPの101本。
ハリバートンのコートビジョンの良さとヒールドのオールマイティな3P%はリーグ屈指の好相性だと思います。
プルアップ、キャッチ&シュート3P、コーナー、それ以外、どれも40%超え。
3Pシューターは一度不振を経験したり厳しい対策に遭ったりすると、そのまま数字を戻せずフェイドアウトってケースも多い中、昨季2023は立派なバウンスバックシーズンでした。

ハリバートンが5年260Mの延長契約(インセンティブ込みで260M)、ブルース・ブラウンが2年45Mの契約(2年目はチームオプション)を交わしてからの今回のニュース。ロスター構築ってなぁ大変ですな。

5年260M延長契約直後ハリバートンのツイート。そりゃ笑うでしょうけども。ツイート見て私も笑いましたけども。
ハリバートンのXアカウントバナー画像。やっぱり笑いました。
ペイサーズのサラリー・契約概要。インセンティブ抜きの額で記載。

2023/9/25現在まだトレードが決まったわけではありません。どうなるにせよ、ハリバートン&ヒールドのコンビがそのままなら万々歳、惜別となるなら新しい名コンビ誕生を楽しみにしましょう。

ペイサーズには“同期カナダデュオ”アンドリュー・ネムハード&ベネディクト・マサリンもいて。

レイカーズ戦で見せたハリバートン→ネムハードのタフ3Pブザービーターも素晴らしかったです。リンク

“レゴマニア”マイルズ・ターナーもいて。

“海賊”TJ・マッコネルもいて。

とにかく要注目です。

ついでに、上記アシストコンボ画像を見ながらいくつか。

前述の通りハリバートン→ヒールドが3Pアシスト数で1位。その直ぐ下、2位はドマンタス・サボニス(以下ドマス)→ケビン・ハーター、3位もドマス→キーガン・マレー。

ドマスはニコラ・ヨキッチと同じく「パッシング・ビッグ」として知られていますが、ドマスとヨキッチのアシストの違いの一つに、この「3Pアシスト数」が挙げられます。

2023シーズン100ポゼッションあたりでの3Pアシスト数ランキング。1000分以上出場選手対象。

ハリバートンが6.36で1位、ドマスは5.39で2位、ヨキッチは4.34で15位。(念のため書いておきますと、このスタッツでパサーとしての優劣は決められません)

雑に言うと、ドマスはハンドオフ・ハブ役でパスを供給する頻度が高く、キングスは高いオフェンス効率を記録していました。

ハンドオフの頻度でキングスはリーグ1位、ハンドオフでのPPP(Points Per Possession)でリーグ2位。

ハンドオフを起点として別のオフェンスタイプへ派生する事も多く、ハンドオフ以外でもドマスの関与は多かったです。

FGA中の3PA割合は5位、総得点中の3P得点割合は6位。

OffRtgは1位。

そんなキングスの中でドマスのオンコートOffRtgは121.6で95パーセンタイルの高効率。オン/オフOffRtgも+6.2で91パーセンタイル。

マリーク・モンクというベンチからのスパークプラグもいて、レギュラーシーズンにおいてキングスのオフェンスは非常に強力で魅力的でした。ここまで数字をダラダラ並べておいてなんですけど、んなもん関係なく単純に観てて楽しかったです。動きが多くて、ドキドキする試合展開も多くて。というかここ数年ずっと劇的な試合展開が多い印象あります。

プレイオフでは1st roundで惜しくも敗れてしまいましたが、まさしく名勝負もありましたし、むしろ楽しみが増えたと言えます。

プレイオフでの各選手平均スタッツ。3PA数順。
皆ショットメイキングに大苦戦した中での3勝4敗です。ディアロン・フォックス、ドマスの怪我をしながらの強行出場含め大奮闘です。

ある程度「強敵」と認知され「手の内」も知られるようになる来季2024、対策が激しくなり対応・修正力も高く求められるプレイオフ(気が早いですがもしも出場したのなら)、ドマスとキングスがどういった成長・対応を見せてくれるかが楽しみです。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。メモ帳。

2023シーズン、5ラインナップのポゼッション数TOP15。

poss列の数字がポゼッション数、DiffはそのラインナップでのNetRtg(背景色付きの数字は100ポゼッション以上プレイしたラインナップを対象にしたパーセンタイル評価)、Pts/PossはそのラインナップでのOffRtg。

キングスのフォックス、ケビン・ハーター、ハリソン・バーンズ、キーガン・マレー、ドマスの5ラインナップがポゼッション数1898で1位。ただそのラインナップでのNetRtgは+3.7(51パーセンタイル)でOffRtgも119.9(63パーセンタイル)とそこまで突出しているわけではないんですよね。

以下少し話が脱線

ポゼッション数・サンプルサイズが小さくなるほど信用性は低くなりますので、正直言いまして「100ポゼッション」という小さなサンプルサイズも対象に含んだ Cleaning The Glassのパーセンタイルは然程気にはしていません。

2023シーズン、5ラインナップのNetRtgTOP15。(パーセンタイル順、つまり100ポゼッション以上対象)

200未満のラインナップしかいません、これではパーセンタイル評価を戦力評価とは捉えづらいです。上記ラインナップに期待したりロマンを感じる事は出来ますから、決して無意味ではありませんけどね。

600ポゼッション以上を対象にした5ラインナップのNetRtgTOP15。

そもそも近年は怪我やロードマネージメントやプロトコル等で中々スターターが揃わず、まとまったポゼッション数のラインナップが少ないです。Cleaning The Glassが100ポゼッション以上を対象にしたパーセンタイルを採用してるのも致し方なしです。まいっちんぐ。
誤解なきよう補足しますと、1000なり2000なり多くのポゼッション数・出場時間・サンプルサイズを伴っての高いパーセンタイル評価なら、それは勿論素晴らしい事です。サンプルサイズが小さくとも、それは「今後への信用性は怪しい」ってだけであって、僅かな間でも素晴らしかった事には違いないです。ややこしい説明で恐縮です。

話をキングスに戻しまして

それにしても不思議というか興味深いチームです、キングスは。

キングスの5ラインナップ一覧、ポゼッション数順。

キングスのローテーション図。

色が濃い時間帯程多く出場しているという図です。
最下段はその時間帯での1分平均プラスマイナス、紫が濃い程マイナスで緑が濃い程プラスです。

スターターの出場時間帯をそれぞれずらしていて、オールベンチの時間帯はほぼありません。最近はどのチームもこの傾向ですけど、キングスは特にフォックスとドマスどちらかは常にコートにいるようにしています。

で、やはりドマスのアシスト・DHOスキルが活きるケビン・ハーターはドマスと出場時間を多く共にしています。数少ないベテランのハリソン・バーンズは比較的流動的な起用です。ベテランとは真逆なルーキーのキーガン・マレーも流動的。

ドマスは2022シーズン途中加入。ハーターは2023新加入。キーガン・マレーはルーキー。スターターの内3人が比較的新参者で、ベンチだってマリーク・モンクは新加入。トレイ・ライルズは2022シーズン途中加入。デイビオン・ミッチェルは2年目でディフェンスが売りの選手。

そんで新HCのマイク・ブラウンは前職ウォリアーズACではディフェンス面で辣腕を振るっていたコーチ。キングスHC就任の際は誰しもキングスの「ディフェンス改善」を期待したと思うんです。

しかし、さほどディフェンスは改善せず(違いは生まれどDefRtg上では)。

改善したのはオフェンス。見事な連携を見せての大改善・大躍進。新参者ばかりのはずなのに。

キングスの過去10シーズンの各種Rtg、4ファクター他一覧。

前年と比べDefRtgは27位から25位。OffRtgは25位から1位。2006シーズン以来実に17シーズンぶりのプラスのNetRtg。

開けてビックリ玉手箱。

書きたい事は尽きませんが長くなったのでこの辺で。ではまた。LIGHT THE BEAM!!

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