【NBA】ヨキッチ、エンビード、サボニス、ベン・シモンズ、チェット・ホルムグレンの共通点とは?若手に大事なのはプレイタイムだけではない?コート外での雌伏の時間と縁の下の力持ち。/ナゲッツ、レイカーズ、ウォリアーズ、バックス、セルティックス、OKCサンダー

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【NBA】ヨキッチ、エンビード、サボニス、ベン・シモンズ、チェット・ホルムグレンの共通点とは?若手に大事なのはプレイタイムだけではない?コート外での雌伏の時間と縁の下の力持ち。

唐突にクイズ。

アルビダス・サボニス、ブレイク・グリフィン、ジョエル・エンビード、ニコラ・ヨキッチ、チェット・ホルムグレン、ベン・シモンズ、マイケル・ポーターJr。彼らの共通点は何でしょう?

・・・・・・

はい。

正解は「ドラフト指名後1年以上経ってからNBAデビューした選手」です。理由は怪我だったり国際情勢だったり修行期間だったり色々ですが、雌伏の時を経て彼らはNBAで(例え一時的にでも)華々しい活躍をしました。雌伏の時間・我慢の時間が飛躍を生んだとも言えます。

キャリアスタッツ。以下全て2024/1/30時点。

「ルーキーが試合に出る」って事は大きな経験・成長の糧で、ファンにとって非常に大きな楽しみです。再建チームなら尚更です。

ただ、選手の飛躍のための経験とは「多くの試合に出る事」「バスケットボールをプレイする事」だけが最適解ではないでしょう。プレイで体力を使わずフィジカル改善に勤しんだり、プレイに時間を使わず座学でバスケットボールIQに磨きをかけたり、より良い体の休め方やNBAのスケジュールとの付き合い方を学ぶことも大事でしょう。

2014ドラフト指名後NBAでプレイせず、4週間をフィジカルトレーニング機関P3(※)で過ごし、P3のトレーナーからトレーニング中「コートに戻りたい?」と聞かれて「いや。僕のスキルは十分だから」と答えたヨキッチ。
P3はヨキッチの2021MVPを「彼は正しかった」と粋な祝福。

※:Peak Performance Projectの略でアメリカプロアスリートやオリンピックアスリートに多くの顧客を持つトレーニング機関。

P3の世話になった選手たち。

他にもカワイ・レナード、ジェイレン・ブラウン、アーロン・ゴードン、ザック・ラビーンなど様々なタイプの選手、様々なスポーツアスリートがお世話になっています。

以下公式サイトより抜粋翻訳。公式サイトへのリンク

P3 はハーバード大学で訓練を受けた医師であるマーカス エリオット博士によって 2006 年に設立されました。アスリートの動きを理解し、パフォーマンスを最適化するための開発に、よりデータ主導型のアプローチをもたらすという明確な目標を掲げています。P3は高度なスポーツ科学技術を利用してプロのアスリートを評価およびトレーニングするパフォーマンス施設です。当社には、選手に最先端の評価とトレーニング サービスを提供してプロスポーツ組織をサポートし、助言してきた豊富な歴史があります。何百人ものエリートアスリートが P3 の恩恵を受けており、それを証明するデータがあります。

NBAはコート内外で多くの人間・組織が関わり、サポートし合っています。

今季2024レイカーズの主だったチームスタッフ一覧。Yearbookより抜粋。

ここ10年で各チームのアナリティクス担当・データストラテジー担当(チームよって役職名は様々)は本当に増えました。
各チーム公式サイトで各チームのYearbookやスタッフ一覧は閲覧できますので、気になる方はNBA.comからでも各チーム公式サイトへ飛んでLet’s click!(チームによってはやたらわかりづらい場所にあります)

レイカーズのYearbookから「見返り美人」ならぬ「見返り八村」。各チーム良い写真載せていたりで読んでいて楽しい。

えらく話が逸れましたが、まとめると

NBAは見えない場所にも多くの人間が関わっていて、コート外にも選手やチームの成長を促す場所・機会が非常に多く存在する

って話です。

私のファン心理的には「ルーキー・若手のプレイは沢山見せておくれ。特に再建チーム。」と思うんですけど、やっぱり練習・コンディショニングその他コート外の活動に力を入れたいケースも沢山あるんでしょう。

練習風景やコート外活動も見れる機会が増えないものか。うーん、公開したくない事もありますから難しいですよね。

今回はこの辺で。ではまた。

余談。

ヨキッチが昨季2023プレイオフでウェスタンカンファレンスファイナルMVPを受賞した際、そのスピーチ内容が少し話題となりました。チームのオーナーに感謝する前にスパーキー・ゴンザレスさんという方の尽力を称賛した事で、「いや、スパーキーって誰?」といった疑問の声が上がったんです。

スパーキー・ゴンザレスさんはナゲッツで長年設備マネージャーを務めている方で、若い頃のヨキッチの試合前ルーティーン(卓球)の相手を務めていた人物でもあります。

若かりしヨキッチの試合前ルーティンワークへのリンク。
画像左がスパーキー・ゴンザレスさん。右は移動中の飛行機内で眠るゴンザレスさんにイタズラしようとするヨキッチ。
スパーキさん宅のホームパーティに参加するヨキッチ。
マイケル・ジョーダンと写るスパーキーさん。
カリーム・アブドゥル・ジャバーと写るスパーキーさん。上記4枚の写真と以下スパーキさんと選手たちのコメントはANDSCAPEの記事から。選手コーチスタッフ全員の結束の大事さ・影響力の大きさが窺える素晴らしい記事。

ヨキッチのスピーチにより思いがけない注目を集めたスパーキーさん(スピーチ直後に200通近いテキストメッセージが届いていたそうです)、ヨキッチには「君は私をクビにさせたいのか?ああいう時は設備マネージャーの前にオーナーの名前を言わなきゃいけないよ」と冗談交じりに告げたそうですが、多少順番を間違えたとはいえヨキッチからすればオーナーと等しく感謝したい存在だったのでしょう。

ヨキッチ以外にマイケル・ポーターJrもスパーキーさんについて

彼は試合前に僕を励ましてくれるし、ジョークも言い合う。間違いなくナゲッツのカルチャーの重要な部分だ。設備係は楽しい事ばかりではないけど、常に明るい姿勢で良いエネルギーをアリーナにもたらしてくれる

と述べ、ナゲッツのレジェンドで元GMのキキ・バンダウェイも

彼はチームのためなら何でもするし、チームの誰かのためなら昼も夜も関係ない。必要なものは何でも揃えてくれたし、追加で必要なものが増えた時も彼は「はい、私ならここにいますよ」って感じだった。彼はいつでもそこにいたんだ。

との言葉を残しています。

縦の糸はあなた 横の糸は私

織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれない


中島みゆき『糸』より

NBAチームとは多くの糸が絡み合い、多くの布が織られ、そうして出来あがるのがチャンピオンシップバナーなのかもしれませんね。

・・・・・・

・・・・・・・・・あの少年↓元気にしてるかな・・・・

2022プレイオフ前にセルティックス優勝を信じてセルティックスのチャンピオンシップバナーのタトゥーを入れてしまった少年。後のインタビューで「来年数字の部分を彫り直せばいいだけ」と頼もしい(?)御言葉。
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