ベン・シモンズの忍耐【’23スターたちの帰還】

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はじめに

昨季長期欠場を余儀なくされた選手たちに焦点を当てて、軽く語ろうと思います。

今回はブルックリン・ネッツのベン・シモンズ。

怪我をする前の活躍

これまでの主な受賞歴は’18Rookie of the Year、1度のAll-NBA-3rd、2度のAll-Def-1st

少し前に「レブロン、ドンチッチ、カニングハムは史上10人しかいないルーキーイヤーに17pts/5reb/5astを記録した選手の内の3人」というのが話題になりましたが

どっこいシモンズだってデビューイヤーに15pts/8reb/8astと引けを取らない数字を残しています。

デビュー直後からシュートレンジの狭さやFT%の低さは取り沙汰されてはいたものの即プレイオフ進出も果たし、そのキャリアは輝かしいものだったと思います。レブロンとの比較もちょいちょい見かけました。

昨季全休の直前’21シーズン。シクサーズはレギュラーシーズンで快進撃を続けていました。エンビードの攻守にわたるMVP級パフォーマンス、シモンズのサイズとスピードを兼ね備えたディフェンスの多様性、トバイアス・ハリスのオールラウンドな貢献、セス・カリーやダニー・グリーンの3P。極めて優れたフロアバランスとディフェンス。

エンビードの怪我による離脱でさえシクサーズを大崩れさせるには至りませんでした。そしてそれはシモンズの働きによるものも非常に大きかったです。

結果シモンズは’21All-NBA-3rd、DPOYではゴベアに次ぐ2位の票を得ます。

・・・ただ「一寸先は闇」って言葉は恐ろしいほどに真実です。

同年’21プレイオフイースタンカンファレンスセミファイナル、対アトランタ・ホークスでの敗退でシモンズへの風当たりは極めて厳しいものになりました。

結果的にレギュラーシーズン1位通過・DefRtgリーグ位2への貢献やシモンズの長所は忘れられ、その風当たりはドミノの様な形で色々な選手のキャリアへ影響を与えます。

シモンズはシクサーズでのプレイを拒否。契約不履行同然の振る舞いはさらに風当たりを強くし、ハーデンやセス、ドラモンドらを絡めたトレードでブルックリン・ネッツへと旅立ち、ヘルニアの再発で’22は試合に出る事はかないませんでした。

’23への期待

批判の矛先を変えたいわけではないので逐一具体例は挙げませんが、シモンズ以外にも’21プレーオフ敗退の敗因はありました。

しかし、あまりにも象徴的な数字と絵面の前にそれらは議論される事なく、ゴール下でボールを持つもフリースローを恐れ、サイブルにパスを出すシーンや4QでのFGAのなさが度々クローズアップされてしまいました。

個人的に「そりゃシモンズが不出来だったのは間違いないけど、何回その話繰り返すの?他にもあるでしょ、ホークス側の良かったところとかマクミランHCのイヤらしい采配とか」と思ったのを覚えています。

恐らくシモンズ本人の悔しさはその比にならないでしょう。

欠場中の振る舞いは多くの人が眉をひそめて当然とも思えるものでしたが、ヘルニアの手術や恋人との婚約(この逆境の中での婚約ですから、お相手の想いも凄い)を経て、今までの溜まった鬱憤を晴らす活躍を期待したいです。シクサーズとも金銭的・書面上では和解合意に達したそうですしね。

おまけ。↓画像はNBAにおける“チェリーピッキング”(※)のお手本とされる有名な画像。

※自分に都合のよい根拠だけを選び取り、提示すること。NBAでよくあるのは「○○(選手名)は平均○○pts○○reb○○ast以上を○○試合連続で記録した史上〇人目の○○歳以下or以上の選手」みたいなのです。

ベン・シモンズはデビュー後の2年間で少なくとも50勝をして、なおかつそれぞれの年のプレイオフでトリプルダブルを記録した史上初の選手

お、おう・・・。

今回の【’23スターたちの帰還】はここまで。ではまた次回。

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