【NBA】ステフィン・カリーと比較した現代ビッグマンの平均FGA距離ランキング&FGA分布。NBA2024大型ルーキー二人のショットチャートと歴代高身長選手のスタッツ一覧その他。
NBA選手ってのはデカくて重い。当たり前ですね。
その最たる例が所謂「センター」「パワーフォワード」「ビッグマン」と呼ばれる選手たちなわけですけども。
今季2024、身長体重の散布図。
パワーフォワードとセンター登録選手のみ対象の散布図。
今季2024、身長ランキング。
身長7’1(216cm)以上の選手は13人。“高さのアドバンテージ”は身長だけでなく腕の長さや跳躍力などにも左右されるので一概には言えませんが、少なくとも身長216cm以上の彼らはその分“身長のアドバンテージ”を持っています。
で、その“身長のアドバンテージ”がどう使われているか。
近年“身長のアドバンテージ”はアウトサイドやミッドレンジジャンパーに使われる事が本当に増えました。
今季2024身長でリーグ1位タイのビクター・ウェンバンヤマのトゥルーシューティングチャート(フリースローを得た位置含むショットチャート)。以下全て2024/2/5時点。
2024クリスタプス・ポルジンギス(身長でリーグ4位タイ)のトゥルーシューティングチャート。
2024チェット・ホルムグレン(身長でリーグ6位タイ)のトゥルーシューティングチャート。
2024ブルック・ロペス(身長でリーグ6位タイ)のトゥルーシューティングチャート。
ボル・ボル(身長でリーグ3位)のキャリアトゥルーシューティングチャート。
彼らのショットアテンプトは「アウトサイドも打てる」といった範疇のものではございません。むしろ「アウトサイドもメインウェポン」と言ってよいレベルです。
3Pを打つセンターは最早珍しくもありませんが、アル・ホーフォードに至ってはFGAの約7割が3Pです。ステフィン・カリー(約6割)よりも多いです。
今季2024、センターの平均FGA距離ランキングにステフを添えたもの。遠い順。距離毎のFGA分布併記。右端の数字が3PA割合。
ちなみに平均FGA距離の近い順ですとこうなります。
同じセンターでも、こうも平均FGA距離に開きがあります。
某高校のコーチと選手が憤慨しそうですね。
最後に
今季2024、体重ランキング。
体重は身長と比べ増減が激しいので参考程度に。
とりあえず言えるのは、NBAで最もデカくて重いボバン・マリヤノヴィッチは最強って事です。
今回はこの辺で。ではまた。
余談。
身長が高い事はバスケにおいてアドバンテージですが、同時にリスクも大きいです。基本的に人間の骨格・関節・靱帯は200cm,100kg以上の存在が頻繁に跳んだりぶつかったりする為に作られてはいません。筋組織は増やしたり鍛える事が出来ますが、靱帯・関節・軟骨の丈夫さは必ずしも身長体重の大きさに比例しません。損傷の予防は出来ても、日常的に激しい運動・身体的接触が余儀なくされるNBAではそれすら困難です。
歴代高身長ランキングに入っている選手のキャリアは比較的短めです。NBA在籍中常に膝などの怪我に悩まされている選手が殆どでした。
歴代7’4(224cm)以上選手リスト。キャリア出場試合数順。PPG他併記。
若いうちに高身長で話題になるも、NBAまで辿り着けなかった選手も多いです。
最近ですと、16歳時231cmの高身長で話題となったロバート・ボブロスキーは多くの高身長選手と同様に体重・筋肉をつける事に苦労し、カレッジで目立った成績をあげる事は出来ませんでした。
こちら↓は現在進行形で話題となっているオリバー・リウー、現在17歳で228cm。
RBC Professional Sports GroupによればNBA全体での平均引退年齢は28歳で平均在籍年数は5年ほどとされています。なので「高身長である事が殊更に彼らのキャリアを短くした」とは言えません。
しかし、間違いなく「高身長である事のメリット」と同時に「高身長である事の大きなリスク」も存在します。
その大きなリスクを抱えながら活躍した過去のビッグマンたち、近年MVPを勝ち取ったヤニス・アデトクンボ、ニコラ・ヨキッチ、ジョエル・エンビード他大勢のNBA選手。彼らの活躍は等しく尊くて、怪我が多かったとしても、それはそれだけ彼らが献身的だった事の表れであって、決して嘲笑の対象ではないと私は思っております。
私もNBA界隈のブラックジョークに笑う事は沢山ありますし、プロスポーツエンターテインメイトであまり堅苦しい事は言いたくありませんから、ここまでにしておきます。
今はただ、怪我をした全ての選手、彼らのプレイへの感謝とコート外含めた人生での健康を願っております。