【NBA】2024プレイオフ&RSミッドレンジマスターランキング。NBAハッカソンとスタッツの読み方と色々。/OKC、SGA、ヨキッチ、ブランソン、カイリー、ドンチッチ、ナゲッツ、ウルブズ、ニックス、ペイサーズ、マブス、サンズ

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2024プレイオフ&RSミッドレンジマスターランキング。NBAハッカソンとスタッツの読み方と色々。

昨日2024/5/14の試合結果。

セルティックスとOKCが勝利。セルティックスだけが3勝1敗で残りの組み合わせは2勝2敗のイーブン。

で、本記事は先日の記事↓の続き。

前回記事では現在NBAファンの間で親しまれてるシューティングスタッツの概要・留意点をかいつまんで説明。

まず前回記事で「%系のシューティングスタッツは必ずしもシュートの上手さを表してはいない」って事を留意点に挙げました。

「じゃあ何を表しているの?」って話ですけども、それは受け取る人間によって変わります。

「いや、そういうのいいから。はっきり教えてくれ」といった声が聞こえてきそうですが、正直に伝えようとすると、こうなってしまいます。

あらゆるスタッツ・指標・データはソレのみでは何も教えてくれません。受け取る人間の思考・分析力が伴ってはじめて意味を成します。

“analyticsアナリティクス”って単語がNBAで流行り始めた頃、「アナリティクスはミッドレンジを嫌う」といった言説も流行りましたが、本来アナリティクスやスタッツは何も嫌ったりしません。「どこかの誰かが何らかのスタッツ・指標・データをそう解釈した」ってだけです。で、大多数の人が「アナリティクスってそうなんだ」ってなっただけです。

スポーツアナリティクスを大雑把に説明しますと

「何らかの客観的データを基に有益な行動指針を導き出す事」

となります。決して「アナリティクス上では○○しちゃダメ」とかそういった画一的なモノではないです。世の中に大勢のデータアナリストやスポーツ統計学者がいるのには理由があります。理由の一つは受け取り方・解釈の仕方に能力差・個人差があるからです。

優れたアナリスト(※)とは、何らかのデータから他者よりも有益な行動指針を導き出せる人のことです。

※:本記事でのアナリストはTVコメンテーターや解説者ではなくスポーツアナリティクス分野の方々を指します。

NBAもそういった人間を育成すべく、様々な施策を行っています。

“NBA  Hackathon”(NBAハッカソン。学生向けのスポーツアナリティクスコンペティション)はコロナ禍により中断されていましたが、昨年めでたく復活。
大きなとこでは「スポーツアナリティクスクラブ」といったクラブがある大学もあって、体験レポート・記事を上げてくれる事も。アダム・シルバーや各チームフロントから貴重な言葉を聞ける事もあるそうで。リンク
過去審査員には人気有名アナリスト/ライターのザック・ロウがいた事も。深い知識と洞察力を持った御方ですが、奥様の母国クロアチアがサッカーW杯でブラジルに勝利した際はベロベロに酔っぱらいながら生放送に参加する陽気なおっちゃんです。動画へのリンク
ゲストにはシェーン・バティエがいた事も。

また話が脱線しましたが、兎に角アナリティクスは奥が深ーいもんです。

とは言え私はスポーツアナリティクスを生業にしてるわけではないので、「この選手・チームはコレとアレのスタッツが優秀or不得手に見えるから今度そこに注目してみよう」くらいに、ゆるーく自由に楽しんでいます。

で、ようやく前回記事の続き。

サンプルサイズとスパンと必要最低要件

について。上記3つはゆるく楽しむ上でも意識しておくと何かと捗ります。

まず1つめ、サンプルサイズ

ご存知の方が多いと思いますが「分析対象となるデータの量」ですね。これが小さい(少ない)と信用性は低くなり有益な行動指針や結論は見出しづらくなります。ファン目線ですと「夢が見れる」のでサンプルサイズの小さな活躍も捨てたもんではありませんけどね。

2つめ、スパン。

「サンプル(分析対象のデータ)がどの程度の期間にわたってのものなのか」も大事になります。同じ500の量(サンプルサイズ)でも、「5年間で500本の3Pを40%で決めた」と「1年間だけで500本の3Pを40%で決めた」では解釈が違ってきます。「1年間だけで500本の3Pを40%で決めた」選手は、解釈によっては「まだ対策をとられていない間に、比較的警戒されずに記録した500本40%の3P」とも解釈できます。もう片方は「長い間良い3Pシューターとして警戒されながらの500本40%の3P」と言えます。こんな感じでサンプルが計測されたスパン(年月・期間)も判断材料になり得ます。

3つめ、必要最低要件

何と訳すべきが迷ったんですけども、Statistical MinimumsとかStatistic Requirementsと呼ばれるもので「スタッツランキングやリストに載るための条件」の事です。例えば、NBA公式のキャリアPPGランキングは「最低400試合出場もしくはトータル10000得点以上」という必要最低要件を設けています。

NBA公式の各キャリアスタッツリーダー必要最低要件一覧

NBA公式の単一シーズンでの各スタッツリーダー必要最低要件一覧

これも時代と共に変化しています。3P%は以前と比べ必要最低数が増えました。ダーク・ノビツキーは現在の基準ですと50/40/90に届かなかったりします。(2007ダークの3P成功数は72本)

サンプルサイズと同じようなもんで、必要最低要件を少なく設定し過ぎると有意なランキング・リスト・データとは見なしづらくなります。

必要最低要件を設定しなかった場合の今季2024レギュラーシーズン3P%ランキング。

NBA公式の必要最低要件を設定した場合の今季2024レギュラーシーズン3P%ランキング。

それと必ずしも悪い事ではないんですけど、必要最低要件を恣意的に設定する事でプロパガンダも出来ちゃいます。

ミームとしても有名な画像。2000年からタイムスリップしてきたNBAファンは「このサディアス・ヤングって選手はマイケル・ジョーダン級の選手なのか?」と勘違いするかもしれません。
説明するのもメンドイ条件。「ベン・シモンズは年目と2年目で50勝以上を挙げたチームでプレイオフトリプルダブルを2回以上記録したNBA史上初1の選手」。無理矢理「史上初」を作ろうとして胡散臭くなっちゃった例です。そんな褒め方せんでも素晴らしかったのに。

必要最低要件の設定の仕方で見え方がガラリと変わります。何らかのランキングやリストを見る時は気にしておくと良いかと。

とりあえず以上。

まぁNBAを楽しむ上で必須な事でも何でもないですし、ともするとややこしくなるだけなので興味のない方は忘れて下され。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。余談。

以前も書きましたが、プレイオフ期間中は試合を見返す事や余韻に浸る時間が増えたりで、どうしてもタイムリーな事を書く時間は少なくなります。書き溜めに頼ります。

でも書いてはいるんです。元々私は当ブログを始めるずーっと前から試合を観た後にデータサイトやら各記事を読み漁って、分析ごっこをして、メモ帳やパソコンに書き記しておくのが好きでした。

なので、今プレイオフのもの含め面白いデータは常に手元にあるんですけど、なにぶん他人様に見せるための推敲の時間がない。

とは言え、腐らすのも勿体ないのでテキトーに残しておきます。

昨日のSGAのショットチャート。

今日び珍しいガードによる3Pゼロ、ほぼミッドレンジのみでの34得点。マイナス角度からのミッドレンジは「ビューティフル」の一言でした。

今季2024レギュラーシーズン、ミッドレンジ(リムから4feet~22feet)成功数ランキング。%/被アシスト割合その他併記。

今季2024プレイオフ、ミッドレンジ(リムから4feet~22feet)成功数ランキング。以下含め2024/5/14終了時点。

今季2024レギュラーシーズン、ショートミッドレンジ(リムから4feet~14feet)成功数ランキング。

今季2024プレイオフ、ショートミッドレンジ(リムから4feet~14feet)成功数ランキング。

今季2024レギュラーシーズン、ロングミッドレンジ(リムから14feet~22feet)成功数ランキング。

今季2024プレイオフ、ロングミッドレンジ(リムから14feet~22feet)成功数ランキング。

みんなばすけうまい。

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