NBA史上最も僅差の試合を繰り返したチームと圧倒的だったチームランキング。とある選手の二面性その他。
以下は2003以降プレイオフでスウィープとなったシリーズの平均得失点差ランキング(低い順)。
MOV(Margin Of Victory)が得失点差で、その右の列は5点差内決着の試合数。
今季のセルティックス対ペイサーズは4試合中3試合が5点差内決着、内1試合がオーバータイム決着。
勝負事ってのは「最後の紙一重が分厚い」って事がよくあります。「○○さえ決まってれば勝てた」「○○なら勝ってた」といった文言はいたる所で聞かれます。
しかしペイサーズが大健闘したと同時に、セルティックスが最後の紙一重を譲らない強さを見せつけた事もまた事実です。昨季のナゲッツ対レイカーズ(上記ランキング4位)もそうだったように、僅差の試合最終盤にはチャンピオンシップへの可能性が表れている、と言っても過言ではないかもしれません・・・・・
と思ったんですけど、今軽く調べてみたらクラッチ(残り5分5点差以内となった試合)での戦績と優勝との間には然程相関関係はないですね。過言でした。
2023レギュラーシーズン、クラッチゲームでの勝率ランキング。青背景がその年の優勝チーム。
2022。
2021。
2020。
どうしても印書に残りやすいのは試合終盤や直近の出来事です。「第1Qに大活躍して第4Qに調子を落とした選手」と「第1Qは大人しくて第4Qに大活躍した選手」、評価されやすいのは後者です。
「プレイオフ第1戦で大活躍して第7戦で以下略」も同じようなもんです。第7戦で大敗した事で2022サンズとデビン・ブッカーはミーム化しました。
ただシリーズ全体で見ると大量リードの奪い合いで、MOVでは平均1.85と僅差でした。
まぁブッカーは歯に衣着せぬ言動と強気な振る舞いも見せていて、そういった事含めてのエンターテインメントですけども、最近はブッカーが損してる気もしてます。
ブッカーはサンズ低迷期からからサンズを盛り上げ続けた健気な若者で、プレイオフスタッツも現役屈指です。20PPGを越えてTS60%以上を記録しているのはほんの一握りです。
現役対象、プレイオフキャリアPPGランキング。試合数/TS%他併記。以下全て024年5月時点。
ブッカーは多忙の中スペシャルオリンピックスのアンバサダーも務めています。
ヒールやトラッシュトーカーはNBAの彩りの一つです。ただブッカーがそうなってる姿を見ると「悪ぶってますけどホンマはええ子なんですよぉ」って近所のおばちゃん的な心境になっちゃいます。
えらく話が飛んだところで
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
今季2024レギュラーシーズン、MOVランキング。
歴代レギュラーシーズンMOVランキング。
歴代プレイオフMOVランキング。
プレイオフ歴代1位は18.67で1956ミネアポリス・レイカーズ。なんだけど1勝2敗ってどういうこっちゃい。と思って調べてみたら2敗は両方1点差。1勝は58点差。極端過ぎるんじゃい。
最後にもう少し余談。
結論を先に用意してスタッツ調べたり記事を書いたりするのは、確証バイアスや信念バイアス(※)に陥りやすくなるので、基本的には避けるようにしているんですけども、そうすると当然出てくる結論・推論・感想も予測しづらくなるわけでして、結果記事が散漫になったり冗長になったりします。
書いてる本人的にも読み辛くてしゃーないんですが、具体的であろうと思うと避けられない部分もありますんで、ご容赦いただけますと幸いです。
※確証バイアス:自身の仮説や願望を強化する情報だけを支持してしまう心理傾向。
※信念バイアス:結果だけに基づいて、その過程の成否を判断してしまう心理傾向。もしくは、論理的妥当性よりも自身の感想(明確な根拠のないもっともらしさ)に沿って判断をしてしまう心理傾向。