【2for1についての私見】クォーター終了まで残り30数秒。強引にでもシュートを打って2ポゼッション得るべきか。時間を使い、期待値の高いシュートを打つべきか。

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【2for1についての私見】クォーター終了まで残り30数秒。強引にでもシュートを打って2ポゼッション得るべきか。時間を使い、期待値の高いシュートを打つべきか。

始めに“2for1”をご存じない方にざっくり説明しますと、「クォーター終わり(ハーフタイムや試合終了含む)まで残り30~36秒の時間帯に多少強引にでも早めにシュートを打って、相手にポゼッションを与えた後、もう一度攻撃する機会(ポゼッション)を得ようとするショットセレクション」を“2for1”と呼びます。

試合の中で、この“2for1”という選択は「定番」とも言えますから、「そんなの知ってるわい」って方のほうが多いかと存じます。

本記事の主題を書きますと

“2for1”は賢い選択と言えるのか?

って事です。

本記事を書く1つのキッカケになったのは先日のブレイザーズ対レイカーズ戦で、ラッセル・ウェストブルックが放った1点リードかつ試合終了まで残り30秒でのミッドレンジジャンパー↓。

本記事の主題はあくまで「本当に“2for1”は賢い選択と言えるのか?」であって、「ラスがどれだけよろしくない選択をしたか」を論じたいわけではありません。
ですが、件のラスのショットセレクションが前述の通りキッカケになったのと、サンプルケースとして用いるのに都合が良いので今回取り上げました。
記事を書く都合上、否定的な見方が多く、熱烈なラスファンの方や批判的な批評を嫌う方には見るに堪えない表現もあると思われますので、読む方はご留意を。

話を戻しまして。

本当に“2for1”は賢い選択と言えるのか?

始めに結論を言えば「ケースバイケース」です。

んなもんは「時と場合による」に決まっています。

主題をもう少し掘り下げると、

「賢い“2for1”」と「愚かな“2for1”」の違いは何か?

になります。

前述の通り“2for1”は定番な選択であるにもかかわらず、先日のラスのショットセレクション↓は多くの非難の的となりました。他人のせいにするのはフェアでないと思いますので、私もはっきりと言います。ラスの選択は「愚かな“2for1”」だったと私も思います。

「なんで?2for1は定番だし、皆やってる事じゃん」とお思いの方もいるかもしれません。私の脳内にいるイマジナリー・フレンドたち↓もそう言っていました。

なぜラスの2for1は愚かな選択だったのか。私が思う理由をテキトーに箇条書きにしてみました。

・そもそも2for1を狙う場面でない
第3Qまでだったなら兎も角、試合終了まで30秒で1点勝っているんです。勝つために2ポゼッションが必須だったわけではないんです。
ハーフコートで時間をゆっくり使って相手がオフェンスで使える時間を少なくしつつ、質の高い/期待値の高いシュートを狙って、決まれば勝利はより近づきます。外れてもオフェンシブリバウンドが取れる可能性がありますし、リバウンドのもつれで更に時間を浪費させることが出来ます。
しかしあの状況での2for1はつまり、ゴール下に誰もいない状態でオフェンシブリバウンドをとれる可能性のほぼないミッドレンジジャンパーを急いで打って、クラッチプレイヤーであるリラード(絶好調)のいるブレイザーズにたっぷりとオフェンスに使える時間を与えて、僅かな時間のラストポゼッションを得る事でした。
さらに言い換えると、「極めて得点期待値の低い2つのポゼッションと引き換えに、相手へ極めて期待値の高い1つのポゼッションを与えました」(実際の結果は交互にそれ以上のポゼッションが生まれましたが)
上記Kirk Goldsberryのツイートによれば、残り30秒未満、ショットクロック15秒以上、1点リードの状況でジャンプショットによるFGAを記録したのは過去4シーズンで先日のラス1人だけです。

・仮に決まっていたとしても1ポゼッションゲームであることは変わらない
ミッドレンジジャンパーは当然2点。決まっても3点差です。3P1本で追いつかれます。
仮に2for1をするにしても2ポゼッション差になる3P。3Pじゃないにしてもレイアップ、もしくはシュートの得意な選手or当たっている選手orゴートゥガイが期待値の高い2点を狙うべきで、それは残念ながらラスの手から放たれるミッドレンジジャンパーではありません。

・時間が少なすぎる
ラスがシュートを放った瞬間は30秒ギリギリ。ブレイザーズ選手がリバウンドを手にしたのは27,8秒。24秒ショットクロックをギリギリまで使われてシュートを決められたら反撃の時間はほぼないです。

独断専行だった
レブロンやADのリアクションを見れば、それがコンセンサス(チームの総意)の取れていない2for1であった事は容易に見てとれます。確認するまでもないですが。
「独断専行は全てダメ」とは言えません。差し迫った状況も多いバスケでは、一々他人から確認の取れない時も多々あります。
「負けたくない」「少しでも多く貢献したい」、称賛されるべき思い/プロアスリートとして当然の感情もそこにはあったのかもしれません。それでも、あってはならないスタンドプレイだったと思います。あの時あの状況で打つべき選手は明らかに他にいて、どうしても自分が打ちたいのであれば、それは仲間と意思の疎通/確認/連携をとって少しでも勝利への可能性を高めた上でするべきです。“チーム”なんですから。(主題とは直接関係ないですが、個人的にこれが一番眉をひそめたというか悲しくなりました)

わかりやすくするつもりで箇条書きにしましたが逆にわかりづらくなりましたかね?

まぁ書いてる私はそこそこ「2for1についての考え」はまとまってきました。以下はそのまとまり始めた考えをざっくりと。

2ポゼッションを得るためであっても、その2つのポゼッションが極めて得点期待値の低いもので、その2つの合計得点期待値が、相手に与える1ポゼッションの期待値より低ければ、それは「愚かな“2for1”」と言えると思います

少しだけ具体的な状況を書くと
オフェンスに強みを持ってるけれどディフェンスには穴があるチーム、もしくはそういう状態になった相手には、2for1狙ってシュートの下手な選手が穴を突くでもなく急いでプッシュして慌てて打って、そのオフェンスの得意なチームにゆっくり攻める時間を与えて、残り数秒の期待値の低いラストポゼッションを得るのは「愚かな“2for1”」と言えると思います。

逆に

ラストポゼッションにもある程度の時間/得点期待値が見込めて、プルアップ3Pやタフショットの得意な選手が「行ける」と判断して打つような、2つのポゼッションの合計得点期待値が相手の1ポゼッションのものより高そうなものであれば、それは「賢い“2for1”」と言えると思います

少しだけ具体的な状況を書くと
それこそリラードやステフのようなタフ3Pを得意とする選手やノリにノッてる選手が、残り35秒ほど3Pライン近辺でボールを手にしていたなら、多少タフな状況でも打つ方が合計得点期待値は相手よりも高くなる「賢い“2for1”」と言えると思います。

以上。大体こんな感じですかね。

実際は冒頭で述べた通り、もっともーっと「時と場合による」「ケースバイケース」でしょう。選手の状態、得点状況、残りクォーター、コーチからの指示etc.星の数ほどの要素が複雑に絡み合っていて、今回取り上げたラスの2for1にも当然私の知らない要素が山ほど隠されているはずです。
ですから、外から見て“2for1”1つ1つを「賢い」「愚か」と判別するのは至難の業だと思いますが、まぁそれは“2for1”に限った話ではなく全てのプレイに言える話で、さりとて「判別するのは至難の業だから」といってNBAのプレイについて考える/妄想するのをやめてしまうのも、私のような「NBA兼妄想好きな暇人」には難しいのです。

ラスの2for1は見ていて気持ちの良いものではありませんでしたが、私の無駄な知的好奇心を刺激してくれるもので、何より私のボケ防止には大いに役立ってくれました。嫌味でも皮肉でもなく、何かのキッカケを与えてくれることはありがたいと思っています。

サンキュー、ラス。極東の片隅で声を届けられないのは残念ですが、いつも感謝しています。他の選手たちと同じように。

以下、お知らせ。と自分語り。


書き溜めた記事ももう残り僅かなので、今後投稿頻度はめっちゃ落ちます。読んでくれている方、楽しんでくれている方、そうでもない方、皆々様ごめんなさい。
とにかく試合を可能な限り沢山観たい人間ですので、どーしても記事の質と量を維持は出来ませんです。試合を観る以外にも贔屓のチームのコミュニティでワイワイしたり、お気に入りの試合見返しながら「デュフフwww」ってしたり「ニチャア・・」としたりでシーズン中は忙しいのです。
好きだからこそ“義務感”では記事を書きたくないですしね。
というわけで書き溜め分の尽きる2022年10月28日以降の投稿頻度は不定期になります。

追記:2023/2/12現在、何だかんだ毎日1つは記事を上げております。

100%自己満足のために始めたブログではありますが、「他人様の目に映る形で世に出す以上は、例え自己満足の為であっても開き直らず、人の目に触れる事への責任感を持つべきだ」と心掛けて記事を書いております。言い換えれば、皆様の目があるからこそ、私の自己満足を満たす記事が書けております。

昔からモノを書くのは好きですが、やはり他人に見せるつもりでアウトプットするのと、そうでないとでは、インプットの量も考えのまとまり方も随分と違います。

記事を書けば書くほど好きな選手/見たい試合は増え、時間は足りなくなります。

「あと100年くらいは長生きしてぇなぁ・・・」と思う今日この頃。

レブロンもまだ現役かもしれないですし。

今回はこの辺で。ではまた。

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