NBA2023オフシーズン最初の大物トレード。今まで「ノートレード条項」を手にした10選手。渦中の選手の契約詳細&各種指標。サンズの懸念点と見所。
はい。というわけで色々見てみましょう。
まずはブラッドリー・ビールのキャリアスタッツ。
2020と2021シーズンに30PPG超えを記録してます。TS%も57.9%と59.3%で効率も悪くなかったです。
2022からは新HC&ロスターが様変わりして、ウィザーズはボールシェアリングを重視する様なオフェンススタイルになりビールの得点量は減少。怪我もあり2022シーズンは23.2PPGのTS%53.9%と大きく落ち込みました。2023シーズンも23.2PPG、ただTS%は59.3%にまで回復。
BBall Indexによる2023ビール評価を一部抜粋。
非っ常に雑に言いますと「ボールタッチやスコアリングポゼッションの多いIsoスコアラー」です。
ただし、オフボールの動きも決して悪くはありません。自身のスコアリングに繋げるオフボールムーブが殆どですけども。
スコアリングのざっくりとした中身。
そんなビールがサンズに加入とあって、誰しも思う。
「どんな感じにフィットするん?」
まだ開幕まで長い時間がありますが、現段階でのスターター予想は大体こんな感じ↓。
「ディアンドレ・エイトンを手放して“ロスター・ベンチの厚み”を求めるのでは?」といった声もあります。ただ、エイトンを手放しても焼け石に水な気がしないでもないです。
ビール、KD、ブッカーの3人だけで130.4M(エイトンを入れると162.9M。)。2024のタックスラインは162M。この時点でカツカツです。
それにエイトンはプレイオフで株を落としたとは言え、いなくなればサンズのインサイドにとって大打撃です。もしエイトンを手放してある程度の層の厚さを手にしたとしたら、恐らくインテリアディフェンス・リバウンドには大きな穴が出来ます。
その穴はヨキッチ、ヤニス、エンビードらのいる今のNBAでは致命的になり得るかもしれません。
「エイトン+ビッグ3以外の○○」⇔「マイルズ・ターナー+○○」とか「ジャレット・アレン+○○」みたいな「ビッグマン+ロールプレイヤー」なトレードが出来れば理想でしょうけど・・・・・まぁペイサーズもキャバリアーズも絶対Yesとは言いませんし、他チーム見渡しても私には思いつかないです。
ビッグマンが豊富なピストンズを絡めた複数チーム間トレードとか面白いかも?
エイトンがどうなるかは一旦置いておくとして、
超Isoヘビーなラインナップであります。
衰えを見せていたとはいえファシリテーター・P&Rハンドラーとしては未だ優れていたクリス・ポールを放出して、更にIsoスコアラーを足した事は正解となるのか、非常に気になる見所です。
ビール&ブッカーのプレイメイカーとしての更なる飛躍が求められます(クリス・ポール程ではありませんが二人とも元々良いです)。
勿論フランク・ヴォーゲル新HCの手腕も大きな見所です。
フランク・ヴォーゲルHCの見所と言えば、やはりディフェンス。
ビールのディフェンスはあまりよろしくないです。「よろしくない」というか典型的なボリュームスコアラーのディフェンス評価です。
「オンボールでは悪くないが他は・・・」な感じです。
「言われるほどディフェンス悪くない」ってよく言われるボリュームスコアラー(特にガード・ウィング)はこんな感じの評価が多いです。言い方が悪くて恐縮ですが「オフェンスでの負担の多さ故にディフェンスで100%は集中力を維持できないけれど、流石にオンボールディフェンスでは頑張ってます」といった評価。
なるべくスタミナを温存したい都合上、ヘルプ・フィル・リカバー・クローズアウト・戻り・パッシングレーンディフェンスでの運動量は少なくなっちゃうんですね。勿論全員じゃないですし、その是非はケースバイケースで非常に難しいんですけども。
・・・・これやっぱエイトン出さない方が良いんじゃないですかね?
エイトンの上位互換をとれるなら兎も角、スターターのインテリアディフェンス・リバウンドを犠牲に出来るほど魅力的なトレードアセットを他チームが用意するでしょうか?
前述のヨキッチ、ヤニス、エンビードの他にもウェストにはADやサボニスがいて、イーストにはニックスやキャバリアーズのようにリバウンドで強みを持つチームもいます。「エイトンがそのアンサーになる」とまでは言えませんが、やっぱりいてもらった方が良いのは間違いないと思います。ジョック・ランデールやビヨンボの様に安いサラリーでハッスルするビッグマンはいますけど、ベンチからハッスルする事とスターターとしてシーズン通して長い期間・多い出場時間でセンターを務める事とは大きな違いがありますし。
うーん。
結論:わからん。兎に角来季サンズは大注目。楽しみ。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
チームにとっては呪いの装備となってしまった「ノートレード条項」(ざっくり言うと、選手の了承なしにトレード出来ない契約)。
今まで「ノートレード条項」を契約に組み込めたのは10選手のみ。
優勝の中心選手となった後のステフィン・カリーですら「ノートレード条項」を手にしていません。2度のMVPをとった後のヤニスやヨキッチもです。(別に「ノートレード条項」は栄光や信頼の表れってなモノでもないので、ステフらはそもそも求めてなかったって事もあるでしょう)
KDを獲得した時点でわかりきった事ですけど、サンズは超win nowモードです。
ビールの契約。
ついでにクリス・ポールの契約。
んで、早速オッズは変動。
文字通り、皆現金ですな。