【2023NBAファイナル】デンバー・ナゲッツとマイアミ・ヒートのオッズ・勝敗確率の変遷。/「スポーツベッティング」はNBAにとって諸刃の剣?無視してはいけない危険性とお金を賭けない楽しみ方。/カイリー、ビール、バックス、セルティックス、サンズ、ウォリアーズ
昨昨日2023/6/5の2023NBAファイナル第2戦ヒートvsナゲッツ。
今季プレイオフではホームで無敗だったナゲッツを破り、ヒートがまたも“下馬評”を覆しました。
“下馬評”
第三者があれやこれやと行う批評・評判。世間の評判。
-Oxford Languagesより
下馬評・予想・評価は私にとって「何らかの判断基準になる」ということ以上に重要な意味を持ちます。
他人の下馬評・予想・評価を見聞きして「多くの知識・情報が得られる」。これが私にとって重要な事です。「同意出来る出来ない、判断基準になるならない」は然程重要ではないです。
むしろ自分では思いつかない・同意出来ない突飛な評価や予想の方が愛おしいです。新しい観点や試合の見所を生んでくれますからね。
そんな評価の一種に「ベッティングサイトのオッズとデータサイトの予測モデルに基づいた勝敗確率・各種予測」があります。(長いので以下「オッズと予測モデル」とします)
ファイナル第2戦後の各ベッティングサイト優勝オッズ。以下全て2023/6/6時点。
現在1勝1敗のイーブンですが、いずれも「ナゲッツが有利」とするオッズ・予測です。ホームの試合はヒートの方が多いにもかかわらず。
しかし、ファイナル開幕前と比べ明らかに下馬評・評価の差は縮まっています。
以下はファイナル開幕直前のオッズ。
各予測モデルの確率も同じです。(詳しく知りたい方は↓の関連記事へ)
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といった具合に、当ブログでは何度か「オッズと予測モデル」を引用させてもらい記事を書いています。
以下、「スポーツベッティング」についての私見。
私は金銭を伴うギャンブルは極力避けたいタチですので、NBAを賭け事の対象にはしていません。そもそも日本では違法です。
それでも「オッズと予測モデル」を見るのは好きです。新しい観点や試合の見所を生んでくれますし、妄想が広がります。
「オッズと予測モデル」には他の予想記事や評価とは違った特徴もあります。
「バイアス(偏見や先入観など)が少ない」、もしくはそうしようと努めています。
人間である以上バイアスからは逃れられませんし、それが殊更悪い事とも思いません。私にはお気に入りのライター・アナリストが何人もいます。あえて選ぶなら「オッズと予測モデル」よりも好きです。
ただ、ベッティングサイトは人のお金を直接取り扱うサイトなわけでして、そりゃあもうドライなオッズ・予想・記事があるわけですよ。データサイトも無慈悲な数字を叩き出したりするわけですよ。(ベッティングサイトは日本からのアクセスを禁止していて閲覧できないサイトも多いですが、vegasinsider.comやrotowire.comというサイトが各サイトのオッズをまとめてくれていて便利です)
それら数字・予想が妥当か正解かどうかはどうでも良いんです。「多くの知識・情報が得られる」ってのが面白いんです。未知のデータや自身の見解との違いが楽しいです。記事の中には地元で有名らしいベッターのコメントとかも載っていて、「若干胡散臭いな、この人」とか思いつつも、アナリストやビートライターとは全く違った切り口の意見が新鮮に感じます。
日本では違法なので、くれぐれもお金は賭けちゃいけませんけど、ベッティングサイトの記事を読んでいて「マイアミ・ヒートの優勝を信じている人は(今のオッズが一番高いだろうから)できるだけ早くベットする事をおススメする」とか書かれているのを見ると「余計な御世話じゃい!」って笑っちゃうんです。
ちなみに今のヒートの優勝オッズは大体+220です。100ドルかけると220ドルの利益が得られます、日本式(デシマル式)で言うと3.2倍です。
ところが、ポストシーズン開幕直前のヒートの優勝オッズは+21000。310倍、万馬券でした。恐らく海外のヒートファンの中には「もっと早くに信じてやれば良かった」と血涙を流している方もいるでしょう。
対するナゲッツの優勝オッズは現在大体-270です。100ドルの利益を得るのに270ドルのベットが必要になります、日本式で言うと1.37倍。
ナゲッツのポストシーズン開幕直前の優勝オッズは+1100。日本式で言うと21倍。こっちはこっちで高配当、第1シードの割にはかなりの高配当でした。
本記事では優勝オッズを取り上げましたが、他にも選手の個人成績など色々な種類の賭け方・オッズがあります。
私がNBAにハマったキッカケは「試合を観る事」で、今後も「試合を観る事」が最優先なのは変わらないでしょうけど、こういったギャンブルやファンタジースポーツ(選手の現実世界での成績と連動したシミュレーションゲーム)のような楽しみ方も「スポーツの楽しみ方・魅力の一つ」で市場・規模拡大にも貢献しているのだと思います。
凄いぜ!ありがとう!べッティングサイト、万歳!
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・・・・・・・・・と記事を締めてはならない、やっぱり無視してはいけない大きな注意点・負の面がスポーツベッティングにはあります。
まず
1.日本では違法。
しつこいですけど大事な事なので改めて書いておきます。当ブログはオッズの変動やベッティングサイトを楽しむ事はオススメしますが、実際にお金を賭ける事は奨励しません。しちゃダメ、ゼッタイ。
2.選手やチームへの不当なヘイト助長に繋がっている。選手に不快感を与えている。
2023年3月、ブラッドリー・ビールが賭けに負けたファンと口論になり、警察の捜査を受けた事がありました。
口論の詳しい内容は明らかになっていませんし、事の是非はわかりません。
ただ少なくとも言えるのは、そのファンがお金を賭けた事、それに伴って経済的損失を受けた事、ビールには全く責任のない2つの事でビールが罵倒されたという嘆かわしい事実です。
今回はビールの件が表沙汰になりましたが、似たような事はいたる所で起きているでしょう。
カイリー・アービングなど、スポーツベッティングにハッキリと不快感を表明する選手もいます。
オッズを見て腹を立てる選手・チーム関係者もいるでしょう。
3.全く興味ないファンからすると邪魔。悪影響もある。
私はベッティングサイトのオッズや記事を見るのは好きですけどお金は賭けませんし、試合観戦が第一です。試合を観ていると、たまにオッズの情報やCMが挟まったりします。
率直に言って邪魔。
流石に試合中は見たくないです。ベッティングサイトに寛容な私ですら「邪魔」と思うんですから、そうでない方の中には強い不快感を抱く方もいるでしょう。
それに加えギャンブルには中毒性があるので、自制心や人としての成熟度が求められます。しかし、NBAファンの中には未成年も沢山います。本来ならしっかりとした注意喚起・ゾーニングが必要なはずですが、それが十分になされているかは甚だ疑問です。
唐突な自分語り。
↑で「私は金銭を伴うギャンブルは極力避けたいタチ」と書きましたけど、若い頃の一時はお金を賭けた麻雀にハマっていました(時効という事で御目こぼし願いたい)。
幸いな事に、仲間内で打つ程度のハマり方で金銭的な損失も殆どなく、楽しい思い出です。しかし楽しかったからこそ、その中毒性・危険性は十分に窺い知れました。
勝負事に「お金が掛かっている」ってバフをかけると脳味噌がどちゃくそ刺激されます。期間で言えば3年くらい、以降たまに知り合いや仲良くなった人と打っていた程度ですけど、打っている時は寝ずに打ってました。
「俳優兼プロ麻雀師の萩原聖人は元妻の和久井映見や俳優の仕事よりも麻雀を選んだ」なんてジョークもあるくらい麻雀・ギャンブルには魅力があり、同時に危険です。(映画「GO」の警官役での萩原聖人好き)
4.あらぬ憶測を呼ぶ。
試合結果に直接金銭が関わる事によって、八百長や不正な介入を勘ぐる人が増えてしまいます。特にNBAには前科がありますので尚更です(オススメしたくありませんが、気になる方は“Tim Donaghy”でググって下され)。
例え不正な介入がなくとも、そういった勘繰り自体が試合の楽しさや、それに伴った楽しい話題を遠ざけてしまいます。少し話が逸れますが、基本的に当ブログでレフェリングには言及しないのも、その為です。当然私にだって「その判定おかしくない?」と思うことはありますけど、それを記事に書いてしまうと他の楽しい話題や選手・試合の良いところがボヤけちゃいます。
カイリーの言う「ギャンブルやスポーツベッティングは試合の楽しさや純粋性を完全に奪っている」ってヤツですね。
とりあえず以上。
記事を書き終わった今、「今まで無邪気にオッズやベッティングサイトを引用し過ぎたかも」といった自責の念と今後への自戒の念が湧き出てきております。
カイリーの言う「ギャンブルやスポーツベッティングは試合の楽しさや純粋性を完全に奪っている」は一理あると思います。
しかし、私はあくまで「楽しさ・楽しみ方を決めるのはその人自身であるべき」だと考えています。
「試合観戦のみを好む人」、「なかなか試合を観る時間が取れず、ハイライトやスタッツを楽しむ人」、「バスケットの事はよくわからないけれど、そのドラマやコミュニティ内でのやりとりに心惹かれる人」、「スポーツアナリティクスの対象として捉えている人」etc.
どれもNBAファンの姿で、どれもが一人のファンの中に同時に内包しうる姿です。そこには上も下もないですし、正しい正しくないもないと思います。合法・良識の範囲内であればNBAファンはどんな姿でもNBAファンです。
私は今でこそ「試合観てデータサイトも観てファンコミュニティも覗いてブログも書いて…」なNBAファンですが、学生時代や忙しく生きていた頃など時期によってNBAの楽しみ方は全く違っていました。しかし、ただのNBAファンなのはずーっと一緒です。NBAファン歴が長くなって、試合を沢山観るようになって、知識が増えたからってレベルアップしたわけではありません。
「自分が大好きなモノ・NBAの試合をもっと多くの人に楽しんでもらいたい。NBAの試合を賭け事の対象としてだけでなく、スポーツの試合として楽しんでもらいたい」という感情は私にもあります。ただ、やはり「楽しさ・楽しみ方を決めるのはその人自身であるべき」です。
私は私の思うNBAの楽しみ方をして、当ブログでその魅力を発信していますが、そこに強制じみたものがあってはならないと思っていますし、どんな形であれNBAを楽しむ方は等しくNBAファンです。
ギャンブル・スポーツベッティングには間違いなく危険性があります。絶対に無視してはいけない危険性です。前述の通り、スポーツベッティングに嫌悪感のない私でも「なくすべき」「封印すべき」という意見にハッキリとは反論できません。
しかし、私は直接お金は賭けていないまでも、その楽しさを享受しています。ギャンブルやファンタジースポーツ市場の拡大によって生まれた・日の目を見るようになったデータやスタッツを間違いなく楽しんでいます。
ギャンブル・スポーツベッティングが多くの人の「楽しみ」となっているのも間違いなく事実で、多くの人をNBAへ引き寄せているのも事実です。それを簡単に排除したり、蔑視すべきではないとも思います。
まとめますと
スポーツベッティングには中毒性・危険性があり、今以上に厳重な注意喚起やゾーニングが絶対に必要。ただし、多くの人の「合法的な楽しみ」である以上は過度に忌避・排除すべきではない。
こんな感じですかね。
賭博が違法な日本でこんな記事を書いている事自体が不適切と言われれば・・・・・
まぁ・・・・その・・・・・
・・・・・・・
はい。
上手く誤魔化せたところで
今回はこの辺で。ではまた。
余談。
記事を書き終えた後、読み返してみた時、「話逸れたなぁ」と思うことがよくあります。本記事はその最たる例かもしれません。
書く前は漠然と「ヒートとナゲッツの下馬評や期待度の変遷を辿っていく記事を書こう」と思っていたんですけど、「スポーツベッティングについて」がメインになっちゃいました。
しばしば、話したい事・使いたい画像ばかりが先走っちゃって記事が支離滅裂&冗長になっちゃいます。
「いかんな」と思いつつ、「まいっか」とも。
明日からちゃんとします。
ふざけ過ぎたので明日は本当にちゃんとします。ではまた。