【NBA】各チームのバックトゥバックでの勝敗記録、「残り日程の過酷さ」を表す各サイトのSOS、ロードでの勝敗記録から考えるNBA2024。
つい先日、“気の早すぎる「NA2024残り日程の過酷さ」ランキング”と題して記事を書きました。
リーグは全チームのスケジュール(移動距離・バックトゥバックの数など)が平等になるよう努めていますが、シーズン途中の段階ではどうしても差が出ます。つまりシーズン途中の段階では「戦績=強さ」とも言い切れません。現在好調のチームに対して水を差すようで非っ常に恐縮ですが。
シーズン途中での「残り日程の過酷さ」を表すのが、各サイトが公開している“Strength of Schedule”(以下SOS、※)。
※:「これまでの日程の過酷さ」を“Strength of Schedule(SOS)”と表記して、「残り日程の過酷さ」を“Remaining Strength of Schedule(rSOS)”と表記するサイトもありますが、単に“Strength of Schedule(SOS)”と書かれ引用されている場合は大抵「残り日程の過酷さ」を表していると思って問題ないです。詳しくは後述。
で、このSOSって指標は結構な曲者でして。
というのも、サイトによって算出方法に大きな違いがあります。どれも一長一短で、どれが正しいor間違っているってもんでもありませんが、各サイトのSOSの特徴を知っておくと、より“知りたい情報”にアクセスしやすくなります。
まずはNBA TankathonのSOSランキングを見てみましょう(高順位ほど過酷)。以下全て2024/1/3時点。
タフな対戦相手とイージーな対戦相手との残り試合数が記載されていて、視覚的に非常にわかりやすいですよね。私は「各チーム残り試合でどんな対戦相手が残っているのか」をざっと調べたい時によく見ます。わかりやすい分、引用もしやすいです。
しかし、NBA TankathonのSOSは「残り対戦相手の勝率のみ」によって算出されていて「バックトゥバック(二日連続での)試合数」「ホームorロード割合」などは考慮されていません。恐れながら言わせてもらいますと、NBA TankathonのSOSは額面取り「残り日程の過酷さ」を表しているとは思っていません。あくまで「残り対戦相手の勝率の高さ」を表しているってだけです。(勿論これはこれでドキドキワクワクしたりできますから有用ですし御世話になっております)
「“残り日程の過酷さ”と“残り対戦相手の勝率の高さ”はほぼ同義でしょ?」と御思いの方もいるかもしれませんが、これがまた結構複雑でして、同じ勝率の高いチームでも「ロードやバックトゥバックでは主力を休ませがちで著しく勝率が悪くなる」ってチームもいます。そうでもないチームもいます。そこにも各チーム差があるんです。
今季2024、2024/1/3時点でのバックトゥバック試合数・勝敗数・勝率。
「ホームorロードで勝率に極端な違いがあるチーム」もいます。
2024/1/3時点でのホーム&ロード勝敗数。
「バックトゥバックか否か。ホームorロードか」でもチームの出来は左右されがちです。基本的にはバックトゥバックやロードの方が主力を休ませがちで勝率は落ちます。バックトゥバックの試合では「チーム全体から疲労感・温存の意図が露骨に見てとれる」ケースも珍しくありません。
チームの出来に影響を及ぼすバックトゥバック・ホームorロード・移動距離・休養日差なども考慮に入れてるのはPositive ResidualのSOSです。Positive ResidualのSOSは他と比べると複雑ですので詳しく知りたい方はこちらリンク先へ
Positive ResidualのSOSランキング(左上ほど過酷)
ブレイザーズ、サンズ、バックスあたりはPositive ResidualとNBA Tankathon両方のSOSで「残り日程が過酷」とされております。一方ジャズやホークスには両サイトで大きな差があるなど、各サイトのSOS・切り口によって「残り日程の過酷さ」にも違いが出てきます。
ぶっちゃけて言いますと、SOSは最近ホントに色々なサイトが出してますんで、贔屓のチームを慰め励ましてくれるSOSを選んで信用するのが精神衛生上よろしいかと思います。“NBA Strength of Schedule”で検索すればいくらでも引っかかります。
更にぶっちゃけて言いますと、私は各サイトのSOSを楽しんではいますがアテにはしてないです。というか、BBRなりで各チームの残り日程を直接見た方が結局早いしわかりやすいです。
更に更にぶっちゃけて言いますと、ウルブズはPositive ResidualのSOSで28位、NBA TankathonのSOSで27位。両方のSOSで「ウルブズの残り日程は比較的楽」とされてますけど・・・・・
とてもそうは思えませぬ。
ウルブズの2月以降スケジュール。
シーズン後半にバックトゥバックがエゲつなく集中しております。ナゲッツとの試合が3試合(内2試合がロード)。OKC、バックスとは2試合。現在急上昇中のクリッパーズとも4試合まるまる残っています・・・・・・何が楽だと言うのか。
SOSは残り対戦相手の勝率をまとめて考慮する都合上、ピストンズとスパーズとウィザーズの圧倒的ワースト勝率3チームとの試合を複数残している事がウルブズのSOSの見栄えを良くしてしまっているんでしょうか。ウルブズは当然ウルブズとは対戦しませんし。
うーん、それでもまだ不思議。NBA Tankathonは兎も角、Positive ResidualのSOSも低いのは何故なんでしょ?
・・・・・・・とまぁこんな感じで、SOSは気にし過ぎると抜け毛が増えます故、ほどほどに楽しむのが一番です。
読み返すと、勝手にSOSを紹介して勝手にイチャモンつけて勝手に悩んでる支離滅裂この上ない記事ですが
今回はこの辺で。ではまた。
余談。
本記事中で「贔屓のチームを慰め励ましてくれるSOSを選んで信用するのが精神衛生上よろしいかと思います」と述べましたが、様々なデータに似たような事が言えます。
勝敗表にも色々と種類があります。各カンファレンス・ディビジョン毎の勝敗表、勝率5割以上or以下のチームを相手にした時の勝敗表、3点差内で決着がついた時の勝敗表などなど。
ESPNの順位表ページには各種勝敗表が揃ってますんで、お好みの数字をポジティブに捉えて、浮き沈みのある長きシーズンを乗り越えるが吉です。「トータルでの戦績は悪くとも接戦はよくモノにしている」とか「少ない勝ち数の中、大勝する割合は高いからポテンシャルは高い」とか「ロードや逆境には強い」とか何でも。
当ブログでは
あらゆるスタッツ/指標はコンテキストが大事で、多角的に用いることが求められます。
ってのを心掛けて記事を書いておりますが、そんな私も落ち込んだ時は無理矢理にでもポジティブなデータを見つけ出して、ひっそりと自分を励ましております。