【NBA】スタッツ・指標が少なく評価の難しい“オフボールムーブメント”。その数少ないスタッツ・指標で優れているのはどの選手どのチーム?オフスクリーン&カッティング他ランキング。対をなす(?)Iso&Spot upランキング。/ウォリアーズ、デンバー・ナゲッツ

目次

【NBA】スタッツ・指標が少なく評価の難しい“オフボールムーブメント”。その数少ないスタッツ・指標で優れているのはどの選手どのチーム?オフスクリーン&カッティング他ランキング。対をなす(?)Iso&Spot upランキング。

バスケは1チーム5人いて、ボールを持てるのは1人だけ。つまり5人中4人はオフボール。ディフェンス側の4人も合わせて8人は大体“オフボールムーブ”をしています。

ところが、現状この“オフボールムーブメント”を評価するスタッツ・指標・物差しは非常に少ないです。めっちゃ大事なのに。試合において半数以上の人間が半分以上の時間をオフボールで過ごしているのに。

しかも“オフボールムーブメント”って言葉自体が漠然としていて曖昧。

“オフボールムーブメント”は文字通り“オフボール時の動き”を総称している言葉です。

しかし、その中身は非常に複雑かつ多岐に渡ります。スクリーニング、カッティング、ポジショニング、シーリング、スクリーンナビゲーション、ボックスアウト、スタンス等々。

それぞれがさらに細分化もされ、複数人の動きが組み合わさった“オフボールムーブ”も沢山あります。

2023優勝のナゲッツと2022優勝&王朝を築いたウォリアーズは現体制となってからはIsoや1on1やSpot up(動かずにパスをもらって打つキャッチ&シュート)が少なく、オフボールムーブとアシストの多いチームですが、「誰が、どういった動きで、どの程度の頻度で動いていたか」はイマイチ曖昧なままです。

2023レギュラーシーズン、100ポゼッションあたりでのチームアシスト数ランキング。

ナゲッツが1位、2位ウォリアーズ。
ナゲッツはヨキッチが本格的にオフェンスの中心となり始めた2017シーズンから順に3位、5位、2位、1位、2位、1位、1位。
ウォリアーズはステフがMVPをとった2015シーズンから順に1位、1位、1位、1位、1位、8位(ステフがほぼ全休となった2020シーズン)、5位、4位、2位。

2023レギュラーシーズン、カッティングでのポゼッション割合(高い順)。

近年は両チーム大体TOP5入りしてます。
ウォリアーズは代々オフボールスクリーンからのキャッチ&シュートが段違いに多いのも特徴です。
ナゲッツは大抵のプレイタイプでPPP(1ポゼあたりでの得点数)が高いのが目立ちます。

Isoのポゼッション割合(低い順)。

Spot upのポゼッション割合(低い順)

オフボールムーブに関するスタッツ・指標も一応あるにはあるんですけど、まだまだオンボールに比べ少ないです。オフボールでの動きは数値化が難しいので致し方ないとは思いますが、この際多少曖昧な計測方法でも良いのでもっと沢山の種類のオフボールスタッツが欲しいです。

「オフボールディフェンス時に何回バックドアカットを決められてしまったか、逆に何回阻止したか」とか「ダイブカット等でディフェンスを引きつけ、何回オープンスペースを作ったか」とか「シーリングでハンドラーがリムへ到達するためのレーンや角度を何回作ってあげたか」とかとか

贅沢言わないので

アーロン・ゴードンとスティーブン・アダムズにもっと脚光を浴びさせるためのスタッツを100個くらい作って下さい。

つまり本記事はただの“ないものねだり”、愚痴です。ごめんなさい。

それだけじゃああんまりなのでテキトーにランキングをば。

2023レギュラーシーズン、75ポゼッションあたりでオフボールスクリーンを沢山使った選手ランキング。1000分以上出場選手対象。

1位クレイ・トンプソンが6.43、2位ボヤン・ボグダノビッチは3.50、3位ラウリ・マルッカネンは3.39。TOP13内にウォリアーズからクレイ、ステフ、プールの3選手。
横軸はオフボールムーブからのシュートの上手さを表した指標です。
2022プレイオフでは史上初同チーム内3人同時に50以上の3Pを成功させました。まさしく「スプラッシュトリオ」でした。
好きな写真。やっぱり寂しい。

2023レギュラーシーズン、カッティングでのPPP(1ポゼッションあたりでの得点)ランキング。58試合以上、1試合平均1.0ポゼッション以上のカッティングをしている選手対象。

2023シーズン、おいそれとは口にできない苦労も重なったMPJの成長には特に胸が熱くなります。以前その姿勢を疑った自分をぶん殴りたい。

1試合平均2.0ポゼッション以上のカッティングをしている選手を対象にするとこうなります↓。

アーロン・ゴードンが1位、ヨキッチが3位。

2年前2021シーズン、ナゲッツへ加入した少し後のアーロン・ゴードンのコメント。
要約すると「ヨキッチは僕のバスケットボールIQを高めてくれるし、相性もどんどん良くなっていく。対戦相手は僕らに対する答えを用意しなきゃいけなくなると思う」

NBAの時の流れは早いです。来季はIso偏重なチームが優勝するかもしれません。

2023レギュラーシーズン、チームと選手の1試合平均Iso回数ランキング。

来季ルカ・ドンチッチ&マーベリックスがどうなるかは非常に楽しみ。ドンチッチとカイリーは“Your Turn My Turn”ではなくなるのか、Isoでの負担を減らしオフボールやディフェンスでの動きを増やすのか、あくまでドンチッチのIsoに重きを置くのか等々。

Iso偏重・ヘリオセントリックなオフェンスは「チームケミストリーや成長が生まれづらい」とか「ボールムーブメントが少ない」とか「○○はボール持ち過ぎ」とか「プレイオフで対策をされやすい」とか言われがちで「悪いオフェンス」とも見られがちですけど、そういった声をブチ破りながらドンチッチがIsoしまくって優勝したらそれはそれで超面白いと思うんですよね。

ドンチッチからはそれを成し得るだけの才能・ロマンを感じます。

レアル・マドリード時代。さわやか。
さわやか・・・・・かどうかは知りませんが、とりあえず楽しそうで何よりです。好き。

ウォリアーズは「3P頼みのチームは勝てない」言われてましたし、ナゲッツも「ディフェンスが良くないチームは勝てない」言われてましたし。(個人的に両チームへのその評価自体が正しいとは思いませんでしたけども)。

まぁバスケは様々な要素が絡み合っていて、一概に「○○では勝てない」「優勝には○○が必要」云々てモンでもないでしょう。

また話が脱線しそうなので

今回はこの辺で。ではまた。

  • URLをコピーしました!
目次