【NBA】「1勝3敗からの逆転確率」と「2024プレイオフこれまでのランキング」と「マジック・ペイサーズ・ナゲッツへの雑感」他。/ニックス、シクサーズ、ウルブズ、サンズ、クリッパーズ、マーベリックス、バックス、ヨキッチ、エンビード、ブランソン、ドンチッチ

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【NBA】「1勝3敗からの逆転確率」と「2024プレイオフこれまでのランキング色々」と「マジック・ペイサーズ・ナゲッツへの雑感」他。/ニックス、シクサーズ、ウルブズ、サンズ、クリッパーズ、マーベリックス、バックス、ヨキッチ、エンビード、ブランソン、ドンチッチ

昨日2024/4/28の試合結果。

マジック対キャバリアーズ。マジックが2連敗からの2連勝でシリーズをタイに。リーグ平均得点が114.2点・OffRtgが115.3の現代NBAでは珍しく、双方相手を90点未満に抑えての勝利が続いています。

2020シーズン以降のリーグ平均スタッツ一覧。

マジックには珍しい事がもう一つ。プレイオフに入ってもそこまでスターターの出場時間が増えていません。ガベージタイムを考慮しても少ないです。

マジックはレギュラーシーズン中からDefRtgの良いチームですが、元々怪我人などでローテーションの安定しないチームでした。

レギュラーシーズン中マジックのポゼッション数が多かったラインナップ一覧。

レギュラーシーズン中マジックのローテーション図。

レギュラーシーズン中ベンチスタートが主だったジョナサン・アイザックがプレイオフ初戦と第2戦ではスターターを務めるも、第3戦からは元のウェンデル・カーターJrに戻しました。

かといってジョナサン・アイザックが見限られたわけでは決してなく、スターターorベンチ皆分け隔てなく躍動しております。

2024プレイオフこれまでのマジック選手平均出場時間とPPG。以下全て2024/4/28終了時点。

レギュラーシーズン中頑張って穴を埋めていたアンソニー・ブラックとゴガ・ビターゼが殆ど見れないのは少し寂しい。

「ローテーションの安定しないチーム」と書きましたが、「ローテーションに柔軟性のあるチーム」と書くべきでしたね。

次の話題。

ナゲッツ対レイカーズはレイカーズが勝利。

所謂“Wire to wire“(終始リードを保ったまま)での勝利。これまでの試合展開からレイカーズファンの方は最後まで安心出来なかったでしょう。

シリーズを1勝3敗としました。

個人的にドラマのある展開だと感じます。

1勝3敗から逆転したチームは今まで13例。僅か4.6%。逆に言うと、いまだナゲッツが95.4%で歴史的に超優勢。

しかし、他ならぬナゲッツが1勝3敗から大逆転を果たしたチームです。2020プレイオフで二度も。

そして、レブロン・ジェームズは2016キャバリアーズで史上唯一NBAファイナルで1勝3敗からの逆転を果たした選手です。

1勝3敗から逆転したチームリスト。

どうなる事やら。

で、これまでの試合を観ていて気になった事とソレに関係するプレイオフデータをいくつか。

まず「3Pの入らなさ」は気になります。

元々3Pはバラツキの出やすいシュートで、プレイオフではディフェンスも厳しくなりますから、低調なチームがいる事自体は不自然ではありません。

今季2024プレイオフ3P%ワーストランキング。

ただ、こうもオープン3Pが外れまくるのは珍しいです。で、外してるチームが勝ててるのも珍しいです。

例1.今プレイオフでのペイサーズのディフェンダーとの距離毎のFG%。

殆どがワイドオープン3Pにもかかわらずペイサーズの3P%は30.1%。レギュラーシーズン中のワイドオープン3P%は40.1%で、今プレイオフでは30.8%。

例2.今プレイオフでのナゲッツのディフェンダーとの距離毎のFG%。

ナゲッツに至っては何故かオープンになっていくほど悪化。オープン3Pが27.3%。ワイドオープンは25.3%。
勝敗は3Pだけで決まるわけじゃないですし、元々ナゲッツは3Pへの依存度が低めのチームですけど、よう勝ち越してますね。

少し意地悪に取り上げますと、ペイサーズはアーロン・ネスミスとタイリース・ハリバートンが絶不調、ナゲッツはジャマール・マレーが絶不調です・・・・・

・・・・・その3人とも超クラッチショットは決めてるってのがまた不思議。

今季2024プレイオフペイサーズの3P%ランキング。

ネスミスとハリバートンはともに5/22で22.7%。

今季2024プレイオフナゲッツの3P%ランキング。

マレーは5/24で20.8%。

ついでに今プレイオフ全チームの3PA試投数15本以上選手対象3P%ランキング。

3Pの上手いジョシュ・ハートとかMVPと言って過言ではない(過言です)。

最後にもう一つ気になる事。

ヨキッチのUSG%(※)はいつ上がるのか。

※:ざっくり言うと、「その選手がコートにいる時にシュートを打つorターンオーバーする割合」。
よく「使用率」と訳されたり、「負担の多さを表している」と説明されてるのを見かけますが(私も面倒な時はそうします)、語弊があります。
下記計算式を見ればわかる通り、USG%はあくまでFGA/FTA/TOVをする頻度にだけ焦点を当てたスタッツです。
なので、キャリア後期クリス・ポールのようなファシリテーター(パサー寄りのプレイメイカー)はプレイへの関与率(使用率)や負担が大きくともUSG%は少なくなります。2022シーズンで言うとクリス・ポールのUSG%は僅か19.7%でリーグ98位、同チーム内でもジャベール・マギーやキャム・ペイン以下でした。

「USG%はあくまでスコアリングの頻度に焦点を当てたスタッツで、低くとも多くの負担を背負っている選手は沢山いる」と思っておくと吉です。

計算式。
100*((Player’s Field Goal Attempts)+0.44*(Player’s Free Throw Attempts)+(Player’s Turnovers))*(Team’s Total Minutes)
/
((Team’s Total Field Goal Attempts)+0.44*(Team’s Total Free Throw Attempts)+Team’s Total Turnovers))*5*(Player’s Minutes)

ヨキッチの今プレイオフこれまでのUSG%はたったの24.2%。全スターター中27番目でしかありません。

今季2024プレイオフUSG%ランキング。スターター対象。

持ち前の上手さ・効率の良さでPPGランキングこそ6位ですが、明らかに周りを、特にマレーに打たせようとする姿勢が目につきます。ヨキッチだけでなくチーム全体でそうしています。マレーのUSG%は29.4%、ヨキッチよりも5%も多いです。

今季2024プレイオフPPGランキング。

今季2024プレイオフでのナゲッツのUSG%ランキング。

元々ヨキッチは他スーパースターと比べUSG%の低い選手です。ヨキッチは「いかなる状況↓」でもオープンマンを見つけて喜んでパスを出せる選手だからこそ、他チームメイトたちはオフボールでもオンボールでも積極的になれるんだと思います。

「いかなる状況」の一例。
凄いと言うより笑いました。
ただこんだけ不意を突かれてから瞬時に切り替えられるのは真面目に凄いです。

ヨキッチがレギュラーシーズンで30%を超えたのはマレーとMPJ(9試合のみ出場)のいなかった2022シーズンだけ。

レギュラーシーズンでのヨキッチのUSG%(右端)他。

しかし、例年プレイオフではUSG%が上がっていました。プレイオフでは基本的にディフェンスが厳しくなり(オープンになる機会が減る)、タフショットを余儀なくされる事が増える(得意な自分が行かざるを得ない場面が増える)わけですから当然と言えば当然です。

プレイオフでのヨキッチのUSG%他。

2020以降はプレイオフになるとUSG%を上昇させていましたが、2024プレイオフこれまでは大幅下降。

恐縮ですが、レイカーズディフェンスに苦戦しているかと言えば、そういうわけでもありません。アンソニー・デイビスのディフェンスは超エリートでヨキッチを困らせてはいても、止めているわけではないです。

ヨキッチの優秀な部分・止められない部分には「ポストアップや1on1以外でも得点パターンが豊富な事」も含まれます。スイッチを強制させたり、2メンゲームに巻き込んだりで、相手エリートディフェンダーの影響を減らすのが巧みで、今シリーズでもそういったプレイが多くあっての29.0PPG,TS69.1%です。・・・・・何故もっと自分で行かないのか?

やっぱり優勝だけを見据えていて、そのためにマレー始めチームメイトの復調・プレイ関与を促す事を優先しているんだと思います。特にマレーはレギュラーシーズン最終盤に怪我がありましたし、マレーがACL断裂から復帰した昨季2023最序盤も同じような感じでした。

昨季2023レギュラーシーズン開幕7試合でのナゲッツ選手USG%ランキング。

ヨキッチは復帰したばかりのマレー、MPJよりも低いUSG%でした。開幕前のメディアデーインタビューで既にそうするつもりのコメントをしていました。動画へのリンク

問題は

負けちゃったら元も子もない

って事ですね。

プレイオフは油断して良い場所じゃないはずですから。まして相手はレブロンやADらがいるチームなわけですから。

勢いに任せて書きすぎましたが

今回はこの辺で。ではまた。

余談。いつにもましてチラ裏的な内容なのでご留意を。

再三言いますがナゲッツのギアの上げ下げは本当に不思議です。基準・タイミングが全くわかりません。

超大一番のはずの昨季2023NBAファイナル第2戦でも、素人目で見てケアレスに思える試合をして、「うーん、これもある程度意図的な温存なのかなぁ?」と思いきや、試合後マイケル・マローンHCにめちゃめちゃ怒られてました。

試合後記者会見で「“努力”について話そうか。ここNBAファイナルで“努力”についてだ」等と大層ご立腹。ヨキッチやマレー自身も“discipline”「規律」の欠如を問題視していました。

今季2024レギュラーシーズン最終盤でもスパーズを相手に23点差をひっくり返され第1シードを逃す事に。「いや温存とかじゃなく、そこは絶対気ぃ抜いちゃあいけない試合なのでは?」とビックリしました。

レイカーズ戦とは逆に最後の最後にひっくり返されての敗戦。ある意味この試合のせいでレイカーズはナゲッツと当たる事に。もし敗退したらレイカーズはスパーズを恨みましょう(冗談です)。

兎に角わからない。

「チーム内での規律の保ち方」と言うか何と言うか。強い時のラプターズとかヒートとかウォリアーズは他と比べそういった規律が試合・シーズン通して徹底されてた印象ですけど、ナゲッツは不規則すぎます。

自慢するわけじゃないですけど私はヒマ人なので、よくナゲッツの試合を見返します。でも全くわからない。「他のチームの事はわかってる」ってわけでも決してないですけど、特にナゲッツはもう全く不思議。

漠然とした事ならいくらでも言えます。でも「ヨキッチのデシジョンメイキング」だったり「各選手へのグリーンライトの与え方」だったりは予測不可能。それでいてクラッチ。そりゃ観てて飽きないですよ。

シンプルに「上手い」とか「凄い」とは違った感想が出てくる事が多いです。「なんで?何故それが上手くいくの?なんでそのパス選んだの?」とかですね。

3/4コートからのインバンズプレイでワンハンドでのロブパスを選択する意味がわかりません。ディフェンスの油断はあったにしても責められません、あの状況でロブを警戒するディフェンダーはいません。成功させる事も勿論超凄いんですけど、その意思決定がもう笑っちゃいます。

明日の第5戦どうなるんでしょう?流石に緊急性を持ってシュート頻度を増やすんでしょうか?あくまで周りに打たすんでしょうか?温存するんでしょうか?

今季2024プレイオフ、1試合平均タッチ数ランキング。

今季2024プレイオフ、1試合平均パス成功数ランキング。

今季2024プレイオフ、1試合平均スクリーンアシスト数ランキング。

こんだけボールタッチ・パス・スクリーンはしてるわけですから、「体力温存」とか「消極的」とはまた違うんでしょうね。

うーん、やっぱり雑に言うと「チームメイトのシュートタッチ他の向上を促してる」って事になりますかね。

具体的な事はインタビュー・記者会見で明かしてくれませんし、結局は「つべこべ言わず試合観ろ」に尽きますね。

最近忙しくて推敲する時間がなく、雑念垂れ流しのような記事で申し訳ない。では。

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