プレイオフ各ラウンド毎の1勝0敗チームの勝利確率。現代NBAチーム最多&最少アシスト試合ランキング。ポテンシャルアシストとスクリーンナビゲイションと他色々。
昨日2024/6/7の試合結果。
セルティックスがホームで先勝。
雑感をば。
目立ったのはマーベリックスのアシストの少なさ。僅か9つ。1997シーズン以降プレイオフで10番目に少ない数です。
1997以降プレイオフ、チームアシスト数ワーストランキング。以下全て2024/6/7時点。
多かった試合はこんな感じ↓。
ルカ・ドンチッチは徹底して得意のビッグマン(アル・ホーフォードやクリスタプス・ポルジンギス)をハントしていましたが、セルティックスは最後まで落ち着いてましたね。
ドンチッチのマッチアップ相手毎のスタッツ。
ドンチッチのアシストは1つのみ。チームメイトがドンチッチのパスからのワイドオープンショットをいくつかミスしてしまった事も一因ではありますが、ポテンシャルアシスト(打った選手が決めればアシストになっていたパス)も7つ程度ですから、やはりセルティックスのスクリーンナビゲイション(※記事末尾に後述)、ローテーションの巧みさ、ロブへの警戒を褒めるべきでしょう。
昨日の試合でのマーベリックス選手たちのアシスト系スタッツ一覧。ポテンシャルアシスト数順。
ついでに今季レギュラーシーズン、平均ポテンシャルアシスト数ランキング。58試合以上出場選手対象。
今季プレイオフ、平均ポテンシャルアシスト数ランキング。
ドンチッチはステップバック3やタフショットメイキングに関しては流石の一言で、29点ビハインドを8点にまで縮めましたが、セルティックスはタイムアウト直後に14-0のラン。第4Qには再びリードを25点差にまで広げ試合を決定づけました。お見事。
大差はついたものの、クリスタプス・ポルジンギスの帰還後早速の攻守大活躍。サム・ハウザーのノーディップ3P等々、盛り上がるのに事欠かない試合でした。マーベリックスはカムバックの大得意なチームなのであらゆる試合展開でドキドキできるのも良いですね。
NBAファイナルで先勝したチームがシリーズを制した確率は70.1%(54勝23敗)。
もう一度言います。マーベリックスはカムバックが大得意。それは1試合の中でもそうですし
プレイオフシリーズ全体でもそうです。ドンチッチ加入以降マブスは0勝1敗スタートのシリーズを4度も勝ち抜いています(2022対ジャズ、2022対サンズ、2024対クリッパーズ、2024対OKC)。
是非第7戦までやって頂きたく。両チームのアジャストメント合戦に期待です。
今回はこの辺で。ではまた。
※:screen navigation。スクリーンナビゲイションは大雑把に言うと「相手スクリーンへの対応」を指します。
NBAは以前よりもスクリーンを用いたオフェンスが増えています。アイソレーションをやるにしても、その前にスクリーンを呼んで得意な相手へとスイッチを強制させてからってパターンが多いです。
ドンチッチの場合で言うと、大抵ビッグマンを呼んでペリメーターで翻弄してからステップバックを打つなり、ペイントへ侵入してロブを放るなりします。
そういった事を好きにやらせないためにスクリーンナビゲイションは超大事になります。
ドリュー・ホリデーらセルティックスのペリメーターディフェンダーたち(昨季までいたマーカス・スマート含む)はこのスクリーンナビゲイションが非常にお上手なので、不利になるスイッチは簡単にしない、スイッチする時はスムーズに、ファイトオーバーする時はスクリーンに当たり負けせずしつこくチェイスする、スイッチを強制させられるにしてもギャップやオープンスペースはあまり与えずにすんでいます。
逆に優秀な1on1ディフェンダーでもスクリーンナビゲイションに長けていないと簡単に無効化されますし、華奢な選手だとスクリーンでバランス崩してしまってオープンスペースやリムへのフリーパスを与えてしまいます。優れたヘルプディフェンダーのヘルプが間に合わなくなったりもします。大きな声では言えませんが今季バックスはその一例とも言えます。
ハーフコートでの攻防が増えるプレイオフでは更に必要となる非常に重要な能力なんですけども、現状極めて数値化の難しい能力の一つでもあります。どなたかはよイイ感じの指標考案したって下され。
もう一つ余談。
この試合でセルティックスの選手たちは先日亡くなられたビル・ウォルトンへの追悼シャツを着用。
めちゃめちゃ良いデザイン。ロックバンド、グレイトフル・デッドの大ファンだったウォルトンはそういったモチーフ(サイケデリックな感じ)の服を好んでいました。黒ベースでの哀悼の意とウォルトンのパーソナリティがよく表れている良デザインです。買います。
ピンバッジも配られたそうで。
メンバーのミッキー・ハート(写真右)は「彼の我々の音楽への愛情は言葉では言い表せないほどだった。彼はよく自分を世界一幸運な男と呼んでいたが、幸運だったのは彼と知り合い冒険を分かち合えた僕らの方だ」と述べ、ビル・クロイツマンも「彼はNBAの“レジェンド”だが、ここでは“ただのファン”だった。それこそが彼をここでも“レジェンド”にしていた。僕らの世界一のファンだったはずだけど、彼自身は同意しなかったんだ。彼は『競争じゃない。全てのファンは平等さ』と言っていたよ」とウォルトンを偲びました。
やっぱ凄い。