NBA’23のベストコンビ、2者間でのアシスト数ランキング。リム近辺へのアシストが多いのは?3Pへのアシストが多いのは?/ハリバートン、ハーデン、ヨキッチ、ドンチッチetc.

目次

NBA’23のベストコンビ、2者間でのアシスト数ランキング。リム近辺へのアシストが多いのは?3Pへのアシストが多いのは?/ハリバートン、ハーデン、ヨキッチ、ドンチッチetc.

NBA University、Steven Adams Statsから。

アシスト中リム近辺へのアシスト割合。センター登録選手対象。2023/1/15時点。

https://twitter.com/NBA_University/status/1614362485846310912

見る前から結果はわかっている方が殆どでしょうが、いざ具体的な数字で見るとやはり恐ろしい数字。ヨキッチは1試合あたり5本以上の「リム近辺へのアシスト」を決めています。今季368本中200本がAt Rim「リム近辺へのアシスト」です。例年と比べてもハイペース。「全アシスト中リム近辺へのアシスト率」で言うと54.3%になります。2023/1/15時点。

ヨキッチ含めスターター皆3P%37%超え他高確率3Pシューター揃いでスペーシング充分&アーロン・ゴードン、ブルース・ブラウン他超優秀なカッターも充分。そこにヨキッチの見逃さないコートビジョンとパッシングアビリティが加わって(というかそれが前提)の数字。素晴らしいし、観ていて楽しいです。

3Pライン外へのアシストは得点的には1.5倍の価値がありますが、期待値的にはリム近辺へのアシストに劣る、というか3Pを打つ選手の技量に大きく依存します(色々と複雑で、どちらのアシストがより価値が高いかはケースバイケースです)。

リム近辺へのアシスト/パスの優位な点は「ファウル・フリースローをもらいやすい」という事もあります。
元コーチ現解説者のジェフ・バンガンディがたまに「フリースローを誘発したパスはアシストとしてカウントするべき」旨の発言をしていますが、そうすべきかは兎も角、大事かつ大きな貢献であることは間違いありません。ファウルがかさめば相手は強度のあるディフェンスをしづらくもなります

上記ツイートはセンター登録選手のみですが、他APGリーダーたちと比べてもヨキッチの「リム近辺へのアシスト率」は高い数字です。

念のために書いておきますが、以下の選手に「実はさほどパスが上手くない」とか「ヨキッチの方が凄いんだぜ」とか言いたいんじゃあないです。「アシストにも色々種類があって、そこからプレイスタイルやチームスタイルが窺えて面白いです」って事を言いたいんです。

タイリース・ハリバートン。2023/1/15時点。

ハリバートンの「全アシスト中リム近辺へのアシスト率」は40.6%。バディ・ヒールドという苦楽を共にした頼れる相方もいて、3Pへのアシストが多く、その分Assist Pts(その選手のアシストによってクリエイトされた得点数)も非常に多い。素晴らしいです。

ジェームズ・ハーデン。2023/1/15時点。

ハーデンはキャリアが長く見辛くなったので、見やすいように’23シーズン成績を一番上にしてます。

ハーデンの「全アシスト中ゴール下へのアシスト率」は43.1%。ハーデンはロケッツにいた頃はリム近辺へのアシストというかクリント・カペラ他へのロブも多かったんですけど、現在はジョエル・エンビードという超優秀なスコアラーへのアシスト、ショートロールへのアシストが増えました。チームメイトによって姿を変えられる柔軟性が素晴らしいです。ポケットパスも相変わらずお見事。

ちなみにハリバートン&ヒールドとハーデン&エンビードのコンビは、二者間でのアシスト数が1位と2位です。2023/1/15時点。

欠場数を鑑みると尚更驚異的な数字。ハリバートンの万全な状態での復帰、皆の今後の健康を願っております。

ふたりはズッ友!

NBAにおける「ズッ友」の例。

話を元に戻しまして。

トレイ・ヤング。2023/1/15時点。

ヤングの「全アシスト中リム近辺へのアシスト率」は56.0%。
8.0APG以上選手の中で唯一ヨキッチよりも高い数字です。ジョン・コリンズ、クリント・カペラ、オニエカ・オコングら優秀なリムローラー/ロブレシーバーとヤングのパッシングアビリティが結びついての結果でしょうか。ホークスもチーム改造の噂が絶えませんが、勿体なくも感じちゃいます。

ルカ・ドンチッチ。2023/1/15時点。

ドンチッチの「全アシスト中リム近辺へのアシスト率」は42.3%。
「リム近辺へのアシスト数」は兎も角、アシスト全体の数字はもうちょっと伸びて然るべき、と言いますか、もう少しレジー・ブロック、マキシ・クリバー、ドリアン・フィニ―・スミスらに怪我を治す&調子を取り戻して頂きたい、と言いますか。
スペンサー・ディンウィディー、クリスチャン・ウッドの3P%は40%近くあって、チーム全体で見てもそこまで悪いわけではないんですけどね(リーグ15位)。ドンチッチのパスはワイドオープンを作り、目を引くものが多いですから、その分シューターがミスした時の落胆も凄まじいです。


アシストはリバウンドと同じく、解釈の難しい複雑なスタッツでもありますが、やはりリバウンドと同じく、「妄想の膨らむ自由なスタッツ」でもあります。というか、スタッツなんて全部そんなもんです、私にとっては。(勿論このブログでいい加減な事は書かないよう努めております)

「トランジッションオフェンスやアウトナンバーを生むアウトレットパスやセカンダリーアシストにももっと気軽にフォーカス・アクセスできる環境があれば良いのにな」と思う今日この頃。

今回はこの辺で。ではまた。

余談。

NBAは公式にスタッツを計測・カウントしていて、それぞれに計測上の定義を設けています。

nba.com/stats内のGlossaryで確認できますが、モノによって厳しかったり曖昧だったりでその苦労が窺えます。

前述の「セカンダリーアシスト」はホッケーアシストとも呼ばれるもので、ざっくり言うと「アシストを生むパス」の事です。
例えば。ドライブをした選手がキックアウトをして、それを受け取った選手が、よりオープンで確率の高いコーナへアシストした時、アシストがカウントされるのはキックアウトを受け取ってパスを出した選手ですが、元を辿ればそのオープンコーナー3Pを生んだのは始めにドライブ&キックをした選手。「セカンダリーアシスト」はそういった貢献・アシストを見逃さないためのスタッツです。

なんですけども、NBA.comでの「セカンダリーアシスト」のカウント条件は「パスをもらった選手が1秒以内にアシストを記録しなければならず、ドリブルしたらノーカウント」とやたら厳しい。原文:A player is awarded a secondary assist if they passed the ball to a player who recorded an assist within 1 second and without dribbling

普通のアシストは「シュート成功に直接つながったパス」と大らかで曖昧なのに。原文:passes that lead directly to a made basket 

他にもAssist Points Createdにはフリースローによる得点が含まれていなかったり、Potential Assistはどんな形でもドリブル一回以内のFGAを生みさえすればカウントされる等々、単語の字面からイメージされる意味と計測上の定義に差があったリもします。

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・無駄に考え過ぎてもまさしく無駄ですし、バナナでも食べよ

  • URLをコピーしました!
目次