【NBA】スラムダンク・タフ3P・ノールックパスよりも難しくて効率的で魅力的で奥が深いプレイ?歴代フリースロー名(迷)場面集。3P%とFT%とFTAと得点量の相関関係。/スパーズ、ステフィン・カリー、ヤニス、エンビード、ドンチッチ、リラード、SGA

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【NBA】スラムダンク・タフ3P・ノールックパスよりも難しくて効率的で魅力的で奥が深いプレイ?歴代フリースロー名(迷)場面集。3P%とFT%とFTAと得点量の相関関係。

NBAファンには各々好きな選手がいるように、多少なりとも「好みのプレイ」ってのがあると思うんです。

ただ、「好みのプレイ」を聞かれて「フリースロー」と答える人はそうはいないんじゃないかと思います。

「フリースローを得るためのテクニック」に魅了される事はあっても、フリースローそのものに魅了されたり感動する事は恐らく少ないでしょう。

フリースローは非常に大事なプレイですが、ハイライト集・歴史的瞬間にフリースローのシーンが含まれる事はあまりありませんし、あったとしてもフリースローを決めた事より外した事の方がクローズアップされています。

1995NBAファイナル第1戦、残り10秒オーランド・マジックが3点リードでフリースロー。しかしニック・アンダーソンは4本連続でフリースローをミス。ケニー・スミスに3Pを決められ延長突入し、アキーム・オラジュワンにゲームウィニングティップを決められ敗戦。そのままスウィープされる事に。動画へのリンク
2021プレイオフではベン・シモンズへフリースローの打ち方を教えるお客さんの姿が話題に。
記憶に新しいものでは2023/3/6、残り0.8秒同点でセルティックスのフリースロー、グラント・ウィリアムズは「両方決めたる」とトラッシュトークするも両方ミス。延長突入し敗戦。
これはフリースローとは直接関係ありませんが。2018NBAファイナル第1戦。
残り4秒同点でフリースローミスのオフェンシブリバウンドを手にしたJR・スミスは何故かシュートをせずドリブルで時間を使い延長突入し敗戦(打たなかった理由は聞かれる時期によってコロコロ変わるので結局不明)。
こちらは超レアケース。
残り2.5秒で3点ビハインドなので故意に外してオフェンシブリバウンドからの3Pに賭けるはずが・・・・。

以上の様にフリースローは選手・チームの運命を左右する超重要なプレイです。近年はビッグマンでもフリースローの上手い選手が増えましたし、「フリースローを得る事」「フリースローを与えない事」は大事です。

リーグ平均スタッツ。
昨季2023シーズンはリーグ平均78.2%で計測以降1位の高確率。

そう、フリースロー大事、超大事。期待値も超高い。(※)

※:あくまで数学上かつ雑に説明しますと、FT%が70%しかない選手でもフリースローを2本連続で決めてくれる確率は49%。FT%80%なら64%、FT%85%なら72.25%もあります。大抵の選手が高効率に得点出来ちゃいます。FTラインに立つと大抵の選手がステフ、KD、ヨキッチになります。
ニック・クラクストンやヤコブ・パートルのようなFG%が高くFT%が極端に低い選手やゴール下ワイドオープンのような特殊な状況を除いて、フリースローを与えるくらいならオープンでFG打たせた方がマシというケースは多いです。
ただし、上記はあくまで数学上での話です。実際は試合展開、自チームオフェンス、相手ディフェンスの多くの要素を踏まえた上でプレイは選択され、得点期待値も変化します。

・・・・なんですけど、試合を観ていて「フリースロー決めたぁぁぁぁ!!うぉぉぉぉ!!」とは中々なりません。

大体が画像上。画像下になるのは余程大事な試合かクラッチシーンくらい。

外した時に「っんだよ!もぉぉ!!」とはなりますけどね。

しかし、何事も楽しまにゃあ損です。僭越ながらフリースローに関する注目ポイント、興奮できそうな見所をいくつかまとめてみました。

まずパッと思いついたのはスパーズのジェレミー・ソーハン。早速ビクター・ウェンバンヤマと仲良くしているシーンも見受けられるナイスガイでありエナジャイザーであり片手フリースローの使い手。

ガイドハンドを使わない片手フリースロー。2022年12月からこのフォームに変更しFT%を45.8%から76.1%に向上。(シーズントータルでFT%69.8%)
髪色をお揃いにするソーハンとウェンビー。

次にステフィン・カリーらフリースローの得意な選手の連続記録。少し意地悪な見方ですけど、決めた時より外した時の方がレアですので、どっちにしろ面白いです。

実況のケビン・ハーランが「ステフィン・カリーは今季まだフリースローを外していません」と実況した直後にミス。「アナウンサー・ジンクス」と呼ばれる現象で、解説のレジー・ミラーやステフらも「お前がいらんこと言うから」と激おこ。昨季トップクラスにホッコリするシーンでした。

フリースローレーンでは熾烈なポジション争いがあったり、時にはチームの垣根を越えたリスペクトも見られます。

前半だけで30得点のルカ・ドンチッチに「お前の手どうなってんねん」と笑うザック・ラビーン。
他にも、海外選手・仲の良い選手同士はニコやかな挨拶や軽い雑談を交わした後にガシガシやり合ったりしてて面白いです。

最後に2023シーズンのフリースローに関するスタッツ・指標をいくつか。

75ポゼッションあたりでのフリースロー試投数ランキング。(Stable FTA Per 75※)

※:Stable FTA Per 75のStableは直訳すると「安定した」「変動の少ない」といった意味で、Stableがついてる時は、そのスタッツが試行回数を基にして、より信頼性を高める調整がなされている事を意味します。
2本中1本決めたのと100本中50本決めたのは同じ50%ですけど、後者の50%の方がより信頼性の高い50%になります。それを実際に数値に反映させるのがStableスタッツです。

ポジション・役割問わず様々なタイプの選手がいて、優秀なスコアラー揃いです。当然ながら75ポゼッションあたりでの得点量とも強い相関関係が見られます。

1000以上出場選手対象。

「3P%の高い選手はFT%も高い」って印象ありますけど、こちらには然程相関関係は見られません。

やっぱりフリースローはメンタル面の影響も強く出るって事でしょうかね。

ドウェイン・ウェイドは「バスケットボールで最も難しいショットは?」の問いに「オープンショット。考え過ぎちゃうから」(意訳)と答えてましたし、

動画へのリンク

スーパースター・NBA選手と言えど、そこら辺の緊張・苦悩は日本世界人類共通だと思うと、これまたフリースローを応援したくなります。

以上。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

日本では漫画『スラムダンク』で一躍有名になったリック・バリーのアンダーハンドフリースロー(下手投げ)。

リック・バリーはこのフォームで非常に高いFT%を残しました。

しかし、現在このアンダーハンドフリースローを採用している選手はあまり見られません。

その理由は色々あるでしょうが、その一つに「見栄えが悪い」というのがあります。残念ながら「カッコ悪い」と考える人もいるんです。

漫画『スラムダンク』では、見栄っ張りなはずの桜木花道がなりふり構わず上手くなろうとする姿を表していて、むしろカッコ良いフォームですけど、アメリカではアンダーハンドフリースローは“Granny Shot”「おばあちゃんシュート」とも呼ばれ、からかう向きが一部あるんです。

かつてリック・バリーはシャキール・オニールにアンダーハンドフリースローを伝授しようとしましたが、シャックは「0%を記録した方がマシ」と拒否。

シャックお得意のちょっとしたジョークと言うか軽口ですから真偽は不明です。

ウィルト・チェンバレンはキャリアFT%が51.1%しかありませんが、ある年のある試合アンダーハンドによるフリースローで28/32、87.5%もの高確率を記録し、伝説の1試合史上最多100得点を達成しました。

しかし、翌シーズン以降チェンバレンはアンダーハンドフリースローをやめてしまいます。その理由を自伝の中で「愚かで子供っぽく思えたんだ。自分が間違っていたことはわかっている。偉大なフリースローシューターの打ち方だ。ただ俺にはできなかったんだ」と述べています。

惜しい気もしますが、我を貫き通す強さ含めてのチェンバレンでしょうから、トレードオフな気もします。

やはりフリースローは奥が深い。

いつか心眼でフリースローを打つ選手が現れるかも?

勝手に目ン玉切りつけておいてこの言い草である。『魁!!男塾』より

アンダーハンドフリースローの再来と共に気長に待つとしましょう。

・・・・・心眼は流石にないな。

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