身長体重とボックスアウトとリバウンド数の関係。/リバウンド影響度ランキング。やはり難しいリバウンダー評価。/スティーブン・アダムズ、ジョシュ・ハート、クリント・カペラ、ブルック・ロペス、ヨキッチetc.

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身長体重とボックスアウトとリバウンド数の関係。/リバウンド影響度ランキング。やはり難しいリバウンダー評価。/スティーブン・アダムズ、ジョシュ・ハート、クリント・カペラ、ブルック・ロペス、ヨキッチetc.

「身長はスキルにどういった違いを見せているのか」シリーズ第4弾。

今回は「身長はリバウンドにどう影響しているか」を見てみましょう。

「んなもん、身長高い方が有利に決まってるだろ!」って?

・・・・その通りです!

縦軸がStable Rebounds/75(※)、横軸が身長の散布図。以下画像は全て2023/3/21時点(追記:書き上げてからアップするまで時間が空いたので以下データは2週間ほど古いです。)。1000分以上出場者対象。※画像クリックで拡大

※:75ポゼッションあたりでのリバウンド数。Stable Rebounds Per 75のStableは直訳すると「安定した」「変動の少ない」といった意味で、スタッツ/指標にStableがついてる時は、そのスタッツが試行回数を基に、より信頼性を高める調整がされてる事を意味します。

リバウンド数と身長は指数関数的な関係を持っております。

目立つのはニックスのジョシュ・ハート。リーグ屈指のリバウンディングガードで、2023/3/9のキングス戦では15ものリバウンドを記録。というか8つのオフェンシブリバウンドが凄かったです。“ニンジャスティール”ならぬ“ニンジャリバウンド”でした。

リバウンディングガードはジョシュ・ハート以外にもいます。

しかし、ジョシュ・ハートの様にオフェンシブリバウンドでも高い数値を残すリバウンディングガードは思いの外少ないです。

プライマリーハンドラーのルカ・ドンチッチやラッセル・ウェストブルックらはディフェンシブリバウンドが主になっています。

Stable Defensive Rebounds/75と身長の散布図を見てみましょう。

Stable Rebounds/75の図と比べると、指数関数的な伸びが若干和らいでいます。

ということは、

Stable Offensive Rebounds/75ではこうなります。

サンズのジョシュ・オコギーが予想外の位置に。リバウンド取りたい選手は「ジョシュ」に改名しましょう。

超極端な右肩上がり。

結局はリバウンド、特にオフェンシブリバウンドでは身長の高さが猛威を振るっているのか?

ところが、そうとは言いづらい散布図もあります。

センター登録選手限定でのStable Rebounds/75と身長のの散布図。

ポルジンギスが低いのはダニエル・ギャフォードにインサイドワークを任せているからでもあります。

センターに限ってはリバウンド数と身長に相関関係が見受けられせん。高ければ高い程リバウンドが多くなっているわけではないのです。

基本的にバスケットボールは身長の高い選手にインサイドワーク・リバウンド・センターを任せる事が多いです。身長の高い選手に「リバウンドを取る役割」が与えられています。

逆に言うと、身長の低い選手に「リバウンドを取る役割」を与える事は少ない。そもそもチーム/コーチは身長の低い選手には、その役割を求めてないんですね。

身長の高さはリバウンドにおいて有利に働くのは間違いありませんが、リバウンドの多さはそれだけで決定するわけではないようです。

リバウンドにおいて身長以外の大事な要素、まず頭に思い浮かぶのはポジショニング/ボックスアウトですね。

Adj/Boxout Rate%(ボックスアウトした割合)と身長の散布図。

アイザイア・ハーテンシュタインが突出していますね。ジョシュ・ハートは途中加入ですけど、ミッチェル・ロビンソンも優秀なオフェンシブリバウンダーですし、ニックスはボックスアウトやリバウンド意識の高いチームカルチャーを持っているって事でしょうか。

今季’23のチームREB%ランキング。ニックスはリーグ3位。2023/3/21時点。

身長80インチ(約203cm)を境にボックスアウトと身長の高さに相関関係は見られなくなっています。

重さ/体重も見てみましょう。

Stable Rebounds/75と体重の散布図。

正直言いまして、図を見た瞬間「ニコラ・ヨキッチとユスフ・ヌルキッチが共演する世界線も見てみたかった」って感想しか出てきませんでした。

ついでに身長と体重の散布図。

ボル・ボルとポルジンギスは身長に対して非常に軽いですしリバウンド数も控え目です。前述の通り、両選手ともダニエル・ギャフォードや他選手にインサイドワークを任せる・共有しているが故ってのもあります。

ここまで書いておいてなんですけど、個人スタッツとしてのリバウンドは非常に厄介なスタッツでして、私は正直「チームにリバウンドをもたらす能力」を計るためにRPG他リバウンド系スタッツを参考にする事はあまりありません。全くないわけじゃないんですけど、比重が少ないと言いますか。

ざっくり説明しますと、「チームにリバウンドをもたらすのに重要なボックスアウトやポジショニングやショットコンテストでの貢献が全く考慮されておらず、ボールを掴んだorティップした選手にリバウンドはカウントされ、チームリバウンドへの貢献度と個人スタッツとしてのリバウンド数には乖離がある」と思っているからです。

以前もう少し詳しく記事にしたので、気になる方はそちらへ↓。

うーん、出来るだけ先入観を持たないように、結論を先に用意しないように記事を書いておりますので、ある程度致し方ないんですけど、コレといった有意な結果・情報のない記事になってしまいました。ごめんなさい。

お詫びに「なぜ保存したのかよくわからないが何となく大好きな画像」をいくつかお披露目。

重ね重ね申し訳ない。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

Total Rebounding Impact(リバウンドへの影響)ランキング。オフェンシブリバウンドタレントとディフェンシブリバウンドタレントを添えたもの。

リバウンド数は少ないけれど、超優秀なチームリバウンダーのブルック・ロペスはTotal Rebounding Impactでは7位も、他2つは低め。

やはり現状の計測方法では、リバウンダー評価は難しく思います。代案は全く思い浮かばないんですけども。

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