カール・アンソニー・タウンズとルディ・ゴベアのツインタワーは今後どうゲル化していくのか。ベン・シモンズはヤニスへの好ディフェンスを維持できるのか。

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カール・アンソニー・タウンズとルディ・ゴベアのツインタワーは今後どうゲル化していくのか。ベン・シモンズはヤニスへの好ディフェンスを維持できるのか。

一昨日の試合でカール・アンソニー・タウンズ(以下KAT)とルディ・ゴベアのツインタワーが遂にお披露目。

たった1試合ではありますが、開幕までヒマなのでテキトーに気になった事、以前から気になっている事をいくつか。

一言で言えば「時間はかかるのかなぁ」という印象です。特にKATの適応に。

「ゴベアの存在でKATの負担が減る」と言われ、「お互いの弱点を補完できる」旨の発言をKATもしていましたが、ゴベアがスクリーンセッター/リムフィニッシャー/リムプロテクター/ディフェンシブアンカーetc.とセンター/ビッグマンとしての仕事を多くこなせば、当然KATは今までと違う役割を多くこなす事になります。

ゴベアはDPOY3回受賞の実力者ですが、ゴベア1人でチームのディフェンス問題が解決されるなら、そもそも昨季OffRtgリーグ1位のユタ・ジャズは解体する羽目になっていません。(ジャズの昨季DefRtgはリーグ10位)

ゴベアをより有効に使うためにも、KAT自身もディフェンスで新しい役割に適応しステップアップしなければなりません。
ゴベアをリムプロテクター/ディフェンシブアンカーとして有効に使うために、KATには今までよりも横方向の運動量が求められます。

迅速かつマメなローテーション、トランジッションディフェンスで速く戻る事も求められます。
昨日の試合で言えば、ロイス・オニールに決められた2本のオープン3とトランジッションレイアップ、戻りの遅さは、あまりよろしくない兆候です。

ましてゴベア獲得のために、パトリック・ベバリーとジャレッド・バンダービルトという2人のエナジーガイを手放しているのです。
ベバリーはPOA/ペリメーターディフェンダ―、バンダービルトは多才なディフェンダーとしても少なくない貢献をしていました。
いくらゴベアと言えど、その2人の穴埋めは出来ません。
その穴埋めと、ゴベアを有効活用するためにはKAT始め他メンバーのアジャストメントは必須になります。

つまり、ウルブズがディフェンスを向上させるのであれば「KATの負担が減る」はずはないと、私は思います。「負担の仕方が変わる」事はあっても。(率直に言えば「負担がどうこう」言えるほど昨季KATは縦横無尽な良ディフェンダーだったわけでもありません、改善したと言えど)

一昨日の試合では、KATは主にコーナーディフェンスを受け持ちましたが、ネッツにはセス・カリーとジョー・ハリスという2人の極めて優秀な3Pシューター(コーナー3P含む)がいませんでした。
ゴベアが外へ釣り出された時はKATがアンカー/ヘルパーにならなければならない場面もあるでしょうし、狙われる事も増えるかもしれません。

KATは、そんなこと思っていないでしょうが、「負担が減る」と思われては困るのではないでしょうか。

オフェンスにおいても似たような事が言えます。すなわち、オフェンスでもKATには今までと違った役割が求められます。

一昨日のKATのショットチャートは以下。

リム近辺/ゴール下でのFGAが殆どありません。

一方ゴベアは以下

全てゴール下で6/6。パーフェクトなのは素晴らしいですが、懸念材料は「今後のスペーシング」です。
ゴベアにはミドル/ロングレンジがありませんから、相手ディフェンスはKAT含め他メンバーのドライブ/カッティング/ポストアップに対し、ヘルプやダブルチームに“多少は”行きやすくなります。(ロブや合わせ、オフェンシブリバウンド他は警戒しなくてはいけないので“多少は”)

昨季ユタ・ジャズはゴベア以外に優秀な3Pシューターを揃えていて、それとゴベアのスクリーナー/リムローラーとしての優秀さが相まってピック&ロールからの高効率な3P、昨季OffRtgリーグ1位のオフェンスを生み出していました。

しかしウルブズは昨季ジャズほど優秀な3Pシューターが揃ってはいません。
KATを除けばスターター候補は皆、昨季3P%が36%以下で、セカンドユニットも似たようなもんです。昨季の一部スタッツ↓。

3P37.7%のビーズリーは今季おらず。新加入のカイル・アンダーソンは昨季33.0%、キャリア33.4%、シュートフォームは大好き。

キャリア3P40%超えのブリン・フォーブスはいますが、ディフェンスを問題視されている選手でもあります。
KATは史上最高峰のシューティングビッグの1人ですが、それでもゴール下は大きな得点源で、ミドルが得意なわけではありません。
KATの昨季トゥルーシューティングチャート↓。

つまりゴベアがリムフィニッシャーとしてゴール下近辺を主戦場にするなら、KATはオフェンスでも今までと違った役割を多くこなし、横方向の運動量が求められるのではないでしょうか。

その今までと違う役割にアジャストするのに「時間はかかるのかなぁ」と思った次第です。

まぁ、言ってしまえば「時間がかかる」のは当たり前です。今季は怪我からの復帰選手も多く、ゲル化/ケミストリー構築に時間を要しそうなチームは他にも沢山あります。

それに私が思いつく事なんて、ウルブズ関係者は考慮済みでしょう。一昨日の試合でも既に、スプリットアクションとスリップスクリーンを絡めたプレイですとか、見事な連携もありました。

そしてアンソニー・エドワーズも頼もしい言葉を残しています。

相手チームのベストオフェンシブプレイヤーを守ることに意欲を燃やしていてAll-Defに入れなかったら「不機嫌」になるだろう、とのこと。

「良いケミストリーが生まれるのに時間がかかる」のは当たり前で、良くなっていく過程を楽しむために、開幕前に懸念材料や不安を煽り水を差す、偉そうな事を書かせてもらいました。気分を害された方いましたらごめんなさい。

だからKATもそんなションボリしないで。

そして一昨日のベン・シモンズさん。先日のヤニスへのロックダウンディフェンスからの落差が凄い。

KATとウルブズ、ベン・シモンズとネッツの健闘と躍進を願いつつ、今回はこの辺で。ではまた。

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