【NBA】選手の安定感ってどうやって調べれば良いの?標準偏差とGame Logと偉大過ぎるレジェンドと。【NBAスタッツ・指標解説その2】
以下は2005~2023各シードの平均勝ち星数です。引用元:r/nba
本来“平均”から何かしらの意味を読み取るには多くの留意点があります。
その留意点の内の一つに「平均はバラツキを表してはいない」という事があります。
具体例を挙げますと、「10試合全てで20得点した選手」と「10試合中5試合で40得点して残り5試合で0得点だった選手」を同じ「平均20得点の選手」に見せてしまうんです。特に気にする必要はなく、楽しむだけなら忘れて良い留意点です。
ただ、例によってヒマ人な私は考えるわけです。スタッツのバラツキを表す便利な指標はないものか?安定感を表す指標はないものか?・・・・・
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“Standard Deviation”「標準偏差」です。
「標準偏差」。英語では“Standard Deviation”、短縮して“SD”とも表記されます。平均値からの散らばり具合(ばらつき)を表す指標です。↓画像の「±○○」の部分が標準偏差です。
「数値が少ないほど“ばらつき”が少ない、安定している」という事です。もう少し詳しく言うと「68.3%の確率でその値内に収まる」という事です。
↓の画像に照らし合わせて説明しますと
「イーストの第1シードは68.3%の確率で55.7勝~64.3勝」って事です。(「55.7勝って何だよ」ってツッコミは置いておくとして)
もう一つ。
2021シーズンの途中に有志の方が作ってくれた「トップスコアラーたちのPPG標準偏差表」。
平均値が高いほど標準偏差の値も大きくなる傾向にありますが、ケビン・デュラントは30.4PPGでありながら標準偏差が±5.9と他と比べ非常に小さい。それだけKDのスコアリングは「安定していた」という事です。(効率は考慮されていないのであくまで「得点量」のみの話ですが)
こういった感じで標準偏差があると、「どの選手・チームが安定したボリュームで3Pを決めているか」とか各スタッツのボリューム増減傾向から「どの選手・チームを相手にしたときに“外れ値”が大きくなったのか、安定or不安定になったのか」「何故そうなったのか」etc.という具合に派生していって考察・妄想が捗るわけです。
なんだけれども、現状「標準偏差」を載せているデータサイトはありませぬ。各スタッツの「標準偏差」を知りたければ自分で計算するか、ネット上にある計算機に一つ一つサンプルデータを入力せにゃなりません。超メンドイ。
各種NBAスタッツの標準偏差を併記してくれるデータサイトを誰か作っておくれやす。
という願望の記事でした。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけとお知らせ。
完璧ではないですけど、手っ取り早く選手の安定感を調べる一つの方法。
BBRで選手のGame Logページを開くと、各スタッツ量の分布が見られます。
例:2023レギュラーシーズンのジェイソン・テイタム
ただ、これらはあくまでスタッツ量の分布で、確率や他のプレイを表しているわけでないので、これでパフォーマンス全体の安定感はわかりゃしません。
上記画像たちは言わば「量の安定感」を表していますが、「確率の安定感」を知りたい場合は同じくGame logページを開いて各種%を低い順にソートすると良いです。
2023レギュラーシーズンのニコラ・ヨキッチ
2023レギュラーシーズンのステフィン・カリー
BBRのGame logページは面白いデータがよく見つかるのでオススメです。古い試合の懐かしい場面が思い出されたりもします。見る事の叶わなかった古のレジェンドに思いを馳せる事もできます。
1969プレイオフのジェリー・ウェストのGame log
3Pラインすらないインサイド主流の時代でジャンパー決めまくる選手とか、絶対カッコ良かったでしょうね。まさに“The Logo”です。
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NBA2024シーズン中は記事をアップする時間帯が不安定になると思います。最近は正午近くにアップしてましたけど開幕以降は大体夕方から夜遅くの間が多くなる予定です。
1日1記事アップの周期は今までと変わらず。余程の事がない限りは。