【NBA2023プレイオフ】ファイナル組み合わせが決定。#HEATCultureのルーツ、40年以上受け継がれるパット・ライリーとコーチSpoの信頼秘話。/2018以降総出場時間ランキング、1位はセルティックスの某J〇ン・テイタム。/デンバー・ナゲッツ、マイアミ・ヒート

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【NBA2023プレイオフ】ファイナル組み合わせが決定。#HEATCultureのルーツ、40年以上受け継がれるパット・ライリーとコーチSpoの信頼秘話。/2018以降総出場時間ランキング、1位はセルティックスの某J〇ン・テイタム。/デンバー・ナゲッツ、マイアミ・ヒート

本日2023/5/30の試合結果。

マイアミ・ヒートが勝利し、史上2チーム目となる第8シードからのNBAファイナル進出を決定しました。おめでとうございます。ちなみに2020シーズンのレギュラーシーズン順位は4位で、この時の4位以下でのファイナル進出も史上4チーム目の快挙でした。

映画のポスターみたいでカッコいい。

試合について語る前に、まずエリック・スポールストラHCに惜しみない称賛を。

1995年にビデオコーディネーターとしてマイアミ・ヒートに25歳で参加。アシスタントコーチ、スカウトを経て2009シーズンにヘッドコーチに就任。

以降ヒートは2度の優勝、今季含め6度のNBAファイナル進出、その間プレイオフ進出を逃したのは3度だけです。

現在52歳。我々はコーチ界GOATの全盛期を目の当たりにしているのかもしれません。

勿論他にもGOATコーチ候補はいます。(来季ポップ&ウェンバンヤマも楽しみです)

忘れちゃならないGOATコーチ候補と言えば、ヒートの現CEOパット・ライリー御大。

“ゴッドファーザー”の異名は伊達じゃありません。

80年代“ショウタイム”レイカーズを率いて王朝を築くと共に、その魅力的なバスケで多くの人間をNBAへと引き寄せました。その功績は計り知れないものがあります。

選手として3回、コーチとして10回、チーム幹部として6回、合わせて19回のファイナル進出。シンプルに考えても凄い。

ヒート時代レブロン・ジェームズが球団社長のパット・ライリーに、若きスポールストラHCと交代する事を暗に求め、それをパット・ライリーが突っぱねてスポールストラHCをサポートしたエピソードは有名ですが(もう少し詳しく知りたい方はコチラへ)、

実はパット・ライリー自身も若い頃に似たような経験をしています。

前述の通り、パット・ライリーは80年代“ショウタイム”レイカーズを指揮した事で有名ですが、その就任過程はおよそ順調と呼べるものではありませんでした。

レイカーズの前前HCが不慮の事故で退任し、代わりを務めたポール・ウェストヘッドHCは1980シーズンに優勝するもマジック・ジョンソンらと反発。

マジックのトレード志願もあり、1981シーズン途中にレイカーズのオーナー:ジェリー・バスはウェストヘッドを解任せざるを得なくなります。その時ウェストヘッドが後任に強く推したのが、当時アシスタントコーチ歴3年・ヘッドコーチ経験ゼロのパット・ライリーです。

当然ジェリー・バスは難色を示すも、しぶしぶ承諾。「せめてもの保険」として当時スカウトを務めていたレイカーズのレジェンド、ジェリー・ウェストにパット・ライリーの補佐役を打診し了解を得ます。

しかし、どうしても無名のパット・ライリーを信用できなかったのか、土壇場の新コーチ発表記者会見でジェリー・バスは「レイカーズの新ヘッドコーチはパット・ライリーとジェリー・ウェストの共同コーチである」と大勢の記者に告げます。

パット・ライリー含む全員が混乱する中で、ジェリー・ウェストはマイクを手に取り、こう告げます。

最初にハッキリさせておく。

私はパット・ライリーの下で働く。

会見が終わった後もジェリー・ウェストは直接パット・ライリーに「このチームのヘッドコーチはお前だ」

“You’re the only fu**ing head coach.”

ヘッドコーチは絶対にお前だけだ。

と告げ、無名のパット・ライリーを全面的にサポート。

パット・ライリーはその期待に応え、1990シーズンまでの10シーズンの在任期間で1985、1987、1988シーズンの3回の優勝を果たし、ジェリー・ウェストも1982年から18年間GMとしてパット・ライリーとレイカーズをサポートし続けました。

引用元:sportscasting

パット・ライリーはジェリー・ウェストやポール・ウェストヘッドが自分にしてくれた事、

知名度ではなく中身を信じる

という事をそのままエリック・スポールストラへと行い、エリック・スポールストラもまた同じ事をヒートの選手たちへと為しているのではないか。

ヒート・カルチャーとはそういった事なのかもしれません。

ドラマチックに捉えすぎでしょうか。



話題を改めまして

試合について、いくつか。

まずは兎にも角にもケイレブ・マーティン。

何度タイムリーなショットを決めたのか数え切れません。カンファレンスファイナル7試合で19.9PPG/6.4RPG/1.7APGのFG60.2%/3P48.9%/FT87.5%。スタッツも素晴らしいですが、それ以上にインパクトのあるプレイを数多く見せてくれました。

「コービーみたいな事ばっかしよる」とか思ってたら同じこと考えてる人が割と多くて笑ってしまいました。

ターンアラウンドジャンパーの決め方がね。

ジミー・バトラーもここ4試合ではポンプフェイクに反応しないセルティックスのアジャストメントに苦戦が続きましたが、本試合では躊躇わずにシュートを打つシーンも多く見られ3P3/7含むFG12/28で28得点。イースタンカンファレンスファイナルMVPおめでとうございます。

右のジミーが若干ユドニス・ハスレムっぽく見える。

結果的にヒートはほぼ全てのカテゴリでセルティックスを上回りました。

セルティックスについてですが、どうしてもジェイソン・テイタムのアクシデントの事は考えてしまいます。

試合開始直後に足首をひねり、終始苦悶の表情でした。

ヒートが勝った以上ヒートの方がセルティックスよりも強かったのは紛れもない事実ですが、「勝つために全力を尽くす姿は尊い」のもまた事実です。

本試合だけでなくテイタムは2018シーズン以降毎年プレイオフに進出し1度のNBAファイナル、4度のカンファレンスファイナル、オフにはアメリカ代表として東京五輪にも来日。2018シーズン以降NBAで最も働いてきた選手と言っても過言ではありません。

2018以降レギュラーシーズンとプレイオフを合わせた総出場時間ランキング。2023/5/29時点。※画像クリックで拡大

セルティックスもヒートもお互い満身創痍の大激闘でした。

ただ本シリーズは、知名度や実績はなくとも中身を信じるエリック・スポルストラHC、その信頼に恥じぬ強心臓を持つケイレブ・マーティン、ダンカン・ロビンソン、ゲイブ・ビンセント、ヘイウッド・ハイスミス、マックス・ストゥルースらがいるヒートに軍配が上がりました。

本シリーズでは何度“undrafted”「ドラフト外」って単語を聞いたかも数え切れませんです。

何はともあれ、イイモン見れました。両チームありがとう。

ヒートは休む間もなくデンバーへ向かうそうですが、景色は良いらしいですから?少しでもゆっくりして下され。

セルティックスはお疲れ様でした。本当にお疲れ様でした。個人的に来季もこのままのコアメンバーで勝負してくれると嬉しいんですけども・・・・どうなるんでしょ?

デリック・ホワイトがヒーローとなった第6戦の後は「これはもうセルティックスかなぁ」と思いましたし、つい1年前は「イーストはバックスとセルティックスが暫く盤石そうだなぁ」なんて考えてたんですけど、我ながらアテにならんですな。

早速ロスター改造案も飛び交ってますし。

今回はこの辺で。ではまた。

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