【NBA】現役&歴代TOP“プレイメイカー”たちとパス以外での“プレイメイキング”。走行距離ランキングと不屈の漢対決だった2023NBAファイナル。
「プレイメイカー」「プレイメイキング」という単語は非常に奥深い言葉・概念です。
「プレイメイカー」「プレイメイキング」≒「アシストの多い選手」「チームメイトのショットクリエイトを助ける事」と捉えておけば、無難かつ問題ないでしょう。
それはそれとして、本記事では「プレイメイキング」において見過ごされがちな部分に少しフォーカスしてみようと思います。
「良いプレイメイカー」と言うと、大体のケースで「パス・アシストの多い/上手い選手」がイメージされます。
以下画像は「playmaker NBA」でグーグル検索して上位に載っていた画像。
しかし、「良いプレイメイキング」「チームメイトのショットクリエイトを助ける事」「質の良いショットクリエイト」がパスのみで生まれる事は非常に稀です。
「カッティング」「スクリーン」「ポジショニング」「その他オフボールムーブメント」「優秀なスコアラーによるディフェンスを引き寄せる力」等々、パス並びにパスを出す選手以外にも多くの事が関与して「良いプレイメイキング」が生まれます。
今回は、ビッグマンが「プレイメイキング」へ貢献する部分に注目してみましょう。以下記述は「ガードによるプレイメイキングの貢献は実は大した事ない」ではなく、「ビッグマンも少なくない貢献をしている」と捉えて頂けますと嬉しい限りです。
現代NBAで大きな比重を占めるピック&ロール。
ロールマン(主にビッグマン)には「適切なタイミング・角度によるスクリーン」と、アリウープ(ダイブカット)を狙うなら「高さと強さ」、ショートロールなら「ミッドレンジでのシュートタッチ」が求められます。
ロールマンを務めるのは簡単に見えるかもしれませんが、そこにはハッキリと能力差・技量差が生まれています。(例.スクリーンが上手くないとスイッチ・ギャップが生まれなかったり、高さやキャッチングの技術が足りないとロブが通らない等)
↓画像の縦軸は「ロールマンを一回務めたあたりでの得点量」、横軸は「75ポゼッションあたりでのロールマンを務めた回数」。以下全て2023シーズン1000分以上出場者対象。
次画像の縦軸は「オフボール時でのディフェンスを引き寄せる力」、横軸は「75ポゼッションあたりでのスクリーンアシスト数(FGに直接つながったスクリーン数)」
スクリーンアシストは割と曖昧な基準でカウントされるので、実際の貢献度とは結構なズレがありそうですが
スティーブン・アダムズのスクリーン・シーリングによる貢献度はアイテストでも多分に窺えます。最強。いや超最強。
以前↑関連記事で書いたので、ここで詳しくは述べませんが、アダムズのプレイメイキングは本当に卓越していると思います。アウトレットパス、リードパスも御上手(必ずしもアシストにはならないからか、プレイメイキング系の指標はあまりよろしくないです)。オフェンシブリバウンドで「プレイメイキングをする機会」も増やしちゃう。
シュートが苦手なのも可愛げがあって大変よろしい(よくない)。
来季は是非とも怪我無く万全に。
ニコラ・ヨキッチ、ドマンタス・サボニス、アルペレン・シェングン等最近はパッシング・ビッグの数も増えてきています。ピック&ロール、DHO(ドリブルハンドオフ)、2メンゲーム全般等でビッグマンがプレイメイキングに関与する事も多くなりました。
まだ見ぬ「優秀なプレイメイキング・ビッグ」も大勢いると思うんです、それを披露する機会が少ないだけで。
ここのところ「チームを増やす案」もよく聞かれますし、
多くの選手にスポットライトが当たる環境も増えれば良いな、と思います。競技レベルの維持や諸々ハードルもあるんでしょうけど。
最後に。
「プレイメイキング」とは直接関係ありませんが、ビッグマン(センター登録経験選手)の2023シーズン総走行距離ランキング。
1試合平均走行距離ランキング。
10年前と比べると走行距離も増えてますし、ビッグマンもやる事増えて大変ですな。
今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
2023プレイオフでの1試合平均走行距離ランキング。15試合出場者対象。つまりカンファレンスファイナルまで進出した選手の中で最も走っていた選手ランキング。
2年前に前十字靱帯断裂を経験した男が1位。泣いた。
カンファレンスセミファイナルで足首を負傷をした男が2位。泣いた。
某選手に“sloppy fat boy”「だらしなく太ったガキ」呼ばわりされた男が3位。笑った。