【NBA】「歴代&今季2024PPG・RPG・APGランキング」と「36分あたりでのスタッツランキング」と「NBAデータの歴史と留意点」その他。/ドンチッチ、ヤニス、SGA、サボニス、ハリバートン、ヨキッチ、ゴベア、ブランソン、ハーデン、セルティックス

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「歴代&今季2024PPG・RPG・APGランキング」と「36分あたりでのスタッツランキング」と「NBAデータの歴史と留意点」その他。

今は便利なもんでパソコンやらネット端末でリアルタイムな情報が簡単に手に入ります。当ブログ管理人が愛用しているサイト一覧

データ・スタッツの需要も高まりまして、有料無料問わずデータサイト・スタッツの種類も日に日に増えております。

最もポピュラーなのは所謂「Per Gameスタッツ」。例えばPPG(Points Per Game)は得点の総数(Total)をゲーム数で割ったモノ。アシストならAPG(Assists Per Game)といった具合になります。

2024レギュラーシーズンPPGランキング。RPG/年齢その他併記。以下全て2024年5月時点。Stathead準拠。

2024レギュラーシーズンRPGランキング。

2024レギュラーシーズンAPGランキング。

総数(Total)を36分あたりで割ったものですと「Per 36 Minutesスタッツ」になります。何故36分あたりで割るかと言うと、スターター選手の出場時間が概ねそれくらいだからです。出場時間の少ないベンチ選手、出場時間の安定しなかった選手をスターター選手と近しい視点で評価したい時に用いたりします。ただし、スターター選手と違いベンチ選手はスタミナを気にする必要性が少なかったり、相手にする選手もベンチ選手であることが多いため、スターター選手とベンチ選手の「Per 36 Minutesスタッツ」を比べる時はその点も留意するとよろしいかと思います。サンプルサイズ(参照する標本データの総数)には特に注意です。

2024レギュラーシーズン、36分あたりでの得点数ランキング。36分あたりでのリバウンド数その他併記。

こんな感じで出場試合・出場時間の少ない選手がとんでもない数値を記録する事がありますので、「Per 36 Minutesスタッツ」を調べる際はくれぐれもサンプルサイズにご注意を。

2024レギュラーシーズン、36分あたりでのリバウンド数ランキング。

2024レギュラーシーズン、36分あたりでのアシスト数ランキング。

総数(Total)をポゼッション数で割ったものですと「Per Possesionスタッツ」。100ポゼッションあたりなら“/100poss”、75ポゼッションあたりなら“/75poss”。(possを省いて表記する事もあります。75ポゼッションは36分と同じでスターター選手の1試合でのポゼッション数が概ねそれくらいです。)
「Per possesionスタッツ」は出場時間やペース(試合毎のポゼッション数)の違いに影響されずに選手・チーム評価できます。「Per Gameスタッツ」ではペースの早い(ポゼッション数の多い)選手・チームが高くなり、ペースの遅い選手・チームらと効率性を比較する際などに支障をきたすんです。

OffRtg(100ポゼッションあたりでの得点数)やPPP(Points Per Possession。1ポゼッションあたりでの得点数)といった「Per possesionスタッツ」はその支障をいくらか解決してくれます。

今季2024レギュラーシーズン、OffRtgランキング。DefRtg/ペースその他併記。

各種Rtgやポゼッション数の計測方法、算出方法はサイトによって違いがあるので数値にも若干の差が出ます。別々のサイトの数値を比較し合うなどチグハグな使い方をしなければ誤差の範囲内ですので然程気にしなくても良いかと思います。Rtgには「オンコートRtg」だったり「インディビジュアルRtg」だったり種類がありますが、ややこしくなるのでまた別の機会にでも説明します。

今季2024レギュラーシーズン、DefRtgランキング。

今季2024レギュラーシーズン、ペースランキング。

ペースの速い遅い自体に良い悪いはありません。ペースが速ければ得点機会が増えますが失点機会も増えます。強いて言うならペースが速い方が派手なプレイを見る機会が増えますし、Per Gameスタッツも伸びやすくなるのでお客さんが喜びそうな気はします。たまに混同視されますが、「ペースが速い=ファストブレイクやトランジッションオフェンスが多い」ではないので御注意を。

とりあえず以上。

近年、データ・スタッツの種類は増える一方で、定期的にこういった基本的な事も書いておかないと忘れてしまいそうです。データ・スタッツが増えるのは嬉しい反面、調べる時ややこしくもなります。「あのデータはどのサイトのどのページにあったっけ?」ってな具合に。

他にも書いておきたい基本はありますが、続きはまた後日に。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。余談。

歴代キャリアPPGランキング。以下全て400試合以上出場選手対象。

歴代キャリアRPGランキング。

歴代キャリアAPGランキング。

本記事内で「データ・スタッツが増えるのは嬉しい反面、調べる時ややこしくもなります」と書きました。ややこしくなる理由は複数ありまして、まず「種類が増えると目当てのモノを見つけるのが大変。おぼえるのも大変」って事。他に「比較の際の条件付けが難しくなる」って事もあります。・・・・・わかりづらいですね。

例を挙げて少し説明しましょう。TS%は現在広く使われています。3PとFTも考慮したシュート効率を表すスタッツです。しかし3PはNBAでは1980シーズンになって導入されたものです。当然TS%も3P%も1980年以前には存在しませんでした。遡って算出する事は出来ますけども、3Pのある現代の選手と3Pのない時代の選手の効率性をTS%で比較するのは不適切になり得ます。で、その「不適切さ」を解消するため、他のデータやスタッツも併用して評価するんですけども、問題は「どのデータやスタッツを選ぶか」です。データ・スタッツの種類が増えた事でより悩ましくなったんです。

当ブログでは常々

あらゆるスタッツ/指標はコンテキストが大事で、多角的に用いることが求められます

と書いていますが、まさに「言うは易く行うは難し」。公平な評価をしたい時には「多角的な視点」が求められますけども、だからといって「多ければ多いほど良い」って事では決してありません。

統計学・論理学・スポーツアナリティクス界隈でよく聞かれる格言に「オッカムの剃刀」があります。簡単に説明すると「物事を説明・判断する際は出来るだけ仮定は少ない方が良い」って考え方です。(詳しく知りたい方はググるなりWiki見るなりして下され)

参照するデータは少なすぎても良くないし多すぎても良くない。取捨選択が大事。データの種類が増える事はありがたいですが、それを見る人間には「判断力」「分析力」「論理的思考」がより求められるようになったと言えます。

ただ、これも常々書いていますが、楽しむ事が目的なら気にしなくても良い事です。「ファンは自由に楽しむのが一番」です。好きな選手・チームの素晴らしい部分にだけ注目して応援する事は決して悪い事ではありません。「公平な評価をするのは結構大変」ってなだけです。この余談は私の備忘録みたいなものなので是非忘れて下さい。

最後にもう一個、スタッツの種類が増えてややこしくなった事。上記データの引用元Stathead。このデータサイトでは色々な条件を入力する事でランキングやリストを閲覧できるんですけど、スティールや3Pといった過去に計測されていなかったスタッツを条件に使うと、その過去の時代の選手がランキング・リストから除外されちゃう事があるんです。

例を挙げますと、上記歴代キャリアPPGランキングにSPGやBPGや3P%を併記しようとするとウィルト・チェンバレンら何人かの選手は除外されちゃいます。

上記歴代キャリアPPGランキングにSPG/BPG/3P%/TS%を併記したもの。

元のランキングからチェンバレン、ジェリー・ウェスト、エルジン・ベイラー、ボブ・ペティット、オスカー・ロバートソンが除外されてます。

地味に不便。地味にメンドイ。

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