【NBA】NBAトップ3Pシューターたちの歴史と推移。より細分化された特徴とスタッツ。各種3Pランキングと各代表的シューターのショットプロファイル。/ウォリアーズ、ステフィン・カリー、ハーデン、クレイ、ドンチッチ、シクサーズ、リラード、ペイサーズ、ヒート

目次

【NBA】NBAトップ3Pシューターたちの歴史と推移。より細分化された特徴とスタッツ。各種3Pランキングと各代表的シューターのショットプロファイル。

バスケットプレイヤーは千差万別、それぞれが“得意不得意・特徴・役割”を持っております。

その“得意不得意・特徴・役割”に基づいて、選手は頻繁にカテゴライズされます。ガード/フォワード/センターだったり、プレイメイカー/スコアラー/ディフェンダーだったり、ファシリテーター/スラッシャー/シューター/リムプロテクター等々

選手の特徴・役割を表す言葉は数多く存在します。本記事では、その中の一つ“3Pシューター”について、またデータやらを添えながら語っていこうと思います。

そもそも何故冒頭で“得意不得意・特徴・役割”云々と前置きを述べたかと言いますと、近年の所謂“3Pシューター”たちは更に細かく細分化されるようになってきました。“3Pシューター”は私にとって最近特に興味深い存在・分類名なんです。

歴代シングルシーズン3P成功数TOP40ランキング。以下全て2024/1/2時点。

TOP20内は皆現役選手で全て2013以降の記録(スプラッシュ兄弟を除けば全て2019以降の記録)、TOP40内でも例外は数える程です。

1試合あたりでの3P試投/成功数リーグ平均推移。

今や平均3P試投数は35を超えていますが、NBAに3Pが導入された1980シーズンは平均2.8。10分の1以下。当初3Pは“限られた選手の武器”でした。

1980~2000レギュラーシーズンそれぞれの3P成功数TOP3。()内が成功数。

偉大なるパイオニアたち。

2010~2023レギュラーシーズンそれぞれの3P成功数TOP3。。

※:余談。
1995~1997シーズンは3Pラインが国際ルールの22 feet (6.71 m)に近づきました。ロースコアの試合とMJ引退による人気の低下を懸念したリーグが、ハイスコアの試合を望んだ施策とも言われています。

しかし、今と違ってトランジッション3やプルアップ3を打つ選手の少ない1990年代当時、3Pを多く狙う事で試合のペースは落ち、平均得点も減少しました。OffRtgは上がったんですけどね。

結局3Pラインを23 feet 9 inch(7.24 m)に戻した1998シーズン以降も暫くは平均得点が減少し続ける事に。何がどう転ぶかわかりませんな。

リーグ平均推移を詳しく見たい方はこちらリンク先へどうぞ

150本でも決めればTOP3だった1980~2000。昨季2023、150本以上決めた選手は52名もいました。

昨季2023、3P成功数ランキング。1試合平均成功数/試投数/3P%他併記。

ちなみに先日ラプターズへトレードとなったイマニュエル・クイックリーは昨季ベンチ出場が主でありながら168本の3Pを決めていて、もし2012シーズンなら1位の成功数です。

昨季2023、3P成功数ランキングの21位以降。

最近はクイックリー以外にもマックス・ストゥルース、アイザイア・ジョーなどベンチから3Pを決めまくるインスタントなスコアラーが沢山です。

今季2024、2024/1/2時点での3P成功数ランキングはこんな感じになります。

兎に角3Pは増えました。めっちゃ増えました。そりゃそうです。だって一度に2点より3点とれた方が良いですもん。決めさえすれば1.5倍の効率です。

しかし、問題は「打つか打たないか」ではなく、“How”「どう打つか」です。打ちさえすれば1.5倍の効率になるのではありません。決めなきゃいけません。「1.5倍の効率に近づけるための3Pの打ち方」ってのがあります。

その「1.5倍の効率に近づけるための3Pの打ち方」がなんなのかと言うと・・・・・・わかりません。

一般的に言えば、ショットクロックに余裕のあるキャッチ&シュート&ワイドオープンでのコーナー3Pが最も効率の良い3Pでしょう。リーグ平均をとれば“リーグ全体で”効率の良かった3Pショットは窺えます。

しかし不思議な事に、キャッチ&シュートやコーナー3Pの方が苦手って選手もいるんです。稀にタイトよりオープンの方が苦手って選手もいます。「リーグ平均・リーグ全体ではこうだから」と言って、個々のチーム・選手に当てはめられるとも限らないんです。

オープンショットよりコンテステッドショットを好んだドウェイン・ウェイド。動画へのリンク
“好み”の話でなく、スタッツ上でもオープンショットの方が効率の悪い選手が稀にいます。

2022ステフィン・カリーのディフェンダーとの距離毎のFG%.

オープンよりもタイトの方が3P%が高い珍事。流石に毎シーズンこうじゃありませんけどね。

2023ルカ・ドンチッチの(シュートを打つ直前の)ドリブル回数毎のFG%。

2回以上ドリブルをついた後の方が3P%が高くなっています。他のプルアップ3Pシューターもキャッチ&シュート3Pが少ない事は珍しくありませんが、それでも普通はキャッチ&シュートの方が%は高いです。

3Pシューターを評価する物差しで最も一般的なのは3P%や3PAだと思いますが、その3Pスタイルや貢献の仕方は千差万別で、3P%や3PA数の多寡だけでは計りきれません。

以下はデータサイトBBall Indexでの3Pシューター分類。(過去記事からの流用)

ムーブメント・シューター:オフボールで動き回りながら3Pを打つことが多い選手。
2023での代表例:バディ・ヒールド

2023ヒールドの一部3Pスタッツ・指標。

オフスクリーン・シューター:オフボールスクリーンやハンドオフに絡みながら3Pを多く打つ選手。
2023での代表例:クレイ・トンプソン

2023クレイの一部3Pスタッツ・指標。

ステイショナリー・シューター:上記2タイプほどは動かず、待機してキャッチ&シュートを多く打つ選手(所謂「スポットアップ・シューター」と同義ですかね)。
2023での代表例:デアンソニー・メルトン

2023メルトンの一部3Pスタッツ・指標。

優秀な“スポットアップ3Pシューター”がいると相手はオンボールプレイヤーへダブルチーム・ヘルプしづらくなります。オフボールムーブの多い3Pシューターは相手ディフェンスを疲れやすくし、スクリーンも絡めば連携・ケミストリーの未熟な相手はより混乱し、イージーな2Pショットも増えます。優秀な3Pシューターたちの分類・役割・貢献は3Pそのもの以外でも多種多様です。

「3Pシューター」という一言の中に、様々なプレイスタイル・多くの魅力が詰まっているわけです。

優秀な“スポットアップ3Pシューター”が“オフスクリーン3Pシューター”になったり“プルアップ3Pシューター”に変化・成長もします。

打つ3Pの種類が増えても、それが必ずしも“3Pシューターとしてのレベルアップ”になるとも限らないのがまた面白んです。

チーム事情や、その選手の好むプレイスタイル・望むその後の競技人生も絡んでいます。

Shooters shoot.

シューターは打たなきゃいけない。

よく聞かれる常套句。本当に含蓄ある言葉だと思います。

以前の記事(2023プレイオフ前、3月の記事)では「ダンカン・ロビンソンは今が競技人生の瀬戸際」なんて書きましたけども、今季2024今現在は見事に盛り返しております。

今季2024ダンカン・ロビンソンのトゥルーシュティングチャート。

シューターが良い時も悪い時も何を言われようともシュートを打ち続ける姿には、なんとなく「雨ニモマケズ」が思い起こされます。

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

(クッソどうでもいい)余談。

「2016シーズンのリーグ平均OffRtgとリーグ平均DefRtgは全く同じ数値だった」

これ↑を言うと5人に1人くらいから「へぇー」ってリアクションを得られます。(残り4人は「何言ってだコイツ」ってなります)

念のため説明しておきますと、リーグ平均のOffRtgとDefRtgが同じなのは当たり前です。どのシーズンでも同じです。日本にある上り坂と下り坂の数が常に一緒なのと同じです。

そうとは知らず驚愕するシャック(本当は激辛チキンを食べた時のシャック)
  • URLをコピーしました!
目次