NBAのMVP2人が既に敗退。「アップセット」が最早「アップセット」ではなくなったEuroBasket、ルカ・ドンチッチもその呪縛に。AJ・スローター、マテウス・ポニトカ、ルディ・ゴベア、ドラギッチ、チャンチャーetc.

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NBAのMVP2人が既に敗退。「アップセット」が最早「アップセット」ではなくなったEuroBasket、ルカ・ドンチッチもその呪縛に。AJ・スローター、マテウス・ポニトカ、ルディ・ゴベア、ドラギッチ、チャンチャーetc.

・フランス対イタリア

前半。
フランスは前試合トルコ戦での「あわや敗北」から拾ったような形での準々決勝進出。
ハーフコートオフェンスの修正に注目していましたが、前半だけで11tovと相変わらずのドタバタな一面を見せます。
個人的に、今大会ここまでのルディ・ゴベアのハンドリングというか「ボールが手についていない」姿は特に気になります。
ポジショニングやスクリーンセッター、ロールマンとしてのオフボールムーブは素晴らしいから余計に際立ちます。
しかしシュートタッチは流石のフランス。前半FG14/27、特に3Pは9/16と好調。

イタリアはセルビア戦ではピック&ロールorポップでニコロ・メリを上手く活用し、効果的なオフェンスを展開していましたが、ゴベアのいるフランスにそのまま流用できるはずもなく、前半はFG12/36,3P5/18と苦戦を強いられます。
オフェンスリバウンドに粘り強さを見せたり、シモーネ・フォンテッキオの個人技などで食らいつき、前半は38-31でフランス7点リード。

第3Q。
ゴベアがいなくなった隙にフォンテッキオのドライブ、メリがポストプレイ、ピック&ロールでリムへアタックするなどアジャストを見せます。
第3Q残り2:48にはイタリアが53-52の1点差にまで詰め寄ります。
そしてフランスはバックコートでのターンオーバーでイージースコアを許しあっさり逆転。ディフェンスでも連係ミスを見せ、イアリアは17-3のラン。
第3Qは56-62のイタリアリードで終了。終了間際には、プレイタイムを求めてゴールデンステイト・ウォリアーズを退団したニコ・マニオンがいくつか良い働きをしていました。フランスは第4Qへ不安を残すことに。

第4Q。
フランスは第3Qから7分以上もFGがない状態が続きターンオーバーも引き続き量産。
しかしイタリアも良い形にまでは持っていけるものの肝心のシュートが決まらず。
フランスはトマ・ウルテルの2連続3Pなどで3点差に差を詰める。イタリアはフォンテッキオのタフ3P で再び6点差に突き放す、ならフランスはゴベアがスラムでまた詰める。

からのもう一度タフ3Pでフォンテッキオがまた突き放し、お互い譲らず。

しかし土壇場で今度はイタリアが痛恨のターンオーバーを繰り返してしまいます。
そのチャンスを逃さずフランスは残り16秒で2点ビハインドにまで差を縮め、イタリアのフリースロー。イタリアは2本決めれば2ポゼッション差になる大事な大事なフリースロー。

・・・・・似たような展開がフランス対トルコ戦にありましたね。

はい、というわけで、ここまで散々勝負強さを見せていたフォンテッキオが何かに取り憑かれたかのようにフリースローを2本ともミス。残り5秒、フランスにレイアップを決められ同点。

さらにイタリアはラストショットをフォンテッキオに託し、惜しくも決まらず。

またもオーバータイム突入。

両チームともファウルがかさみ疲れもたまっていたと思いますが、それがより顕著だったのはイタリアでした。相手ペイント内侵入を止められず、リバウンドが取れず、シュートは入らず。

試合結果は93-85でフランスが勝利。フランス、トマス・ウルテル20pts8ast、ゴベア19pts14reb、フォーニエ17pts。イタリア、マルコ・スピッス21pts、フォンテッキオ21pts。

フランスは2戦連続で第4Q終盤に相手のミスに助けられる形でのオーバータイム突入。ミスの多さというか良いオフェンス・ダメなオフェンスの落差が激しすぎるのをどうにかしてくれないと私の心臓が持ちません。ボケ防止にはなるので良いんですけどね。
ゴベアはこの試合ミスもありましたけど、やはり影響力の大きさを感じさせられましたね。第3Q不在時にはイタリアにドライブレイアップを好きにやられてるシーンが目立ちましたし、終盤大事なシーンでのプットバックやロールマンとして相手ディフェンスを引きつける働きも見事でした。+/-もゲームハイのプラス20。

イタリアは「実力云々」もあるでしょうが「遂に力尽きた」という印象です。セルビア戦の第3Q終盤以降フォンテッキオやスピッスは本当にノリノリかつエキサイティングで見ていて楽しかったですけど、流石にずーっとは疲れを誤魔化せません。フォンテッキオが大事なフリースローとフローターをミスしたのは「勝負弱い」のではなく、それまでの無理と奮闘が響いたのだと思います。

フランスおめでとう!次戦はいい加減ミスを修正して下され。

イタリアはお疲れ様でした。ジャンマルコ・ポッチェッコHCのエモショーナル過ぎる姿は賛否ありますけど、試合後しっかり相手チームや審判・オフィシャルにも敬意を示す姿はカッコ良かったです。

・スロベニア対ポーランド

第1Q。
スロベニアのインテンシティの弱さが若干気になったもののヴラコ・チャンチャーは相変わらず積極性を見せ、ゴラン・ドラギッチもインバウンズプレイで相手選手の背面を使うトリックプレイを披露。スロベニア最後の得点はルカ・ドンチッチが3Pを決め26-29で第1Q終了。

第2Q。
よろしくない時のドンチッチ。
通ればイージースコアになる攻めたパスの結果のターンオーバーは致し方ないにしても、レイアップ後ファウルアピールで戻りが遅れ、ディフェンスで集中力を欠いてしまいます。フラストレーションは他選手にも伝染。
ポーランドとお互いレイアップを決めきれない展開が続くも下馬評不利のチームがしばしば見せる「吹っ切れた思い切りの良さ」をポーランドも発揮します。
Jaroslaw ZYSKOWSKIはフラットな軌道の3Pを2本沈め他選手もそれに続き、第2Q残り5分でスロベニアまさかの15点ビハインド。さらにドンチッチがレイアップ後に床へ腰を強打しベンチへ下がるアクシデント。差は最大23点差にまで。
チャンチャーのエンドワン、その後コートへ戻ったドンチッチのステップバック3でどうにか差を縮め前半は39-58、ポーランドの19点リードで終了。
ポーランドのマテウス・ポニトカ16pts7reb7ast、スロベニアはチャンチャー14pts、ドンチッチFG3/9,3P2/4の9pts4reb4ast3tov。

第3Q。
開始早々ドンチッチが流石の3Pを決めるも明らかに腰が痛そうな仕草も見せます。
ポーランドはあくまで攻めの姿勢を崩さず。・・・なのは良いと思うんですけどAJ・スロータ―は矢鱈にディープ3やプルアップ3を選択しミス。速攻のパスもターンオーバーと「少し早いチョーク」状態。
ポーランドは自滅に近いオフェンスを繰り返します。
スロベニアは相手のミスを利用する形で次々と得点を重ね、勢いは完全にスロベニアへシフトしディフェンスではボールプレッシャーも強め始めます。
ポーランドはフリースローすら入らず、タイムアウトも効果なく、結局第3Qは24-6とスロベニアが圧倒。
スコアは63-64で点差はあっという間にたった1。
ドンチッチの調子は悪いままでもこの結果、第4Qの結果/試合結果も自ずと予想出来ます。

第4Q。
まったく出来てませんでした。
第4Q開始早々にスロベニアは逆転に成功し残り8分で71-67の4点リード。このままずるずると、とはいかずポーランドが抵抗します。
AJ・スローターがプルアップ3、ドライブレイアップ(とドンチッチのテクニカルファウル)で74-75ポーランドが再びリード。

そして試合終了まで残り3分、ドンチッチが5ファウルで退場。「いつの間に?」って感じでした。

んで、またもポーランドの頼りになる男AJ・スローターによるドライブリバースレイアップ。「少し早いチョーク」とか思ってすみませんでした。マテウス・ポニトカと並んでポーランドのヒーローでした。

最後にわちゃわちゃしたものの

試合結果は87-90でポーランドが勝利。チャンチャー21pts、ドラギッチ17pts、ドンチッチ14pts11reb7ast6tov。ポーランドのマテウス・ポニトカ26pts16reb10astのトリプダブル、AJ・スローター16pts(思ってたより少なめ、それだけ得点の仕方にインパクトがありました)

ドンチッチは退場してベンチに戻った後ペットボトルを床に投げつける激怒っぷりで、試合終了時も審判に不満ありありな態度を見せていて「大丈夫か?」なんて思っていたら、その直後にポーランド選手一人一人に声をかけ丁寧に敬意を交換し合っていました。

試合へ並ならぬ情熱を持つドンチッチは怒りを露わにすることも頻繁にあるけれど、同時に笑顔や称賛も惜しまない。「本当にバスケ大好きなんだな」と勝手ながら思います。(今大会なにかと話題イタリアのポッチェッコHCからも同じ空気を感じてます)

ポーランドおめでとう!正直言いまして見くびってました。
AJ・スローター、マテウス・ポニトカの名前はしっかりと覚えたので国際大会では今度ともよろしくお願いします。

スロベニアはお疲れ様でした。老婆心ながら、まずドンチッチはしっかり休んで頂ければと思います。NBA、東京五輪、NBA、W杯予選、短いオフ、親善試合&W杯予選、EuroBasketのスケジュールは「バスケ大好き」でも流石にね。
チャンチャーはその積極性をナゲッツでも期待しております。
ドラギッチも頼りになるシーンが沢山ありました。

いやー、「勝負は何が起こるかわからない」とか「先入観は禁物」とか「油断大敵」等々なんやかんや頭ではわかっているつもりですけど、こうも立て続けに起これば流石にビックリ仰天します。

バスケやっぱりクッソ面白いです。

ちなみに、というか重要な事ですがヨキッチとドンチッチの間にいるのがAJ・スローターです。

次会う時は逆にヨキッチとドンチッチから「写真お願い」って頼まれるかもしれませんね。

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