ビラップスも見守るヌルキッチの暴れっぷり、ビーストに物怖じしないフランツ・バグナー。走り出したら止められないヤニス、イタリアとジャズの救世主となるかフォンテッチオ。EuroBasket2022、ますます過激に。

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ビラップスも見守るヌルキッチの暴れっぷり、ビーストに物怖じしないフランツ・バグナー。走り出したら止められないヤニス、イタリアとジャズの救世主となるかフォンテッチオ。EuroBasket2022、ますます過激に。

・ギリシャ対イタリア

ギリシャが常にリードを維持しイタリアがそれを追いかける展開が続き、後半に入るとイタリアのシモーネ・フォンテッチオが当たり始めます。フォンテッチオの2本連続3Pなどで、第3Q中盤にはギリシャのリードは5点に。
しかし、そこからジワジワと地力の差が表れ始め第4Q残り6分、75-60でギリシャのリードは15点にまで広がります。これで試合が決した

かと思いきや、イタリアがフォンテッチオとステファノ・トヌトを中心に怒涛の猛追。

フォンテッチオがドライブレイアップを決め、残り36秒とうとう3点差の1ポゼッションゲームに。続くギリシャのオフェンス、ヤニスへのダブルチームがターンオーバーを誘い、ボールはイタリアの手に、残り10秒運命の3Pはフォンテッチオに託されるも・・・・・惜しくもミス。しかしオフェンスリバウンドをイタリアが拾い残り5秒、トヌトがタフなコーナー3を・・・・・外してゲームオーバー。
終了間際にファウルをもらったドーシーがフリースローを打ってる間、両チームHCの長く言葉を交わし称え合っているような姿が印象的でした。試合中二人とも熱いのなんのでカメラマンもやたら映してましたね。

試合結果は85-81でギリシャの勝利。ヤニスはFG8/15の25得点11reb3stl4tov。ギリシャのタイラー・ドーシー3P6/10で23得点。フォンテッチオFG10/24の26得点5ast2stl2blk。※画像クリックで拡大

ヤニスが走り出したら止められないのは当然イタリアもわかっているので、「持たせない」「中に入らせない」「中で持たれたらすぐヘルプ」で上手く対処、チャージングをとられてしまったりヤニスもフラストレーションを溜めている仕草が見受けられました。・・・けど25点とるヤニスはやっぱりMVPでした。ファウルを多く貰いフリースローも8/9。はい、MVP。

・ドイツ対ボスニア・ヘルツェゴビナ

ドイツでの試合ですから当然観客はドイツ一色・・・・かと思いきやボスニア・ヘルツェゴビナの好プレイにも大歓声が聞こえるほどボスニア・ヘルツェビナのファンも負けてはいませんでした。というかこの男汁祭りである↓。

何故脱ぐのか。FIBA

過激な観客に負けじと?前半だけで両チーム合計4人が3ファウルを犯すフィジカルなプレイが目立つ試合展開。
終了間際にドイツが差を詰めましたが前半終了時のスコアは42-47でボスニア・ヘルツェゴビナが5点のリード。
ドイツは10分ほど出場のみでダニエル・タイスとフランツ・バグナーのコアメンバー2人が3ファウル。
ユスフ・ヌルキッチが17得点、ジャナン・ムサが14得点と前半にやりたい事をやっていたのはボスニア・ヘルツェゴヴィナだった印象です。

が後半開始2分半で8-0のランをドイツが決め、あっという間に逆転。慌ててタイムアウトをとるもドイツの勢いは衰えず、結局前半終了間際のものと合わせて18-0のランを完了します。

リードを奪って以降はドイツの本領発揮。
ボールを持った選手がまずオープンを探す、なければ作る、作れなければ個人技。「基本」とも言えるオフェンススキームをドイツの“組織力”が強力な武器にしていました。
“組織力”とは定義の曖昧な言葉ですが、私が言うドイツの組織力とは、コミュニケーションと規律とアジャストです。
今試合に限らずドイツのコート上の選手はゲームクロックが止まるたびに肩を寄せ言葉を交わしています。ベンチに目を向ければ、怪我で出られない試合にもタイスは帯同しベンチから声をかけ、復帰後にスムーズな合流。モリッツ・バグナーも今大会不出場が見込まれていますがベンチで弟とチームへ声をあげながら見守っています。勿論会話内容まではわかりませんが、その効果はこの試合の後半に如実に表れているようでした。
前半ヌルキッチやムサに大活躍を許すも、頻繁にコミュニケーションをとる事がチームの規律を生み、打たせていいシュート、やらせてはいけないプレイを味方同士で逐一共有。この試合ヌルキッチとムサの二人には51点とられるもボスニア・ヘルツェゴヴィナ全体の得点は82、TS%は53.6%に抑えています。特にヌルキッチは後半4得点のみで、4Qには直前にヌルキッチにブロックされたフランツ・バグナーが、ウィークサイドとヌルキッチのポストプレイ両方を警戒しながらドンピシャのタイミングで跳びヌルキッチを完璧にブロック。若い選手が百戦錬磨の代表チームに混ざり活躍できるのも良い組織である証でしょうか。

ドイツはオフェンスでもオープンスペースをよく見つけ、要所でオフェンスリバウンドを奪っていたのは、私には見つけられない隙をチーム全体で共有していたからかもしれません。

試合結果は92-82でドイツの勝利。フランツ・バグナーとデニス・シュルーダーが18得点。ヌルキッチ21得点、ムサ30得点。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナは後半は苦しい展開が続き最大17点差までビハインドが広がりましたが、ヌルキッチやムサを中心に粘り、6点差まで縮めるなど諦めない姿勢を見せてくれました。ペイント内スコアは50-32でドイツを圧倒。ドイツは前日にフランスを13点差で破り、勢いに乗った紛れもない強豪です。そのドイツを相手に通用する武器を持っている事は今後の試合への好材料であり、私にとっては大きな見所です。

ビラップスも満足気?

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