キャブスとウルブズとホークスの共通点とは?「NBA2023の3つの“If”」と来季NBA2024ラグジュアリータックススペースランキングと「焦ったトレードのリスク」と。/ウォリアーズ、デンバー・ナゲッツ、キャバリアーズ、ユタ・ジャズetc.
記事タイトルに書いてありますが唐突にクイズ。
クリーブランド・キャバリアーズ
ミネソタ・ティンバーウルブズ
アトランタ・ホークス
この3チームの共通点とは何か?
正解は・・・・・・
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「NBA2023プレイオフ一回戦で現在1勝3敗のチーム」(2023/4/23時点)
・・・・・
・・・・・と「2022オフに大量の指名権を差し出して大型トレードを実施したチーム」って事です。
キャバリアーズがオフにユタ・ジャズと行ったトレード内容。
ウルブズがユタ・ジャズと行ったトレード内容。
ホークスがサンアントニオ・スパーズ行ったトレード内容。
まだ一回戦は終わっていませんし、「彼らはトレードに負けた」なんて事が言いたいわけではありません。
ただ妄想しちゃうんです。
もしも、これらトレードが行われなかったら、キャバリアーズとウルブズとホークスはどうなっていたか?
「“たられば”は言ってもしょうがない」のはごもっともで、今季大ブレイクしたラウリ・マルッカネンや他選手が同じ活躍が出来たかは不明です。
それでも少しワクワクしちゃうんです。
もしウォーカー・ケスラーがウルブズに留まっていればアンソニー・エドワーズ、ジェイデン・マクダニエルズと共に、ウルブズは22歳以下の若くバランスの良いコアメンバーを3人手にしていました。
リバウンダー兼リムプロテクター兼リムフィニッシャーのウォーカー・ケスラー。
アタれば手が付けられず、ディフェンス意識の高まりも見せているアンソニー・エドワーズ。
若さも見せつつ己の役割を忠実に優秀に務めるウィングストッパーのジェイデン・マクダニエルズ。
カール・アンソニー・タウンズだってまだ27歳です。
もしルディ・ゴベアの大型高額契約を抱えていなければ、ナズ・リードの維持等ベンチユニット編成も融通が利きました。
現在のウルブズの契約状況概要。BBR準拠。
キャバリアーズに関しては、2023ユタ・ジャズでのマルッカネンの活躍は、そのままキャバリアーズでも実現可能だったかは不明ですし、今季の飛躍には大いに楽しませてもらいましたから残念な気持ちは微塵もありません・・・・本当はちょっとあります。
もう少しだけ、マルッカネン&エバン・モーブリー&ジャレット・アレンのトリプルタワーにダリアス・ガーランドが加わった「ハイローアクションの発展形」がもう少しだけ見たかったんです。ジャレット・アレンもオフ中に「ハイローやラウリは大きな武器だし楽しみにしてる」旨の発言してたんです。
しかもマルッカネンの契約は2025年まで約16.9M/年の超お買い得契約。仮にジャズでのものほど飛躍しなかったとしても、重荷にはならなかったでしょう。
現在のキャバリアーズの契約状況概要。
一方、ルディ・ゴベアとドノバン・ミッチェルを放出したジャズは「サラリーの余裕と所持指名権の量」がとんでもないです。
2023/4/24現在、今後6年で14個の1巡目指名権を所持。
現在のユタ・ジャズの契約状況概要。
来季2024のタックスレベルは162Mドルです(贅沢税が発生するライン)。それに対し来季ユタ・ジャズは現在93.7Mしか使っていません。
ついでに来季2024ラグジュアリータックススペース(贅沢税発生までの空き)ランキング。余裕がない順。2023/4/24時点。Spotrac準拠(BBRと数字に差があるのはインセンティブや細かな契約も考慮に入れているためです)。※画像クリックで拡大
1位ウォリアーズは既に162Mのタックスレベルを約50Mも超過(ドレイモンド・グリーンらのプレイヤーオプションが行使された場合)。
ジャズは26位。25位OKCと並んで現NBA屈指の「サラリーの空きと所持指名権と有望若手選手」を豊富に持ったチームと言えます。
そしてキャバリアーズとウルブズほど大量の指名権や有望選手を放出してはいないものの、ホークスはラグジュアリータックススペースでは5位。キャバリアーズとウルブズ以上にカツカツです。
現在のホークスの契約状況概要。
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いや、キャバリアーズとウルブズとホークスにめっちゃ意地悪な記事内容になってますけど、そういうつもりじゃないんですよ。プレイオフの結果はまだわかりませんし、「トレードの勝ち負け」だって長期的に出るもので、コロコロ変わりもします。
本記事で言いたいのは「トレードの難しさと危険性」です。随分前置きが長くなりましたが。
最近はプレイオフで不出来な選手・チームがいると「トレードすべき」「一度解体すべき」ってな声がメディア・ファン各所から直ぐに出てきます。それ自体は別に悪かないと思います。というより喧々諤々色々な意見が交わされるのは良い事、楽しい事です。
ただ、「本当にトレードすべきか」「解体すべきか」は別問題です。「不出来」「負け」→「トレードすべき」「解体すべき」と考えるのは最近のNBAでは当たり前で、私も間違いなく「考慮には入れるべき」だと思います。
しかし、トレードは相手チーム・選手がいて成り立つものです。「不出来だった選手」をトレードアセットにして得られる選手はそれ相応の選手で、相応以上の選手が欲しければ指名権や有望若手・未来も差し出さねばなりません。
そこまでしても、獲得した選手の活躍が保証されてるわけではありません。
そもそもスーパースターや「コイツさえ加入すれば絶対強くなる」なんて選手を所属元のチームは放出したがりませんから、トレードマーケットに出てくること自体が稀です。ケビン・デュラントやカイリー・アービングの存在で若干感覚がマヒしてますけどね。
「何かしなくては」と焦ってしまい、勢い余って手痛い目に遭う事を、プロレスリングにあるロープに登ったレスラーにちなんで“Top Rope”「トップロープ」とも言ったりしますが、そう見える事がNBAでもよくあります。
「リスクを取るより着実・堅実で居続ける事の方が確実に成功に繋がる」とまでは言えませんが、「急がば回れ」という言葉にも一抹の真実があります。
少し自分語りをさせてもらうと、私は大体のチームの大体の試合を見てるので、大体の選手に愛着があります。そのチームでの未来を夢見たりします。なので、トレード報道を聞いた時の第一印象は大抵「寂しい」です。
ユタ・ジャズでのドノバン・ミッチェル&ルディ・ゴベアVSジャマール・マレー&ニコラ・ヨキッチをもう一度だけでも見たかったです。
すぐに気持ちを切り替えて、新しいチームでのフィットや未来を妄想して楽しむようにしてますし、ワクワクする部分も間違いなくあります。
けどやっぱ寂しい。最近は不出来な選手がいた時、それが実績ある選手やまだ若い選手でも、改善点や今後そのチームでの可能性を考える前に即トレードって意見をよく見る気がして尚更寂しいです。トレード相手なども伴った具体的で興味深い意見も沢山ありますから、満更でもないんですけどね。
なにはともあれ、不出来だろうがヒデキだろうが「お疲れ様」の気持ちは心の隅に置いておきたいもんです。
ヒデキのおかげで上手く誤魔化せました(?)けど愚痴みたいな記事になっちゃいましたね。
まったくNBAプレイオフってのはあらゆる形で喜怒哀楽全てを喚起させる一種の総合芸術ですな。
今回はこの辺で。ではまた。