2勝1敗が揃ったNBA2024プレイオフとシューティングスタッツのアレコレ。3P導入初年度と2024の試投数その他比較。歴代プレイオフFG%・3P%・TS%ランキング。
昨日2024/5/12の試合結果。
マーベリックスとセルティックスが勝利。カンファレンスセミファイナル全組み合わせが2勝1敗となりました。
マーベリックス対OKCでは少し珍しい事もありまして。OKCはFG%とFT%でマーベリックスを上回り、3P%とターンオーバー数は同じ、にもかかわらず敗戦。
マーベリックスはオフェンシブリバウンド数の差(シュート機会の差)によってFG%とFT%での不利を帳消しにしました。マーベリックス15に対しOKCは6。2ndチャンスポイントは16対9。
いい機会なので、本記事ではシューティングスタッツについて少し。
昔々バスケではPPGとFG%がスタッツの主人公でした。3Pがなかった頃はFG%をそのまま「効率の良さ」と結び付けやすかったんですね。1980シーズン、NBAに3Pが導入されてから暫くの間も、3Pを多投する選手は少なかったので、依然としてFG%はポピュラーかつ重要視されていました。
1980レギュラーシーズン、1試合平均3P試投数ランキング。3P%/FG%/PPG他併記。
今季2024はこんな感じ↓。
2024レギュラーシーズン、1試合平均3P試投数ランキング。3P%/FG%/PPG他併記。
2024シーズン3P試投数1位ステフィン・カリーの11.8に対し、1980シーズンの1位はリック・バリーの3.1。3.1を2024シーズンに当てはめると190位~200位程度です。ジョシュ・ハートよりもちょっと少ないくらいです。
2024レギュラーシーズン、1試合平均3P試投数ランキング181位~200位。
また話が脱線しますけども、ジョシュ・ハートはレギュラーシーズン3P31.0%から今プレイオフでは45.2%。
2024プレイオフ、ニックス選手の3P%他一覧。以下全て2024/5/12終了時点。
たまらなく愛おしいのがリバウンドでのハッスルを維持、いやむしろレギュラーシーズン以上にハッスルしながらクラッチ3Pも決めちゃうところ。
2024プレイオフ、RPGランキング。オフェンシブリバウンド数他併記。
話をシューティングスタッツに戻しまして。
3Pの試投数が増えた事で(選手間で3P試投数の差が大きくなった事で)、FG%で効率の良さを比較する事は不適切になりました。例えシュート1本あたりでの得点数が多くても(効率が良くても)、3Pを多投する選手のFG%は3Pの少ない選手よりも悪くなりやすいです。
その問題を緩和してくれるのがeFG%です。3Pに1.5倍の価値を付与してFG効率を表しています。
eFG%= FGM + (0.5*3P)/FGA
さらにFTも考慮するとTS%になります。TS%は計算式に0.44という係数が用いられていて中々に奥が深いスタッツでして、詳しく話そうと思うと長くなるので、ここでは計算式だけ。もう少し突っ込んで知りたい方は下記関連記事でも読んで下され。
TS%= PTS/2(FGA + (0.44 * FTA))
さらにターンオーバーも考慮するとPPP(Points Per Possession)になります。
PPP= Points/(FGA + (0.44 * Free Throw Attempts) + Turnovers)
上っ面だけ・計算式だけで説明すると以上。
上記シューティングスタッツで留意しておきたいのは「必ずしもシュートの上手さを表してはいない」という事です。あくまで「各シュートの成功率」や「各種シュート1本あたりでの得点数」です。
シュートスキルが限定的でリム近辺やワイドオープンでしかシュートを打たない選手は各種%が高くなる傾向にあります。勿論それはそれで素晴らしい事です、リム近辺やオープンシチュエーションに秀でている事も立派なスキルです。
ただ、そういった選手とルカ・ドンチッチのようなセルフクリエイトに長けている選手/タフショットメイカーらのTS%を比べて「ドンチッチよりも○○の方がシュート上手い」とは言い難いです。「○○の方が3P%が高いからステフィン・カリーよりも3Pが上手い」とも言えませんし、「ディアンドレ・ジョーダンはNBA史上最もシュートの上手い選手」とも言えません。
歴代キャリアFG%ランキング。
歴代キャリア3P%ランキング。
歴代キャリアTS%ランキング。
歴代プレイオフキャリアFG%ランキング。
歴代プレイオフキャリア3P%ランキング。
歴代プレイオフキャリアTS%ランキング。
で、各種%系のスタッツを見る際、更に気をつけないといけない事に
サンプルサイズとスパンと必要最低要件
があります。
時間がないので続きはまた明日にでも。中途半端で申し訳ない。
今回はこの辺で。ではまた。