【NBA】ディフェンダーにベッタリつかれながらシュートを決めてしまう選手ランキングとチャッカーランキング。クオリティショットとタフショットメイカーの相関グラフ。/ドンチッチ、ステフィン・カリー、ヨキッチ、ウォリアーズ、ナゲッツ、マーベリックス、

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【NBA】ディフェンダーにベッタリつかれながらシュートを決めてしまう選手ランキングとチャッカーランキング。クオリティショットとタフショットメイカーの相関グラフ。

フリースローは非常に効率的なシュートです。単純な計算で説明しますと、FT%が80%あれば2本連続で決める確率は64%にもなります。昨季2023リーグ平均FT%は78.2%でした。いわばフリースローラインに立つ事で大抵の選手がステフィン・カリー、ニコラ・ヨキッチと同クラスのシュート効率を手にします。しかもフリースローは相手に速攻・トランジッションオフェンスのチャンスも(ほぼ)与えません。

ついでに2024開幕第1週のeFG%とFGAグラフ。

引用元:@automaticnba

得点期待値が高くフリースローも得やすいリム近辺でのシュート、もしくはそこでの攻防は今も昔も非常に重要視されています。

ただし、シュート効率や得点期待値と言うのは流動的で相手によっても多分に変わります。チーム全体で効率的なオフェンスをするために大事なのは「効率が良いとされるプレイを繰り返す事」ではなく、あくまで「効率が良くなるプレイを適切に選ぶ事」です。

重点的にインサイドを固めてる相手にゴール下で遮二無二勝負しても良い結果は得づらいでしょう。ゴール下のスペースのための3P、警戒の薄いミッドレンジが効果的に働くシーンは幾度となく目にします。スペース・ギャップを作るため、中心選手による強引な攻めが有効な事も多々あります。

特にレベルの高いNBA、さらにディフェンス強度が上がり隙が少なくなり対策も取られるプレイオフにおいては「効率が悪いとされるシュート≒タフショット」を決める事も必要となってきます。厳しいマーク越しにシュートを打たねばならないケースは増えます。

昨季2023レギュラーシーズン、Very Tight(ディフェンスとの距離が61cm未満)でのeFG%ランキング。試投数100以上選手対象。

昨季2023レギュラーシーズン、Tight(ディフェンスとの距離が61~122cm)での3P%ランキング。試投数100以上選手対象。追記:Very Tightでの3Pは最多の選手(デイミアン・リラード)でも18本とサンプルサイズが小さいのでTightのモノを掲載。

ルカ・ドンチッチがいないのが意外に思われるかもしれんせんが、ドンチッチは打つ3Pの半数以上がステップバックなので、NBA.com/statsではOpen(ディフェンスとの距離が122~183cm)扱いとなる事が殆どなんです。ドンチッチの昨季3P試投数は541、その内283がステップバック3Pで36.7%でした。リンク

“タフショット”の定義は“ディフェンダーとの距離”だけによって決まるものでなく曖昧なので、どうしても数字で表す事は難しいですが、タフショットメイカー”である事は“プレイオフパフォーマー”である事と相関関係があると私は感じております。

ところがどっこい困った事に、タフショットは決めるのが難しいからタフショットなわけで、いくら“タフショットメイカー”でもソレ一辺倒で良いはずもなく、タフショットとクオリティショット(得点期待値が高いとされるシュート)のバランスは非常に難しい。“タフショットメイカー”であるが故にChuckerチャッカ―(むやみやたらにシュートを打っちゃう選手)になってしまい、ひどいシュート効率を記録する事もしばしばです。

The Sportster.comによる歴代チャッカ―TOP15ランキング

15.ラトレル・スプリーウェル

14.ブランドン・ジェニングス

13.ロン・マーサー

12.ニック・ヤング

11.ステフォン・マーブリー

10.スティーブ・フランシス

9.ケンバ・ウォーカー

8.レイ・ウィリアムズ

7.ラッセル・ウェストブルック

6.ジャマール・マッシュバーン

5.ジョーダン・クロフォード

4.ジョン・ウォール

3.アレン・アイバーソン

2.ジェリー・スタックハウス

1.アントワン・ウォーカー

上記ランキングは2015年のモノですが、「彼らは実は悪い選手だった」という事ではなく、「どんな名選手でもスコアラーである以上はチャッカ―となり得る、見なされる事がある」という風に私は解釈しております。別の米メディアではこんなチャッカーランキングもありました↓。

2014年The Richestの記事より。

コービー・ブライアント、トレイシー・マグレイディ、2015年時点ではステフィン・カリーですら「チャッカ―」として取り上げられる事がありました。リンク

昨季2023中ではジョーダン・プール、ディロン・ブルックス、ケリー・ウーブレ、キャム・トーマスらの名前がよく上がっていました。リンク(他にも「Chucker NBA」で検索すればいくらでも見つかりますので気になる方はどうぞ)

2020、2021プレイオフで目覚ましい効率を記録し、2023レギュラーシーズン中に高効率に71得点をあげたドノバン・ミッチェルですら、最近のプレイオフ1st Round敗退後には「チャッカ―」の声が囁かれました。

ミッチェルのプレイオフTS%。

選手によって得意な位置・シュートも違い、過度に「非効率なシュートは打つな」と言えば選手の自信・積極性は失われ、それはシュートタッチにも反映されます。

現状、真に「効率の良いオフェンス」「効率の良いショット」を定義する事は不可能のように感じます。何と言いますか、普通に考えれば「ゴール下」になるんですけど、その「ゴール下」を多く生み、オフェンス全体での効率の良さを実現するためのバランスとは一体どういったモノなのか。言語化・数値化が非常に困難です。答えは一つじゃないでしょうし。

うーん、これ以上記事を書いていても少しも面白い推論・考察が出てきそうにないので、諦めてテキトーにデータ画像をば。

BBall Indexの昨季2023各Shot Making(シュート難易度も考慮したシュートを決める能力を表す指標)とShot Quality(得点期待値の高いシュートを打てているかを表す指標)のグラフ。以下全て1000分上出場選手対象。各指標の詳しい説明はこちらリンク先へ

ステフやヨキッチは“卓越したオフボールムーブメント”でもってクオリティショット(得点期待値の高いショット)も多く打つのでShot making系の指標は他のメインオプションと比べると低くなりがちなんですけども、“卓越したオフボールムーブメント”って豊富な運動量・スタミナ・BBIQなど決して簡単ではないですから、やっぱり「クオリティショットって結局何?」ってなっちゃいます。

もうどうにでもなーれ

代理コビー・ホワイト

今回はこの辺で。ではまた。

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