“バッドボーイズ”ピストンズ唯一の良心と呼ばれたジョー・デュマース、今でもバスケの良心であり続ける。
ジョー・デュマースはピストンズで2度の優勝に大きな貢献をし現役引退後ピストンズのPOBO(バスケットボール部門運営代表)を務め’03にエグゼクティブ・オブ・ザ・イヤーを受賞、翌’04にはピストンズも再度優勝。
その後キングスや総合企業での仕事を経て今年5月にNBAのバスケットボール部門運営副代表に就任。
yahoo!sportsのVincent Goodwill記者の8月12日付記事の中でデュマースは色々と興味深いことを述べていて、特に気になった言葉がありました。
アスリートたちは間違いなく素晴らしいプレイをしてくれます。リーグにはそれを美しく、クリーンであるようにする責務があります。
含蓄のある言葉だと思います。
と言うのも選手たちは必ずしも「美しく、クリーン」にプレイしたいとは思っていません、それよりも「勝ちたい」と思っているでしょう。
ですから観客のウケが悪く不自然な動きでもファウルをもらいに行く選手はいますし、怪我をさせるリスクを孕んでいてもそれを躊躇わない選手もいます。昨季もいくつか物議を醸すプレイがありました。
ただ彼らは「勝ちたい」からそうするのであって「観客をしらけさせたい」「相手に怪我をさせたい」わけでは決してないはずです。
現状のルールではその「観客がしらける」ようなプレイや、「相手に怪我のリスクを与える」プレイが「勝つためのメリット」になってしまうことが度々ある。それをデュマースは是正したいんだと思います。
また、そうすればアスリートたちはより素晴らしいプレイをすると信じているんだと思います。
昨季開幕前は、相手を飛ばせて“不自然な動き”で体をぶつけるプレイに対するコールを変更しました。昨季通して見た個人的感想では「ん?レフリーの間でもまだ基準が定まってないのかな?」と思うことがありました。シーズンが進むにつれて以前に逆戻りした感覚もあります。来季はこれをもう一度はっきりと一貫性のあるものにしてほしいと私は考えています。
また、来季からはトランジッションを止めるためのテイクファウルに対してより重いペナルティを科すことが濃厚になっています。
どこからどこまでがデュマースの仕事かはわかりませんが、今後も期待したいです。
デュマースはVincent Goodwill記者とのインタビューの中で
ピストンズには罰金を科したりはしません。彼らに対しては愛しかありません。
とジョークを言っていました。
そういった“ユーモア”とトロフィーに自身の名を冠し初代受賞者でもある“スポーツマンシップ”。そしてバッドボーズの“心強さ”
その3つがある限り、ジョー・デュマースはバスケットボールの“良心”であり続けてくれるはずです。