ESPNから’23シーズンTOP10予想を受けた選手たち、アメリカ統計分析サイト“Five Thirty Eight”の「予測モデル/システム」による評価は?ステフ、ヤニス、ヨキッチetc.
ESPNが選んだ来季TOP10選手たちを データサイト“FiveThirtyEight”(※、以下538)による評価で見てみましょう。2022/9/26時点。
ESPNの予想/評価はこちらで↓。
※:“FiveThirtyEight”は政治/経済/スポーツのデータ分析サイトです。
NBA界隈では影響指標のRAPTORで有名でしょうか。中の人たちはその道のプロ中のプロ、古くから「予測モデル/システム」を用いてきた方たちで統計調査分析や選挙戦予測など、昨季NBAではセルティックスの快進撃を早くから数字上予見していました。
当たり前ですが100%正確ではないです、というより予測とのズレや誤差を含めて予測しています。(厳密に語ろうとすると“沼”です)
詳しく知りたい方はこちら→FiveThirtyEightへのリンク
画像内の詳細説明はESPN評価1位のヤニス・アデトクンボを見ながら。
画像左半分は来季の一部アドバンスドスタッツ予測。画像左半分内右側の青丸・赤丸はパーセンタイル(※)での位置を表しています。右側に寄ってるほどリーグ内で傑出していて、左側に寄っていれば悪い/大人しいって事です。
※:統計学で用いられる単位/指標。
興味がない方は「最高の100に近いほど良くて最小の0に近いほど悪い」って認識でOKだと思います。(一部スタッツ除く)
「ヤニスはTS%が62%もあります」とだけ言われてもリーグ全体の平均や他の選手のTS%がわからなければ凄さがわかりづらいです。
しかし「ヤニスのTS%は62%で90パーセンタイルです」と言うと「ヤニスは他の90%の選手の上をいくシュート効率を持っているんだな」となって、とってもわかりやすい。便利。
画像右上の“Wins above replacement projection”(以下WAR予測)は「代替え選手と比べて勝利をどれだけ上積みできるか」の予測です。
その下は選手カテゴリー、ヤニスは「MVP候補」となっています。
その下は5年間の市場価値、ヤニスは250.6M。
ちなみに野球などでもよく聞く「WAR」はこのWins Above Replacement の略です。(538の具体的なWAR算出方法は不明)
画像右下“Performance of the 10 most comparable players”は「類似性」の高い選手たち、右のグラフはその選手のパフォマーンス推移。
「類似性」と言ってもプレイスタイルではなく数字上での話で、画像のヤニスでざっくり言うと「現在のヤニスは’22エンビードとSIMILARITY(類似性)が42(最大100)です」となります。
とりあえず画像内の用語説明は以上です。「解釈違い」「説明不足」と感じられるかもしれませんが、あまり厳密に詳しく語りますと窮屈にもなってしまいますので、ざっくりと説明させて頂きました。
んで538のヤニスへの予測ですが、「WAR予測」が今後5年間右肩下がりなんですよね。身体能力依存の大きかった過去選手たちとの類似性の表れですかね。まぁヤニスが同じ道を辿るかは神のみぞ知る、です。
ただ’27だけ前年から少し上がっています、33歳のヤニスに何が起こるというのか?
楽しみにしておきましょう。
次、ESPN評価2位のニコラ・ヨキッチ。
左半分のパーセンタイル評価はヤニスとよく似ています。3 pt. frequency(FG中の3Pの割合)は少ない方ですが効率の良さは非常に傑出しています。USG%もAST%も高く、尚且つREB%も超高水準。ヤニスとヨキッチの「生産性」は来季も健在と予想されているようです。
ただ来季からジャマール・マレーとMPJが戻ってきます、それを鑑みてか「WAR予測」はほぼ右肩下がり(それでもなお数値の高さが異常)。人間による予想でも「ボリューム系のスタッツは下がりそう」との予想は多くあります。ただヨキッチからすれば、それが優勝の可能性を高めるなら大歓迎でしょう。
ヨキッチも33歳になる’28だけ「WAR予測」が少し上昇、「MVPたちは32歳になるともう一度成長する/上向きになる傾向がある」って事ですかね?
画像右下“Performance of the 10 most comparable players”は1位でもSIMILARITY(類似性)がたったの4。ヤニスの1位は42で10位でも12です。それだけユニークなキャリアで、やっぱり変な選手。
次、ESPN評価3位のルカ・ドンチッチ。
来季もUSG%AST%は変わらず高い予測、TS%は昨季57.1%だったので微増。他は概ね据え置き。
しかしヤニスやヨキッチと違い、来季に更なる飛躍をしてソレを5年以上維持すると予測されています。各スタッツのボリュームが更に増えるって事でしょうか?
“Performance of the 10 most comparable players”の1位が’03トレイシー・マグレディとなっています。その一部スタッツがこちら↓。
マグレディはこの年、得点王。他にもPER、USG%、OWS、WS/48、OBPM、BPM、VORPがこの年の1位でした。マグレディもこの時23歳。
「スポーツベッティングサイト(スポーツ賭博)のMVP予想で1位」って話題もよく見ます。(ざっと確認したらPoints Bet、Fan Duelで1位でした、他も大抵1位)
EuroBasket2022での悔しさを思う存分晴らしてほしいですね。
次、ESPN評価4位ジョエル・エンビード。
全体的に「最早1、2年目の全休は過去の話」って予測をされてる印象です。
2年連続MVP投票2位の活躍をしましたが1年目と2年目では違いもありました。
’22は「スタミナ管理」が随分と良くなった印象です。’21と比べるとディフェンダーとしての評価は少し下がりましたけど(下がったというより’21の離脱前が「尋常ならざる動き」過ぎました)、’22は結果的に怪我や欠場も少なくキャリアハイの出場試合/時間数ですから、結局はディフェンダーとしての貢献度も維持できているのではないかと思います。コートにいないより長くいる方が守備的に超有難いわけですし。
それでいて得点量を伸ばし、ファウルやフリースローをより効率的にもらっていました↓。
「WAR予測」は3年間は山なりでその後下がるも、32歳になる’26にはまた微増。やっぱり32,3歳らへんが選手としての転換期なんでしょうか?ガード/ウィング他MVP候補の推移が気になります。
次、ESPN評価5位のステフィン・カリー。
来季で35歳を迎えますのでどうしても厳しい評価/予測になってしまいますね。プレイオフで取り返すだけの活躍を充分にしたと思いますが、統計分析上ではレギュラーシーズンでの前年からの下落を無視はしてくれないようです。’21の32.0PPG→25.5PPG、TS%65.5%→TS%60.1%と「量と効率」の両方で結構な下げ幅でした。
ただ25.5PPGもTS%60.1%も単体で見ればエリートな数字です。
それに前例のない活躍をしてきたのがステフですし、気にしないのが吉。・・・・・本記事全否定ですね。まぁ暇つぶし程度に。
そして“Performance of the 10 most comparable players”の1位がサム・キャセール・・・・・
「ビッグボールズダンス」やるって事か、ステフが。(違います)
はい、とりあえず今回はこの辺で。
ESPN予想5位から10位選手の評価はまた別記事↓で。ではまた。