【NBA】某NBAメディアのGOATランキングと某NBAゲームのGOATティアリストと某現役NBA選手100人のGOAT投票とバスケを変えた選手たちと。
先日の記事でThe Athleticが選んだNBA75周年記念TOP75選手ランキング↓を紹介しました。
上記ランキングは75周年時のものですが、GOATランキングは各メディア毎年のように公開してますし、現役選手ランキングも毎月、いや毎日どこかしらで公開されているでしょう。
こういった順位付け、「誰が最強か」、「AとBどちらが優れているか」といった議論は得てして難しく、時に角も立ちますが(特にレブロン・ジェームズvsマイケル・ジョーダンとか)、やはり心躍らされます。明確な答えは出ずとも、興味深い知識・考え方を得られる事も多々あります。なので、(たまに飽きつつ)私も長く楽しんでおります。
ただ、自分でそういったランキングを作るのは苦手です。「AとBどちらが優れているか」の答えを出すのも苦手です。これ以上自分語りをしてもしょうがないので詳しい理由は省きますが、一言で言うと「私が細かくてメンドクサイ人間だから」です。
とは言え、やっぱり他人様の作ったランキングを散々楽しみ、自分のブログで引用しておきながら、自分で作ったランキングを公開しないってのは卑怯だとも思うわけです。
・・・はい。前置きが大層長くなりました。というわけで、以下は2024年の私が作ったGOATランキングです。誰のランキングを参考にするでもなく、私が100%私自身の観点で作ったランキングです。
1位ジェームズ・ネイスミス
文字通り「バスケットボールの創造神」です。MJもレブロンもネイスミス神が創造した世界で遊ぶ“人間”でしかありません。
ちなみにマヤ文明にバスケットボールと似た球技があった事からマヤ文明を起源とする方もいらっしゃいます。
バスケットボールはネイスミス教授が考案してから僅か100年ほどで世界的人気を得るに至った魅力的な競技なわけで、当初はバスケット(桃の籠)に球を入れる球技だったからバスケットボールという競技名だったわけですけども、籠の代わりにリムとネットを使う事を考案した方も超ファインプレイですよね。あのボールがリムを通り向けた時の音・快感は何物にも代え難いです。
・・・・・・以下こんな感じの観点でのGOATランキングです。
2位ラリー・バード
個人的に思い入れが深いから2位に据えたわけではございません。バスケットボールという競技に対して最も完成度の高い人間なのではなかろうか、という考えから2位に据えました。
と言うのも、選手としてはMVP3年連続で獲得(8年連続でTOP3得票数)、優勝も3度(2度FVP)。コーチとしても就任初年にコーチ・オブ・ザ・イヤー受賞。フロントとしてもエグゼクティブ・オブ・ザ・イヤー受賞。
選手として、コーチとして、フロントとして最高の栄誉を手にした「バスケットボール史上最強のオールラウンダー」と言っても過言ではないでしょう。
この間の2024オールスターウィークエンドではレジー・ミラーとアイザイア・トーマスと元気に対談しておりました。
現役引退後は表舞台に立つ事は少なくなったんですけども、その少ない機会では現代のNBA選手に対して称賛やエールを惜しみません。2019年の生涯功労賞受賞時のスピーチは“名トラッシュトーク”であり“名スピーチ”だったと思います。
ヨボヨボの元NBA選手たちが「今の選手は俺たちの時代じゃ活躍しない」みたいなことを言う。
馬鹿げてる。
ヤツらはレブロンがプレイした18年間、ジェームズ・ハーデン、クレイ・トンプソンの1クォーター37得点、私のように30分で60得点しているのを見ちゃいないんだ。
(中略)
現在の選手の活躍を、私はこれ以上なく誇りに思う。
Theバスケ人間。
3位ドラゼン・ペトロビッチ
NBA国際化における先駆者の一人であり、史上最高の“あきらめの悪い男”。
2000年代以降は海外選手の上位指名は珍しくありませんが、ペトロビッチは国際バスケやユーロリーグでこれ以上ないくらい無双していたにもかかわらず(1試合112得点したりしてました)、ドラフトでは60位指名でした。しかも、よりよってクライド・ドレクスラー、テリー・ポーター、ダニー・エインジと超優秀なガードを揃えるブレイザーズ。
チームからの要望で“シューター”としてのプレイを求められ、その後のNBA、今も優れた“シューター”として語られる事の多いペトロビッチですが、
ペトロビッチのスタッツ一覧。
元々ペトロビッチは“The Mozart Of Basketball”「バスケットボールのモーツァルト」とも称されるほど多才な選手でした。NBA入り前の映像を見ると、よーく窺えます。NBAでも時折魅せてくれましたけど、アシストやディフェンスを操るのが上手くて、まさに「バスケットボールのモーツァルト」は言い得て妙です。NBA以外のものを含むペトロビッチのキャリアハイライトへのリンク
しかし、ブレイザーズでまとまった出場時間や大きな役割を与えられる事はありませんでした。そして本人曰く「NBAでの役割の小ささには困惑した」にもかかわらず、努力を怠る事もありませんでした。
ペトロビッチは兎に角“あきらめの悪い男”だったんです。少ない出場時間、慣れない役割でもシューターとして結果を出し、練習ではドレクスラーにコテンパンにやられながらも挑み続け「(もったいないから)君はこのチームにいるべきじゃない」とまで言われ、腐る事なくフィジカル改善にも努め続けました。
バルセロナ五輪ではジョン・ストックトンに「多くの選手が諦める中で彼の眼や姿勢には敗者の色が全くなかった」とまで言われ、「マイケル・ジョーダンは怒らせるな」の暗黙の了解も無視してトラッシュトークを仕掛け、ニュージャージー・ネッツで花開いた後も全く驕る事なく、ヘッドコーチのチャック・デイリーが忘れ物をして深夜遅くにアリーナに戻った際、コートで練習を続けるペトロビッチを見つけて「お前が今しなきゃいけないのは家に帰る事だ」と諭す始末。
不慮の事故死によりNBAでのキャリアはたった4年。私がペトロビッチのプレイをリアルタイムで見れた期間も僅かです。
ただ、ペトロビッチの驕らず腐らず努力し続ける姿勢、その能力はNBAのユーロ・海外選手に対する認識を大いに変えたはずです。没後の某外国人ファン(恐らくクロアチアの方)のコメントが個人的に印象に残っています。
「君たち(NBAファン)はペトロビッチの本当の偉大さを知らないし、今後も知る事はない。我々の悲しみの深さも」
勿論ペトロビッチ自身の言葉もどれも魅力的です。
練習をするのに時間は関係ない。車のキーをとり、ジムへ向かいドアを開ける。
そこには僕と清掃員だけがいる。
彼らは彼らの仕事をして、僕は僕の仕事をする。
仕事を欠かしたりはしない、絶対に。
500本のシュートを決めるのさ。
ーTwenty-seven lessons from Drazen Petrovicから一部抜粋/翻訳
以上。
TOP3考えるだけで何やら胸が一杯になっちゃいました。こんなですから、やっぱりGOATランキングは私にとって荷が重すぎます。
というわけで今回はこの辺で。ではまた。
おまけ。
・・・・・・やっぱり頑張って考えました。“NBA選手としての偉大さ”にフォーカスして私がGOATランキングを作るとしたらこんな感じです↓。
1位マイケル・ジョーダン
2位レブロン・ジェームズ
3位カリーム・アブドゥル・ジャバー
4位ビル・ラッセル
5位ウィルト・チェンバレン
6位ジョージ・マイカン
7位ラリー・バード
8位マジック・ジョンソン
9位ティム・ダンカン
10位ステフィン・カリー
10人選ぶだけでも一苦労です。時間がないので細かな説明は省きますけど、私は選手の偉大さを点ではなく線で捉えるのが好きでして、そうなると自ずと古のレジェンドたちへの評価は高くなります。恐らくジョージ・マイカンをTOP10入りさせる方はそう多くないと思いますが、私はマイカンを「史上初の支配的ビッグマン」として、「その後のバスケルールの近代化・エンターテインメント性の発達に多大な貢献をした人物」として非常に尊敬しております。
また長くなりそうなので他の選手についてや10位以下は省略。機会があればまた後日にでも。
GOATランキングを長く楽しみたいって方はThe Athleticの75周年記事シリーズがオススメです。
The Athleticが2022年に一定の期間にわたって公開したもので、当ブログではランキング画像だけを引用させてもらいましたが、75人全員に一つづつ記事を書いて丁寧に75周年を振り返っておりました。The Athleticは有料サブスクなので若干オススメしづらいんですけども、75周年記念シリーズの記事は選手だけでなくリーグの歴史・変化なども取り上げていて、NBAに興味を持ち始めた方にも有益だと思います。75周年記事シリーズへのリンク