【NBA2023】WS/48ランキングとオンコートNetRtgランキングとFGAランキング。平均スタッツの注意点と標準偏差と中二病とか色々。/ヨキッチ、アンソニー・デイビス、ドンチッチ、ケビン・デュラント、テイタム、ステフィン・カリー、ザイオン、SGA

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【NBA2023】WS/48ランキングとオンコートNetRtgランキングとFGAランキング。平均スタッツの注意点と標準偏差と中二病とか色々。

出し抜けにクイズです。

A選手とB選手はチームメイトです。レギュラーシーズンの平均スタッツは二人とも全く同じで二人ともスコアラー。サラリーも同じ。

A選手はその年プレイオフ一回戦の5試合で20PPGを記録しました。

B選手も同じプレイオフ一回戦の5試合で20PPGを記録しました。

FG%などシュート効率は同じ、出場時間やリバウンド数やアシスト数もターンオーバー数も同じ。

しかしA選手は大バッシングを受け、B選手は称賛されています。

なぜでしょう?

・・・・・・・

正解は・・・・・・

ではなく。

正解は

A選手は5試合中の1試合目でFG50/50の100得点を記録するも残りの4試合は1本もシュートを打つことなく0得点で、B選手は5試合全てでFG10/10の20得点だったからです。

・・・・・・・・なんでこんな愚にもつかないクイズを出したかというとですね。

「平均値の欠点」と「数値のばらつき」について少し語りたかったからです。

PPGやNetRtg等々NBAのデータサイトで参照できる大抵のスタッツ/指標は「平均値」です。
1試合あたりでの平均値ならPer Gameスタッツ(PPGやRPGやAPG等)。
ポゼッションあたりでの平均値ならPer Possスタッツ(OffRtgやDefRtgやPPP等)。
時間(分数)あたりならPer Minuteスタッツ(PERやWS/48等)。

Totalスタッツなど例外も沢山ありますが大抵が「平均値」です。

そしてその「平均値」の欠点とは冒頭のクイズで述べたような「数値のばらつき」を表してはいないという事です。「欠点」と言うより「留意すべき点」と言った方が良いでしょうか。

もう一つ、平均値(平均スタッツ)の留意すべき点。平均値から何らかの有用な情報を引き出したい場合は相応のサンプルサイズが求められるという事もあります。

「相応のサンプルサイズって具体的にどれくらい?」って?

真面目に言うと統計学には信用に足るサンプルサイズを割り出すための計算式ってのがあります。

まぁサンプルサイズ云々は気にし過ぎると、短いスパンでの活躍や感動に水を差してしまったり色々とつまらなくなりがちなので、本記事ではこの問題はスルーします。長くなりますし。

話を戻しまして。

平均値は「数値のばらつき」を表してはおらず、1試合100得点後4試合0得点のA選手と5試合全てで20得点のB選手を同じに見せてしまいます。5試合程度のスパンなら各試合のボックススコアを見れば両者の違いは一目瞭然ですが、これが長いスパンになると話が変わってきます。1シーズン以上のスパンにもなれば、パッと見でその選手がどの程度安定しているかを見分けるのはほぼ不可能と言えるでしょう。

そんな時に役に立つのがこちら↓。

“Standard Deviation”「標準偏差」です。

「標準偏差」は平均値に対する数値のばらつき具合を表しています。以前有志が作ってくれた図で説明してみましょう。
下の図は’21シーズン途中に作成されたもので、各選手のPPG(1試合あたりでの平均得点)とその標準偏差(平均得点に対するばらつき)をまとめたものです。一番左列RKの数字はPPGの順位、一番右列のPPG SDevがPPGに対する標準偏差を表しています。
クリスチャン・ウッドのPPGは23.5で標準偏差は±4.0とあります。つまりウッドは大体の試合で23.5から±4.0の範囲内の得点をした事を示しています。
ステフィン・カリーは28.4PPGで標準偏差が±11.7なので、ステフは大体の試合で28.7から±11.7の範囲内の得点をした事を示しています。

ただ上記標準偏差はあくまで「得点のブレの大きさ」を示したものであって、必ずしも「活躍のブレの大きさ」を示しているわけではありません。
それとNBA選手の各平均スタッツに対する標準偏差をまとめたようなデータサイトは私の知る限り現状存在しません。NBA選手の標準偏差を調べたい時は自分で計算するか、ネット上にある標準偏差の計算機に各試合のスタッツを一つ一つ打ち込む必要があります。
面倒な事この上ないので誰かその手のデータサイト作ってくれないかしら・・・・・・

「で?結局標準偏差ってNBA見るのに役に立つの?何に使えるの?」って?

・・・・・・・・

しつこいですね、ごめんなさい。

ごめんなさいついでに偉そうな事を言わせて頂きますと、スタッツ/指標やスポーツアナリティクスや統計学/確率論は非常に奥深くて難しくて複雑だけど、「下手の横好き」なりに楽しんでいると色々新しい知識やモノの見方も身について、NBAの試合がもっと見たくなったり、さらに面白くなったりもしますよ、って感じです。

他人様にオススメ出来るほど精通してるわけではありませんが、統計学や確率論は私の中二病魂を刺激する単語にも溢れていて、それだけでもオススメです。

「シンプソンのパラドックス」「前後即因果の誤謬」「ノンパラメトリック手法」「オッカムの剃刀」「サンクコストの誤り」etc.

なんかワクワクしません?

まぁ、上記含め日頃記事にしているようなスタッツ/指標の話題や豆知識は全てNBAを楽しむのに必須ではありません。

NBAを楽しむのに何より大事なのは知識のサイズではなくハートです。

アイバーソンもそう言ってます(言ってません)

なにはともあれ、当ブログが皆様のNBAライフの一助になれる事を願いつつ

今回はこの辺で。ではまた。

おまけ。

2022/12/4時点でのランキングいくつか&’22オールスターブレイク前のPPGに対する標準偏差。

WS/48(48分あたりでの勝利への貢献度を表した指標)ランキング。

1試合平均FGAランキング。

オンコートNetRtg(100ポゼッションあたりでのコート上にいる時の得失点差)ランキング。

’22オールスターブレイク前のPPGに対する標準偏差(一番右列のIQRは四分位範囲で、これもばらつき具合を表す値です)。

シーズン終了時点での数字が見たい。誰か作ってくれないかしら。
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